名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!
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考察
これは非常に奥が深いテーマだ。『飢えていない』犬は、肉以外の事を考えることが出来る。飼い主や、子供や、その他のマナーのことだ。しかし、犬でも人間でも、本能には勝てない。いや、実際にはそれに打ち克つシーンはあるが、そこがこの話の深いところである。まず考えたいのは、マズローの『5F』。
- Fucking(性欲)
- Flocking(群衆欲)
- Fighting(闘争欲)
- Feeding(食欲)
- Freeing(逃走欲)
これらが本能に植えついているイメージは、想像にた易いはずだ。それから更に、『マズローの5段階欲求』とは、人間の欲求を5段階に分けて示したものである。その人間の基本的欲求を低次から述べると、以下の通りである。
- 生理的欲求(Physiological needs)
- 安全の欲求(Safety needs)
- 所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging)
- 承認(尊重)の欲求(Esteem)
- 自己実現の欲求(Self-actualization)
出典:『マズローの欲求5段階説』
まず一番下に『生理的欲求』があることがわかるわけだが、まず、人間も含めたあらゆる生命は、自分の命を守るために、そのエネルギー源を確保しなければならないのだ。それに、睡眠も取らなければならないし、種の保存の為に、性欲もなければならない。だからまずの絶対原則として、最初に『生理的欲求』を満たすことが前提となっていて、それが満たされたあと、ようやく他のことを考えられるようになってくるという優先順位が、ここで浮き彫りになるわけである。
それから、日本文芸社『脳とカラダの不思議』にはこうある。
一般の動物は、育てやすい季節に出産を行えるように発情期というものが脳の中にプログラミングされているが人間の場合はいつでもセックスが可能だ。これは、脳の中の大脳皮質が深く関係している。生殖に関するメカニズムを担っているのは脳幹にある視床下部であるが、人間の場合は大脳皮質の前頭連合野も性行動に深く関係している。もし、視床下部だけに性行動が支配されているとしたら、人はひたすら欲望の赴くままにセックスを求めて、社会的な秩序はあっという間に崩壊してしまう。
一度、犬ということは忘れて、人間という動物の脳の仕組みは、このようなシステムになっている事実がある。動物は、発情期に従ってその性欲を活発にさせるが、人間の場合は四六時中なのである。これらのことを総合して考えると、人間とその他の動物に多少の違いあれど、やはり生命というものは、まず最初にやらなければならないことがあり、むしろ、それ以上に重要なことは、あまりないように見える。
後のことは、全てそれを満たした後に、初めて行えるものだということを考えると、人間も動物も、ほとんどこの『生理的欲求』を満たすことだけが絶対的基盤であり、後のことはどうでもいい、好きなようにすればいい、というわけで、前述したような『植えついている本能』のことを考えた後に、チェーホフの言葉をよく考えてみると、『飢えている状態』の動物と、『飢えが満たされた状態』の動物とでは、その人格が全く違うわけだが、では、一体その『どちらの人格が正しい』のか。それを考えさせられるのである。『満たした後でなければ保てない人格』を考えた時、私はそれを俯瞰で見て、とても滑稽だと捉えてしまうのだ。
ルソーが書いた自身の著書『人間不平等起源論』の文中にはこうある。
「人間が一人でできる仕事(中略)に専念しているかぎり、人間の本性によって可能なかぎり自由で、健康で、善良で、幸福に生き、(中略)しかし、一人の人間がほかの人間の助けを必要とし、たった一人のために二人分の蓄えをもつことが有益だと気がつくとすぐに、平等は消え去り、私有が導入され、労働が必要となり、(中略)奴隷状態と悲惨とが芽ばえ、成長するのが見られたのであった」
つまりルソーは、『人間は元々平等だったが、 その平等さを追い求めた結果、『不自然な不平等』が起きた』と言う。それが『法律』、『政治』、『家族』、『勤労』といった『社会制度』であり、地位や名誉、そして財産による階級の差異、差別化である。これを考えた時、チェーホフの言葉はどう聞こえてくるだろうか。まるで、『生理的欲求』を満たすこと以外の一切のことは、『茶番』のような、そういうイメージが一瞬頭をよぎるのである。
また、もちろんこれをストレートに受け取った時、兼ねてから私もこのサイトで必ず話す、『人は枯渇したゲージを満たす為に躍起になる』という、『隣の芝生は青く見える』的な、
ここに書いたような、人間(動物)の行動の原因とエネルギー源の捻出についても、考えることができる。とても深い言葉だ。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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