成功はゴミ箱の中に
■著者:レイ・A. クロック,ロバート アンダーソン,野地 秩嘉,孫 正義,柳井 正
マクドナルド兄弟と手を組み、マクドナルドを世界的にここまで有名にさせた、レイ・クロックの自伝だ。彼の起業家、経営者としての生きざまを見ていると、ますます闘争心に火をつけられるばかりだ。
私のこれからの経営人生で、どんなに厳しくて、どんなに孤独な試練が待ち受けていても、やってのけるための理由ができた。彼に負けてられるか、そう考えるからである。
彼がマクドナルドに出会ったのは、50歳を過ぎてからだった。私などまだまだその半分しか生きていない。これから25年、彼以上に波乱万丈に生きれば、彼をも凌駕する人間になることだってできる。そう考えるから、火をつけられると表現するのだ。
彼が大きくしたマクドナルド、その日本の伝説的社長が、藤田田。そして、藤田氏に憧れていつもマクドナルドに座り込み、『5分だけでも会ってほしい』と懇願していた青年こそ、現ソフトバンク社長、孫正義その人である。孫氏が当時、藤田氏に『これから商売するならITだよ。私だったらそうするね。』と言われていなければ、今のソフトバンクはなかったかもしれない。
そして同じく藤田氏に影響を受けた、ファーストリテイリング社長、柳井正も、孫氏と切磋琢磨せず、今の日本を牽引していなかったかもしれない。50歳を過ぎた一人のアメリカ人は、全世界にすさまじい影響力を及ぼしたのだ。
『なにかを始めるということに、遅すぎるということはない。』という言葉があるが、自分を信じた人間の未知の可能性には、わくわくさせられるばかりである。