お金の貸し借りは最終的に人間やん現関係の破綻を生む原因にもなる重要な問題です。ですから、ここには無数の法律が張り巡らされていて、それを覚えておくことを求められます。ここでは、特にこれだけは覚えておきたいという10の知恵を掲載します。
Contents|目次
いつ返すか決めなかったお金は返ってこないの?
いいえ。
通常のお金の貸し借りは、『いつまでの返すか』ということを決める必要があります。しかし、もしこの約束を忘れてしまった場合でも、相手は『定めてないから返さなくていいんだよ』ということにはらななりません。確定期限の定めがなされなかったお金の貸し借りも、法的に有効とされます。
通常の金銭消費貸借契約は、『確定期限の定め』をする必要がある。つまり、『いつまでの返すか』ということを決める必要がある。しかし、もしこの約束を忘れてしまった場合でも、相手は『定めてないから返さなくていいんだよ』ということにはらなない。確定期限の定めがなされなかったお金の貸し借りも、法的に有効とされる。
また『不確定期限の定め(412条2項)』とは、前述したような内容まではいかなくても、『引っ越しをする予定があるからそのときに返すよ』という漠然とした約束の場合に該当する考え方であり、その場合、『引っ越しをしたとき』が返済期日となる。
しかし、こうした場合は基本、『返さなくてもいいんだよ』という、借りた人間が主導権をちらつかせるようなものではなく、真逆で、貸した人間が『返せ』と言った段階で返さなければならない。つまり、請求を受けた時が『履行期(412条3項)』ということになる。
しかしもちろん急な用意は出来ない。確定期限を定めなかったのは双方の責任である。従って、急に履行期を突きつけるということは非常識。相手にそれらを調達してもらう為に、『催告』が必要となる(591条1項)。
つまり、約束しなかった分を、この時に約束し直すのだ。いついつまでに返してくれと、事前に『催告』する。債務者はそうなれば、その日に返済義務が生じるわけである。その催告から返済までの基本的な日数は、およそ2週間ほどを目安とすれば常識の範囲内である。
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借用書なしで友人にお金を貸した場合、契約は成立する?
はい。
民法の規定によると、金銭消費貸借契約は『返還の約束』と『金銭の授受』だけで成立しまう。したがって、借用書などの書面がなくても、契約は成立するということになります。
民法の規定によると、金銭消費貸借契約は『返還の約束』と『金銭の授受』だけで成立する。したがって、借用書などの書面がなくても、契約は成立するということになる。
そもそも借用書等の契約書が存在するのは、以下の事実が挙げられる。
1)後々のトラブルを避ける為
2)トラブルとなった場合に証拠としての価値があるため
3)作成することでお互いの意志が明確に確認できる
口約束で行われた金銭の貸し借りの場合、『貸した、借りてない』の水掛け論が行われる可能性があり、だとしたら借用書のような書面があることでそのような事後のトラブルを避けることができるわけだ。また、もし争いが発展して裁判となった場合、それら、双方の押印・署名のある書面は有効な証拠となる。
また、借用書があった場合、そこに印鑑を押さなかったら無効になるかというと、そうではない。署名と捺印をするのが基本的な契約書の常識だが、その捺印がなされていなかったとしても、署名さえあれば問題はない。それは、法律上では、『署名』と『記名・捺印』が同等の効力を持っているとみなされているからである。
印紙も同じ。印紙は印紙税法という税法上の義務から貼り付けが義務付けられているものであり、私人間の契約には影響を及ぼさない。しかし、貼っていないよりは貼ってある方がいい。それは捺印に関しても同じことである。
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借金を当人以外の人から何の前触れも無く請求された場合は、どうすればいいの?
借りている人の許可なく、返す人が変わることは認められていません。
ですから、借りている人に前触れなくそれを行い、それでその譲渡されたと言っている人がいきなり債権を請求してきても、『認めない』と言えばそれでいいということになります。
借金を違う人から何の前触れも無く請求された場合はどうすればいいだろうか。この場合、『前触れ』というところががポイントだ。前触れは、しなければならない。普通、債権者は自由に『債権譲渡』が出来る。つまり、その債権を他の人に譲り渡すのだ。
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サービサー(債権回収業者)に残債務の10%ほど払えば借金はなくなる?
ここに書いたが、サービサー(つまり、債権回収業者)が不良債権を買い取り、回収の代行をするということがある。これを考えても、債権譲渡というのは債権者の自由に行われる。もしかしたら債務者が全くお金を返さない状態、つまり不良債権にあったかもしれないわけで、だとしたらそれは公平ではない。債権者が一方的に損をしている。そういうことは許されないわけだ。
だが、この債権譲渡は、民法で、
『債権者からの通知または債務者の承諾がなければ、債務者はその譲渡の事実を認めなくてなくていい』
という『対抗要件』を定めている。(467条1項)。つまり、確かに債権者の自由で債権は譲渡できるが、債務者に前触れなくそれを行い、それでその譲渡された債権者がいきなり債権を請求してきても、『認めない』と言えばそれでいいということになる。
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金融機関から借りたお金って、期限前に返せる?
