世代別思考
世代別で思考回路が違ってくる。
それは当然、その時代、その時代によって、起きる出来事、環境が違うからだ。
例えば、日本刀を持ち歩いている時代と、今の時代とでは、考え方が違う。
このように、現代を共に生きるあらゆる世代も、異なる思考を持つのだ。
世界で見ればもっと異なるだろうが、日本において考えてみる。
年齢 人口比
少子化世代 1984~93 16~25歳 10.9%
価値意識 『誰かに評価してもらいたい』
『他人にどうみられるか気になる』
バブル後世代 1979~83 26~30歳 6.5%
『ワンランク上の生活がしたい』
『人間関係を広げたい』
団塊ジュニア 1971~78 31~38歳 12%
『一寸先は闇』
『他人の目を気にせずいたい』
新人類 1961~70 39~48歳 12.5%
『普段の生活でストレスを感じる』
『ナンバーワンよりオンリーワン』
断層世代 1951~60 49~58歳 14.6%
『今を楽しく生きる』
団塊世代 1946~50 59~63歳 6.7%
『自分らしさにこだわる』
『周囲の意見を気にしない』
焼け跡世代 1939~45 64~70歳 8.6%
『自国の文化を守りたい』
『伝統や歴史に惹かれる』
戦争があったり、不況があったり、バブルがあったり、それが崩壊したり。
その時代、その時代によって状況は違うし、人の考え方も変わる。
それは当然のことだ。
今、『武士の命じゃ!』と言って日本刀を持ち歩いていたら、すぐに御用となるだろう。
かつての武士の命も、今では『銃刀法違反』で、異常者扱いだ。
今、『携帯なんてだめ!』と言っていたら世の中から淘汰されるだろう。
GPS機能がついた携帯電話は、今は子供を守る重要な役目を果たす。
戦争や被災のダメージが少なく、治安の良さも世界に誇れる日本は、
秩序が保たれていて、平和ボケな世代も生まれるだろう。
しかし、たちまち被災が起きれば、スマトラ、四川、ハイチやチリの二の舞になるだろう。
インドやイラクや北朝鮮のように、日々戦争やテロと隣り合わせの国で、
日本人の考え方は通用しないだろう。
どの国にも、国の汚点や毒をもみ消し、平和な国に見せる習慣がある。
それは、混乱を避け、国の秩序を保つためだ。
かつての『阪神大震災』を知る、裏の世界にも通じる男性社長に聞いた話だが、
やはり、マスコミには決して報道されなかった、汚点があったようだ。
暴行、強盗、強奪、強姦。
そんなアングラ、日本人とは無縁だという認識さえ覚えるこの時代。
やはり同じ人間。“そういう状況”になれば、とる行動は、人類みな、同じ。
俺の世代は、“バブル後世代”。今の日本の人口で、一番少ない世代のようだ。
俺の世代も俺の世代で、こういう価値意識になった時代の背景がある。
時代、世代、国、状況、
実にさまざまな背景によって、人はその姿を変える。
しかし、俺から言わせれば、それらすべてが『反応的』。
とにかく“ほかのもの”によって自分を変えてしまう人間は、反応的なのだ。
どんな状況であろうと、自分が状況を作る。
“状況?なにが状況だ。俺が状況を作るのだ。” by ナポレオン
彼の様に高潔なプライドを持った言葉を心から言えるように、『主体的』に
人生を生きる。
それが、どうせわずか、最長で100年足らずしか時間を与えられていない、
人間が、取るべき、高潔な人生の生き方だ。
反応的な人間は、『視野が狭い』だけだ。
その瞬間、その瞬間を、刹那的に生きているから、その都度その都度、反応的に
生きる。
そして、『取り返しのつかないことをした』と、後で後悔するのだ。
137億年前、宇宙が誕生した。
46億年前、地球が誕生し、大きな星が衝突し、月ができた。
40億年前に、海が出現、
39億年前に、生命が誕生し、
10万年前に、新人類が出現。
そして、6千万年後に、日本はオーストラリアに吸収され、ユーラシア大陸と衝突。
30億年後、銀河系とアンドロメダが合体。
50億年経つと、地球は太陽に呑み込まれる。
ある学者が発表している話だが、このくらいの大きな規模で考えた時、
これが本当であれば、こういう考え方になる。
『地球の寿命は、100億年。
人間の寿命は、50億と10万年。
実に両親から生まれた確率、300兆分の1。』
この規模で考えた時、ほんの一瞬のわずかな地球の“揺れ”に対し、
その周りにいる人間がそれについていちいち過剰反応し、崩れたり、生をやめたり。
宇宙の果てが誰にもわからないように、世の中には“一生不明”のことも存在する。
もし“神”がいて、もしその規模で下界を見ているのなら、
たしかに『人間は愚かな生き物だ』という言葉をいうだろう。
人間は弱い。
崩れてしまう原因は、星の数ほどある。
だが、そんなときはこのくらい大きな規模で考えればいい。
どうせ、人間の一生など、最初から儚いのだ。
それであれば、くよくよしたり、こじんまりして生きていく必要はない。
与えられた奇跡の人生に感謝し、最後の最後まで、強く、楽しく生き貫くのだ。
そして、できるだけ後世に、それを引き継ぎ、幸せな人生を分かち合うのだ。
『厳しくないと生きていけない。でも、優しくないと生きる資格はない。』
恩師から貰ったこの言葉を忘れずに、今日も一日、強く生きよう。
by:一瀬雄治 (Yuji Ichise)
サルベージエンタープライズ株式会社代表取締役社長。
1983年、東京都生まれ。