借金の時効期間の経過によって未払い金の支払義務がなくなるのは本当?
はい。
本当です。一万円でも、一億円でも、失効期間が過ぎれば、債権者から借りた借金の支払い義務はなくなります。ただしもちろん、注意点があります。
キャッシングを利用することで、必要な額のお金を借りることができます。当然のことながら、借りたお金は毎月返済する必要があります。しかしその中には支払い期日までにお金を用意できず、支払い不能に陥ってしまう人も少なくありません。その場合、支払うことができなかった分はどうなるのでしょうか?
もちろん債権者である金融機関側から、催促や督促などの取り立てがあるでしょう。催促や督促などの取り立てによっても支払うことができない時は、遅延や延滞金が発生して、ますます返済が困難な状態になるかもしれません。
Money”I”
カードの未払い督促が届くと利用停止?強制解約?給与差し押さえ?その流れとは
お金を借りた債務者の中には、「借金を返さなくても良い方法」を探している人もいるかもしれません。しかし、「借りたお金を返さなくても良い」といった、そんな都合の良い話があるのかと疑う人も多いと思います。実は借りたお金であっても、ある期間が過ぎればお金を返さなくても良い制度があり、それが「時効」です。
借金にももちろん失効制度があり、その期日が過ぎれば債権がなかったことになるのです。失効期間が過ぎれば、債権者から借りた借金の支払い義務はなくなります。その額には関係ありませんので、借金額がたとえ1万円であっても、1千万円、1億円であっても、その時点から支払い義務はなくなります。
しかし借金の支払いを免れるには、法律上必要とされている条件を全てクリアすることが条件です。条件が成立しないと借金はそのまま残り、今までと同様の支払いを行うことになります。借金の額にもよりますが、やはり借りた額が大きければ大きいほど精神面の負担も増しますので、早めに対処する必要があります。その意味でも時効の成立について、その内容や条件をしっかり理解することが大切といえます。
この章のまとめ
現在借金がある方は、借金の失効期日が気になることでしょう。借金の失効期日は5~10年です。お金を借りている方は、借金の失効が成立する条件をしっかりと理解しておく必要があります。借金にも当然失効があり、一定の期日が過ぎると今まで借りていたお金の支払い義務が免除されます。
借金の失効については、以下などの考えに基づいています。
借金の失効については、借入先によって法律で規定されています。
です。
ここで大切なことは、失効の起算点になります。いつからその期間を計算すれば良いのか、理解しておいてください。まず返済期日がある債務の場合です。一回も返済をしなかった時は、返済期日の翌日から計算します。そして一回以上でも返済したことがある債務は、最後に返済を行った日の次の日から計算します。実際に返済をしている方は、支払った日をきちんと記録しておくと良いでしょう。
次に返済期日の定めがない債務の場合です。一回も支払いをしなかった場合は、規約日の翌日から計算を行います。そして一回でも支払いをしたことがある場合は、最後に支払いを行った翌日から計算します。
また返済期日がいつか分からない時は、期限が到来した時から計算します。過去に返済を行っているのかどうか、またいつ支払いをしたかにより、失効が成立するまでの計算の方法は変わります。人によって失効期日は異なりますので、不明な時は自分で勝手に判断しないで、弁護士や司法書士などの法律の専門家への相談をおすすめします。
この章のまとめ
借金の失効を有効にするには、その旨を相手にしっかり意思表示する必要があります。意思表示については、法律で援用の方式が規定されているわけではありません。例えば口頭で直接的に相手に対して主張するだけでも、権利の失効を主張できます。このように、借金の失効を相手に主張する行為を援用といいます。
たとえ失効条件を満たしていても、その旨の意思表示、いわゆる援用を行わないと借金を消滅させることはできません。「援用」というのは、借金の失効を主張する者が、相手方に対して意思表示を行う行為ですので、前述のように口頭でも構いません。しかし後々のことを考えると、配達証明付きの内容証明郵便など、相手にしっかり対抗できる方法がおすすめです。
内容証明郵便であれば郵便局で簡単にできますので、一度確認しておくと良いでしょう。内容証明郵便は自分でも行えますが、法律的な知識が求められる時は、弁護士や司法書士などに依頼してみるのも一つの方法です。相手側も、弁護士や司法書士からの内容証明郵便であれば、一般の方からの郵便よりもより威圧感を受けるのではないかと思います。
いわゆる心理的効果ですが、法律問題ではこのような心理的行為でもよく利用されます。弁護士や司法書士であれば、その他の対策もしっかり講じてくれますので、安心して依頼できます。内容証明郵便を自分で作成している時、少しでも不明な点があれば専門家に相談してみてください。あなたに合った方法を提示してくれることでしょう。
この章のまとめ
借金の失効を主張するには援用を行う必要がありますが、援用ができる条件を整えておく必要があります。まず。返済をしない状態の継続です。実際に借金を支払っていない状態を、何年か継続することです。そして、借金が失効したことを債権者に伝える必要もあります。
上記で説明したように、
ですので、それぞれの年数をしっかり把握しておいてください。借金が失効した場合にはその旨の援用を行いますが、実際に援用を行う時は前述の条件を満たす必要があります。
この章のまとめ
援用をする際の注意点は、『返済をしない状態の継続』と、『借金が失効したことを債権者に伝える』ということ。
金融機関などからお金を借りた債務者は、債務が失効した旨を債権者に援用することで借金の支払いを免れることができます。しかし債務者だけでなく、債権者側の対抗手段はあるのでしょうか?
もちろん貸主である債権者も、借金の失効を阻止することが可能です。お金を借りた債務者は債務の支払いが失効すると助かりますが、それでは債権者は困ります。そのため債権者側はある方法を取ることで、失効を阻止できる権利が与えられています。それが中断であり、中断の請求を行うことで借金の失効期間を阻止できます。中断の方法は、
があります。
請求は債権者側から債務者に対して行う方法で、訴状提出、催促、督促などがあります。債務の承認は、債務者が債務を認めることです。債務者がたとえ1円でも借金を返済した時は、債務の承認になります。そして差し押さえは強制執行などの方法で、債権者が債務者の財産を差し押さえることです。債務者が債権者からお金を借りた場合、時効期間が経過すると未払いの借金の支払い義務がなくなります。未払い借金の支払い義務を有効になくすには、制度の内容をしっかり理解しておくことが大切です。
これらの方法によって、借金の失効を阻止できます。
Money”I”
借金の消滅時効とは?時効の援用と中断について
この章のまとめ