はい。
金融機関からの借りたお金を、あらかじめ決められた期限前に返すことは、できます。むしろ、利息を多く払わない為にも、長期返済を切り上げられるならそうしたほうがいいです。
金融機関からの借りたお金を、あらかじめ決められた期限前に返すことは、できる。むしろ、利息を多く払わない為にも、長期返済を切り上げられるならそうしたほうがいい。だが、消費者金融等の金融業者からすれば、長期的に借りてもらって利子を多く払ってもらった方がいい。それが業者の売上だからである。
闇金融あたりになるとこうして利子を払って元金を減らさないことを『ジャンプ』と言う。彼ら曰く、
ジャンプさせ続ければ一生金づるだからなあ。
ということなのである。つまり彼らからすれば、理不尽な利子で一生ジャンプしてくれるような客をたくさん捕まえることは、闇金業者としての成功を意味するのである。
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ヤミ金問題に強いおすすめの弁護士や司法書士とは?
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借金の取立てや闇金融とのトラブルは公的機関に相談できる?
そうしたそれぞれの思惑がある中で、借りたお金を期限前に返すということは債務者にとってはメリットがある。『期限の利益』という法律用語があるが、これは、『借りたお金の返済を期限まで猶予してもらう』というものである。つまり、その期限中は待ってもらうことができるという自分の利益が確保されるわけだが、この期限の利益は『放棄』できる。
民法では『起源は、債務者の利益のために定めたものと推定する』と規定している(136条1項)。従って、『いつでも返したいときに返せる』ということだ。
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借金を、お金ではなく違う物で返すことはできる?
その債権者が承諾すれば返済として有効となります。
これを『代物弁済』と言います。
お金を借りていたが、お金ではなく、違う物で返したいと思った場合、通用するだろうか。普通に考えると、お金を貸したのだから、やはり返すのはその借りた額のお金そのものでなければならない、という発想が頭をよぎるわけである。だがこの場合、その債権者が承諾すれば返済として有効となる。これを『代物弁済』と言う(482条)。
その物がどんな物であれ、市場価値のない物だとしても、それで債権者が承諾すればOK。そもそも、『市場価値』などあってないようなものである。わけのわかわからないカードがプレミアがついて数十万円することがあるが、それは本人にとっては『わけのわからないカード』ではない。思い出があり、思い入れがあり、それが本人にとってプレミア(希少価値)となって、数十万円の価値があると判断しているのである。
このように、物の価値というものは相対的なのである。従って債権者が、
それで代物弁済してもらえるなら、全然いいよ。
と言うのであれば、それでいいのだ。たとえ『わけのわからないプロ野球カード』であっても。
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お金を貸して(借りて)いた人が死んだ場合、借金はどうなるの?
借りていた場合は、借主の相続人に支払い義務が移ります。
貸していた場合は、貸していた人の遺族がその債権、つまり権利を相続した場合、その相続人が次の債権者となります。
借主の相続人に支払い義務が移る。遺産分割というのは相続人間の内部的な問題であり、これによって債権者の利益が害されないように、対外的な関係では法定相続分に応じて債務が各相続人に帰属していることになる。
ただし、『相続開始を知った日から3か月以内』に相続放棄をした場合、相続人に請求することはできなくなる。相続放棄は、故人の価値のある遺産を受け継ぐことが出来ない代わりに、価値のない遺産、つまり『借金』も受け継がなくていい、というものである。
お金を借りていた人が死んだ
この場合も、貸していた人の遺族がその債権、つまり権利を相続した場合、その相続人が次の債権者となる。
死んだ父が連帯保証人だった
この場合も、相続放棄の考え方と同じ。支払う必要があるし、放棄すればない。
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借金をしてギャンブルを繰り返す夫や妻に、規制をかけることはできる?
日本貸金業協会が設けた貸付自粛制度を利用するといいでしょう。
借金をしてギャンブルを繰り返す夫や妻に困った場合、その対象者に規制をかけることはできるだろうか。この場合、日本貸金業協会が設けた貸付自粛制度を利用する。
この制度は債務者が自らに浪費の習癖があることなどの理由によって、受けることが出来る制度。それを申告できるのは、以下の通りである。
貸付自粛制度を申告できる人
1)本人
2)自粛対象者の配偶者
3)法定代理人
4)二親等内の親族
これらの人物が日本貸金業協会のホームページから申告をすると、これに対応する情報を個人情報機関に登録し、一定期間、個人情報機関の会員に対し提供する制度。
ただし、個人信用情報機関に登録された情報は、信用情報機関の加盟している金融機関などで照会した場合に限り提供されるので、貸付自粛が確約されるものではない。闇金等もまた然りである。従って、公式な規制をかけたことが逆効果になり、更に劣悪な状況に陥ることがないように、注意する必要がある。
また、この登録の有効期間は登録を受理した日から5年間程度とされている。
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連帯保証人になったから支払ったんだけど、そのお金の請求は誰に出来るの?
