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アリストテレス『自殺は、たとえその人自身にとって不正でなくとも、国家に対しては不正なり。』

名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!

ふむ…。

運営者

考察

国家というか、大勢の人にとって、だ。一人の自殺を許してしまえば、つまり自殺を公に認めてしまえば、大変なことになる。その行為が連鎖されるからだ。人間は、合法だとか、公に認められているとか、そういう大雑把な規範意識だけで自分の行動を決めるところがある。

 

例えば『合法ドラッグ』がそうだ。あるいは、酒やたばこもそうだが、それらは『合法』だから良い、と言って、それに依存し、あるいはそれが『違法』となれば、やめる人間が急増する。このようにして、それを決める規範意識を、自分の信念ではなく、蔓延している観念によってコロコロと変えてしまう人間はあまりにも多い。

 

昨今問題になっている『尊厳死』もそうだ。あの後に、やはり同じように『私の尊厳死も認めて下さい』という人が現れた。ロックスターが自殺をしたときも、後追い自殺をするファンが現れ、残ったメンバーがそれをやめるようにメッセージを出すこともあった。一人の人間の自殺や問題を認めてしまうと、そこが綻びとなって、この世界に大きな亀裂が入る。例えば、裁判における『判例』とは、水戸黄門の印籠の様なもので、『以前そういう判例がありましたよね』と言い、『なぜ今回も同じ扱いにしないのですか』と言えば、その意見を通さざるを得ない、という厳かで確かなもの。

 

それと同じように、人間が、一度公に認めてしまった事実が世界に与える影響は、一般の人が思っているより甚大であり、その舵取り一つ間違えてしまうと、あるいは国家が滅亡する危機に陥ることも十二分にあり得るのだ。『ブラック・ジャックとドクター・キリコ』にも書いたが、それでもやはり、ドクター・キリコのように安楽死を遂行するような人間が、必要とされる状況はあるだろう。

 

しかし、ジョルジュ・ぺロは言った。

 

やはり、自殺が世に与える影響は大きい。それを公に認めることの影響も甚大だ。

 

では、例えば戦場で、瀕死の重傷となり、さっきまで肩を組んでいた仲間がもう全員死んだ。そういう状況の中、もう、自分の命も後わずかで敵に見つかり、終わってしまうことがわかっている中、彼が、爆弾を抱えて相手に突っ込み、仲間の仇を取るために、最後の命の火を燃やした。そうやって、誰にも知られずにひっそりと自分の命を燃やした人間もいるはずだが、彼らのその死にざまは公になっていない。それを語れる人間がいないからだ。

 

しかし、確かにそこにあった命だ。それはとても尊いし、それらの行為は人としてとても愚かだ。公にせず、ひっそりと一人で死ぬなら、社会に与える影響はない。有名人や、インターネットを利用して世界に発信するなら、その影響は甚大である。では、ひっそりと死ぬのは許されるのだろうか。死に際に、全世界の人にメッセージを遺すことは、許されないのだろうか。どちらも許されるように見え、どちらも自分勝手に見える。しかし、私はこれらを全て踏まえた上でも、こう締めくくりたい。

 

『悔いのない人生を。』

 

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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