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鈴木敏文 『トレードオフというと「二者択一」と訳され、どちらか一方をとり、 もう一方は切り捨てるというとらえ方が多いようですが、これは正しい理解ではありません。』

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ふむ…。

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考察

『商品開発には、上質さを追求する方向性と、値段の安さなど、手軽さを追求する方向性があります。上質さと手軽さはトレードオフの関係に見えます。トレードオフというと「二者択一」と訳され、どちらか一方をとり、もう一方は切り捨てるというとらえ方が多いようですが、これは正しい理解ではありません。上質さか、手軽さかのトレードオフの場合、上質さなら上質一辺倒ではなく、そのなかにどれだけ手軽さをちりばめるか、逆に手軽さなら手軽さ一辺倒ではなく、どれだけ上質さをちりばめるか、そこに価値が生まれます。ポイントは上質さと手軽さという二つの座標軸で考え、手つかずの「空白地帯」を見つけることです。すると、どこにもない商品が生まれます。』

 

 

事実、『トレードオフ』という本があり、その本はとても有意義な本である。そこでは、『上質さ』と『手軽さ』、そのどちらかを二者択一しなければならない、それに特化するべきである旨が記載されていて、説得力がある。たとえば、激安が売りのショップであれば、それに徹するべきであり、富裕層向けの高級志向のショップであれば、それに徹するべきである。そうしないと価値が廃れて、客足が遠のいてしまうわけだ。本にはこうある。

上質の頂点と手軽の頂点

これらは勝ち組になる条件である。ヒット商品のほとんどは、上質か手軽かのどちらかで他を圧倒している。アップルは、極上のiPhoneをひっさげて携帯電話市場に殴り込みをかけ、値が張るうえになかなか手に入らないにもかかわらず、たちどころに人々のハートをつかんだ。ウォルマートは、日用品をどこよりも手軽に安く購入できる場を提供して、小売業界のリーディング企業の座を手にした。価格の高いiPhoneは簡単には手に入らなかったし、ウォルマートでの買い物はお世辞にも極上の体験とはいえない。しかし、そんなことは問題ではない。どちらかひとつの軸で一番になれば市場に君臨できるのだ。

 

 

また、続けて本にはこうも書いてある。

上質さで最高峰に位置する商品やサービスは手軽さには乏しいかもしれないが、それはそれでかまわない。手軽さを重視する顧客は上質さを求めないからだ。同様に、手軽さの面で抜きんでた商品やサービスには上質さはさほど求められない。じつのところ、高い人気を誇る商品やサービスは、たいてい、きわめて手軽だが極上とはいえないか、極上だが手軽とはいえないか、どちらかの傾向がある。

 

しかし、鈴木敏文の言うように、手軽さに上質さ、上質さに手軽さを散りばめることは効果がある。例えば、上質な時間を堪能したい人間が、クオリティの高い接客を受けるのはいいが、その間に、やけにめんどくさい手続きをしなければならないとする。店側曰く、

 

これも、上質な時間を提供するためです。

 

そこは『手軽に』出来るはずだろう。とにかく、あまり台本思考にならないことが肝心である。

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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