保証人からすれば、別に『自分がした借金』ではありません。
従って、主債務者に対し『その払った分を全部返してくれ』という請求をすることが出来ます。
連帯保証人になったから支払った。しかし、支払うのは支払ったが、そのお金は主債務者、つまり『実際に借りていた人』に請求できるだろうか。
答えは、Yes。
連帯保証人というのは債権者にとってはほぼ債務者と同じ扱いを受けるため、そのようにして支払わなくてはならなかった。だが、保証人からすれば、別に『自分がした借金』ではない。従って、主債務者に対し『その払った分を全部返してくれ』という請求をすることが出来る。これを『求償権』という。(459条1項)
よく考えたら当たり前のことなのだが、法律というのは、たまにこの『当たり前のこと』が捻じ曲げられることがあるため、こうした細かいルールを把握しておくことは極めて重要となる。正直者で、無知な人間が痛い目を見ることは、往々にしてあることだ。その点に関しては、法律も、それを定めた人間も、どちらも恒久的に未熟な存在なのである、という事実を直視すればいい。
しかし、主債務者側の意見としても、お金がなかったから払えなかった。ではその場合、どうやって回収すればいいか。民法には、
『弁済について正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する』
という『法廷代位』の規定がある(500条)。
つまり、もしこの債権に抵当権が付いていた場合、保証人はその不動産を売却してお金を返済させる権利を得ることが出来るわけだ。元々金融業者がやろうとしていたことをやれるようになる。権利が移るということになるわけだ。ほぼ債権者になったということになる。連帯保証人という大きなリスクを無条件に負ったのだから、それぐらいの権利が与えられるのは当然だ。
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保証人と連帯保証人の違いは?保証人への請求と求償権について
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連帯保証人や身元保証人を頼まれた場合の対処法とは?
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債務整理をすると借金の保証人にはどういう影響がある?
この章のまとめ
友人の(自分ではない誰か)借金は肩代わりできる?
はい。
できます。債権者からすれば誰にお金を返してもらっても経済的効果は同じなので、第三者でもお金を返すことができます。
友人の借金を肩代わりしたい場合がある。それはできるだろうか。
答えは、Yes。
債権者からすれば誰にお金を返してもらっても経済的効果は同じなので、第三者でもお金を返すことができる。(474条1項)
よくテレビドラマで
まあ、うちは金さえ返ってくればそれでいいんだよ。じゃああんたが代わりに払ってくれるんだな?
などというシーンがあるが、あの通り、債権者はお金を返してくれさえすればいいのである。悪徳じゃない限り、それで返済は終了となる。ただし、債権者や債務者がダメだといっているのに、無理矢理第三者が弁済することはできない。
また、その『友人』というのは『自分ではない誰か』という意味でもあるわけで、例えば、行方不明になった夫や妻の借金を支払う必要についても同時にここで考えられることになる。
その答えは、ない。支払う必要があるのは保証人だけだ。だが、本人が支払いたいと言うのであれば、債権者からすれば誰にお金を返してもらっても経済的効果は同じなので、第三者でもお金を返すことができる、ということなのである。※ただし、身内となると、『相続』という問題については忘れてはならない。
また、『お金を借りた友人が行方不明になった』という場合だが、行方不明になっても債権は消えない。だが、どうもすっきりしない。
こういうときは『供託』をするべし。これは、債権者が受領しない場合などに、弁済の目的物を債権者のために供託所に寄託して、債務を免れる制度である(494条)。
供託できるのは、以下の通りである。
1)債権者の受領拒絶または受領不能の場合
2)債権者の不確知の場合
この場合、2)に該当するわけで、供託所で供託すれば、その債権は消えることになる。
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借金で利息を決めなかった場合でも利息を払う?
いいえ。
通常、民法では無利息が原則とされています。つまり、借りたものと同種・同品質・同量のものを返済期限に返せばいいため、利息を支払うことは原則として必要とされていません。
従って、利息があることはまず原則的な考え方ではないし、取引の際に約束をしていないのなら、尚のことそれを支払う必要がないということになります。
通常、民法では無利息が原則とされている。つまり、借りたものと同種・同品質・同量のものを返済期限に返せばいいため、利息を支払うことは原則として必要とされていない。従って、利息があることはまず原則的な考え方ではないし、取引の際に約束をしていないのなら、尚のことそれを支払う必要がない。
だが、もし約束をしていたのであれば、支払う必要がある。その際、もしどれぐらいの利率で支払うかの約束をしていなかったのであれば、民事法定利息年率の5%となる。
ただし遅延損害金は別である。返済期限になっても返済ができ鳴った場合、遅延損害金を支払う必要がある。これは義務である。特約が無くても支払わなければならない。これは法的に『債務不履行(履行遅滞)』となり、これは『利息』とは法的性質が異なるものの為、全く別次元で、支払わなければならない『義務』としてのしかかることになる。
ただし、これも利率についての約束がされていなければ、同じように利率は5%(404条)となる。ちなみにこれらの利率は、利息制限法の範囲内であれば有効となる(上限金利15~20%。10万円未満であれば20%まで)。それを超える範囲の利息は無効となる。『その利息を超過する部分についてが向う』となる(利息制限法1条)。
また、金融業者ではなく個人であっても、年109.5%を超える高金利は、出資法で罰則が設けられているため要注意。
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