隠れていた宇宙(下)
■著者:ブライアン・グリーン
インフレーション多宇宙に、パッチワークキルト多宇宙、それから、ブレーン多宇宙に、サイクリック多宇宙、ランドスケープ多宇宙など、宇宙への想像は、果てしなく広がっている。
例えば、『次元』という概念があるが、我々が認識できるのは『3次元』までである。これが、『4次元、10次元』ということだったらどうだろうか。
実は、宇宙は『ひも理論』という考え方をすると、『10次元』であるという理論に到達するのだ。
例えば我々はカーペットを見たとき、平らに見える。だから、『2次元』に見えるはずだ。だが実際顕微鏡で見ると、糸やひもがびっしりと打ち込んであって、立体である、つまり『3次元』であるということがわかる。だから手で触ってふわふわしているのだ。実際に製造している人なら、当たり前のことではある。
だが我々は、『2次元』という感覚で見る。こういう可能性が、宇宙という計り知れないスケールの中で、無限に広がっているのである。
よく『天文学的数字』と言うが、宇宙はまさに、その『天文学数字』という甚大なスケールの世界である。『その数字』を使って考えなければ、およそ『把握(理解)』など出来ない。
私などこの本の内容もまともに理解できないのに、この本を書くような最前線にいる超一流ですら、宇宙を理解していない。
いやはや、だからこそこの世は、面白いのである。