未来服"アウトラスト"
地球の最前線にあるテクノロジーが、NASAにある。
地球の『外』に出るのだから、モチベーションは当然『人類の代表』として、『全身全霊』なのだ。
例えばこの『アウトラスト』。かのヒートテック系統の最先端にある技術、素材がこの『アウトラスト』。外気の温度に応じて熱を吸収・放出することで、肌の表面温度を快適なものに保つことができる優れ物だ。アウトドア市場でポツポツと頭角を現しつつあるが、来月、あのDIESELが、この素材を使用してジーンズを発売する。同社が、自社以外の生地を使用してジーンズを生産することは、初めてだという。
莫大な資産と規模、そして情熱が込められた、テクノロジーの最先端の、NASA。ここから技術が降りてきて、一般市場に出て、そして末端の小売店に行きとどくのに、
20年もあれば十分だろう。
いつだって人は、安くて、良質なものを好む生き物だ。日本人が草履や雪駄から靴に履き替えたように、ユニクロがヒートテックを、インフラのように人間のインナー概念に植えつけたように、いずれ世界中の洋服が、デザイン性と機能性の両面を完全にクリアする日が、来るのかもしれない。
20年前に公開されたあの歴史的映画、バックトゥザフューチャーでは、洋服が自動で乾燥する未来服が創造されていて、未来への期待に夢が膨らんだが、アウトラストや、空調服が、世に出てきたこの勢いなら、あの洋服やホバーボードなんかも、夢ではなく、『目標』になるのかもしれない。
10年以上前位に公開された、映画『シックス・デイ』、で描かれた未来では、
自動運転車や、ホログラムが当たり前になっていたが、自動ブレーキを日本のスバルが発明し、トヨタが車体にディスプレイを映す技術を開発した今、それもまた、『目標』。
映画、映像の世界では、『アバター』の次世代があるとすれば、ホログラム。エアロビクスやスポーツのコーチは、自分の好きなタイミングで、好きなポーズを自由自在に扱える、ホログラムで十分になるだろう。
いつの間にか、"タブー"とされていたクローン技術は当たり前になっている。脳に障害がある者の為に創られた脳波を利用したテクノロジーを開発したのは偉業だ。
人間の可能性は、日進月歩、確実に成長を遂げている。クローンや、ICチップ移植の倫理や行きつく先、利便すぎる世の中への成長による怠慢やゆとり、保守、免疫力の低下や、少子化、問題は山積みだろうが、こうして人間の進歩の推移を見ていると、
なかなかどうして、エゴ(技術革新)とエコ(地球保護)を両立する、そんな難関さえもクリアしてしまうような、人間には無限の可能性さえ感じてしまうのは、私だけだろうか。
by:一瀬雄治 (Yuji Ichise)
サルベージエンタープライズ株式会社代表取締役社長。
1983年、東京都生まれ。