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考察
何事も考え方一つだ。例えば私は、警察が嫌いだった。それはそうだ。警察の敵に回るような悪ガキだったからだ。警察が職務質問をするときは、いつも憤慨していた。店の監視カメラに映らないような位置に追い込み、複数人で囲んで逃げられないようにする。そういうやり方も嫌いだった。薬物か凶器を持っているに違いないと、決めつけてそうしてくるのだ。
しかし、私が嫌いだったのは彼らの態度もそうだが、それよりもその背景にある、『国家権力』という絶対的な力の存在である。この人生で、誰かの言う事を聞くなんてまっぴらだと考える私にとって、その存在は嫌悪の対象でしかなかった。しかし、これも考え方一つなのだ。
例えば、その警察の職務質問がある地域と、ない地域では、犯罪率に差が開いているという事実があるのだ。それに、よくよく考えてみれば警察は市民の生活保全のために尽力している。そりゃあ、多少は企業的なノルマ達成の感覚もあるだろうし、馬鹿な人間は中にはいるだろうが、それは警察じゃなくても同じことだ。
つまり、警察を『敵視』するのではなく、『味方』だと思えばいいのだ。あるいは、自分の会社の、違う部署の人。生活安全課の人だ。あるいは、少し捻じ曲がるが『部下』でもいい。とにかく敵ではない。警備隊なのだ。守ってくれている。彼らがいなくなれば、更に不愉快な生活が待っている。そう考えると、気持ちは落ち着くものである。
検問の時、角に隠れてピーッと笛を吹き、点数を切られると、正直腹が立つ。だがそれも実は、こちらがきちんと交通ルールを守っていれば問題はなく、あるいは逆に、交通ルールに対しての規範意識を強化してくれる、授業だと思えばいいのだ。強化月間は、特別強化授業だ。
これが定期的にあることで、規範意識の脆弱化が防がれている。そう考えれば、もし切符を切られたとしてもそれは、授業料だ。きっと、人を轢いてしまったときに、刑務所の中で、交通安全強化月間の有難味を、思い知ることだろう。
カーネギーのこの言葉を、そんな視点で考えてみたい。すると、ドイツの哲学者、ヘルダーの言う、
『暴君』に対しての考え方が、変わるはずである。
追記:ちなみに警察の職務質問は任意だが、それだけの知識で相手と戦おうとするとかえって腹が立つ結果になる。確かに任意だが、相手はそうとわかったうえでも、職務質問の対象になる人間には、多少強引にでも職務質問をしてもいい、というルールブックを基に行動しているのだ。
だからそういう場合は素直に身を任せるのが賢明である。そうじゃなく少しでも抵抗しようものなら公務執行妨害などの難癖をいくらでもつけて、さらに相手の有利な方向に持っていこうとする。
『時間が多くのことを解決してくれる。あなたの今日の悩みも解決してくれるに違いない。』
もしその時の警察の態度に理不尽を覚えても、それは『必要悪』だとでも考え、忘れることである。そうした多少強引な彼らの態度があるから、何とかして隠し通そうとする人間の罪を発見し、犯罪を未然に防ぎ、誰かの命が守られているかもしれないと考えるのだ。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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