老子『終わりを慎むこと始めの如くなれば、即ち敗事なし。』
中国の哲学者 老子(画像)
名言の意味を考えて、偉人の知恵を自分のものにしよう!
考察
初めだけ全身全霊で挑み、終わりになると手を抜いてみる。例えばそれを、『登山』で考えてみる。
登山する前は、皆そういう感じだ。とても意気込んでいて、気合が入っている。しかし初心者は実際に登頂すると、そこで結構達成感に満ちてしまう為、下山のことは、あまり考えない。
しかし、下山も同じように、大変だ。中には、下山の方が大変だという人もいるぐらいである。事実、私が富士山に登った時の心の変化が、書いたようなものだったのだ。山の恐ろしさは、事故が起きてから初めて理解する人が多い。
私も、遭難しかけたり、険しすぎる山道を数時間も往復したりと、洗礼を受ける前は、完全に舐めていた。体力だけで何とかなると思っていた。
いや、事実なんとかなったが、しかし、あと一歩油断したら命が危ない、そういう危機感が、常に隣に付きまとう感覚があったのだ。
ホームに帰るまでは、全く油断が出来ない。そういう感覚を養うために、登山というものは、とても良い精神修行となるだろう。
ナポレオンは言った。
あるいは、武田信玄は言った。
『勝って兜の緒を締めよ』という言葉の意味はどういうことかというと、
『戦いに勝って、ほっと一息ついて兜を脱いだとき、ふいに敵が襲ってくるかもしれないから、勝ったとしても油断せず、さらに用心せよ』
という意味だ。そしてそれならもう一つの解釈ができるが、
『戦で、勝負に勝ったのはいいが、勝利の美酒に酔いしれ、兜をしているのをわすれ、許容範囲を超えた体勢を取ってしまい、兜が後ろにずり落ち、あるいは敵に引っ張られ、それをささえる紐で首を絞められて死んだ』
という、なんとも残念が事態があったことも想像できるわけである。最後の最後で、兜の緒に首を絞められて死んでしまっては、せっかく勝利の美酒に酔えたはずなのに、それが『劇薬を服用しただけの愚行』になってしまう。
武道の世界も、礼に始まり、礼に終わるわけで、浮ついて自分の心を見失わないよう、人はいつでも、克己心が求められている。
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著者:一瀬雄治(Yuji ichise.)
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