企業融資と個人融資との違いは?それぞれの特徴と流れを確認

企業融資と個人融資の違いについて

融資の種類はいろいろあります。当然ながら、企業融資と個人融資は異なります。では、何が異なるのか、その違いについて紹介していきたいと思います。

 

企業融資と個人融資は借入金額が違う

企業融資と個人融資とで、1番大きな違いは、借入金額だと言えるでしょう。個人融資の場合は、カードローンなどで500万円~800万円が上限となっています。1番借入金額が高い住宅ローンの融資であっても、3000万円~4000万円が上限だと言えるでしょう。それも定年まであと何年働く事が出来るか、返済年数も可能だと判断されてようやく審査が通るのです。一個人の買い物として、住宅は人生においてもっとも高い買い物で、親子リレーで返済する家庭もあるぐらいです。

 

対して企業融資の場合は、個人融資と比較すると、その金額は多額になります。もちろん、無条件に多額の金額を融資してくれるわけではありません。事業計画を提出し、ちゃんと利益を出すことが出来るのか、担保の有無などもしっかり確認されます。

 

企業融資と個人融資は借入期間が違う

ただ個人融資の場合は、寿命に応じた返済能力で判断されますが、企業の場合はそうではありません。経営者は世代交代するかもしれませんが、企業として存続すれば、返済は引き続き行われます。そのため返済計画は、長期間で見積もり、多額の融資を行うわけです。

 

ですが、最近の不景気な社会情勢では、一概に企業融資の方が個人融資よりも返済期間が長いと言えなくなりつつあります。世界トップクラスの企業であっても、倒産する時代です。今後30年、50年、100年と生き残る事が出来る事が出来る企業は、数えるほどしかないのかもしれませんね。

 

個人融資にしろ、企業融資にしろ、金融機関はボランティアでお金を貸しているわけではありません。貸倒にならないように、少しでもリスクを抑える努力をしています。そのため、融資審査には返済能力の有無がしっかり確認されるというわけです。

 

企業融資と個人融資は目的が違う

企業融資と個人融資とでは、融資の目的が異なります。企業融資は、企業をより発展させるための設備投資等に融資が使用されます。一言で言えば、企業継続のために必要な融資と言えるでしょう。対して個人融資は、個人が生活する上で必要なものを購入するために融資を行う事です。例えば住宅を購入する時は、

 

  1. 住宅ローン
  2. 車を購入する時は自動車ローン
  3. 結婚式を挙げるために必要な費用

 

など、給料や貯金だけでは用意出来ない資金に対して、融資を行うという訳です。

 

他にも特定の目的のための融資ではなく、目的を特定しないフリーローンと呼ばれる融資も存在します。目的別の融資に該当しない場合はフリーローンを選ぶ事になりますが、自由にお金をつかえる分、金利は高く上限は低いなど、融資条件としてはよくありません。企業融資と個人融資とでは、借入金額も借入期間も、そして目的も全く異なります。

 

ただし、どちらも安易に融資を利用しない事、そして融資を利用する際には無理のない返済プランになっているか確認する事が重要です。融資に対する心構えや、融資を受ける時の申込みからの流れなど、類似している点もあります。なので、もしどちらかの融資を受けた経験があるのであれば、残りの融資を受ける事になった場合、どのような手続きで行えばいいのか、ある程度流れは把握出来ていると言えるのではないでしょうか?

 

企業融資の流れについて

企業融資と一言でいっても、その融資の種類はいくつかあります。そのため、融資を受ける目的を明確にし、その目的に該当する融資を選ぶ必要があります。

 

企業融資の種類

企業融資の種類は、

 

  1. 証書貸付
  2. 手形貸付
  3. 手形割引

 

があり、融資の期間も短期資金と長期資金から選ぶ事が出来ます。短期資金の場合は、

 

  1. 運転資金
  2. 在庫資金
  3. 人件費

 

などの賞与資金が該当します。

 

長期資金の場合は、

 

  1. 設備資金
  2. 買収資金

 

などが該当します。企業融資は、資金使途が決まっています。そのため、資金使途以外の目的で資金を使用してしまうと、資金使途違反となり、融資の一括返済を求められる場合があるので注意して下さい。

 

 

企業融資の格付けについて

個人融資の場合でも申込みに対して、融資審査が行われます。融資審査は信用情報や個人の年収、勤務年数などの個人情報から返済能力をチェックします。

 

企業融資も同じように、融資審査が行われ、企業によって格付けされています。格付けは決算書を基にして行われます。当然ながら、赤字決算の企業だと格付けは低く、融資審査に通りません。決算内容がよく、優良企業の場合は、格付けが高く、融資審査に通りやすいと言えるでしょう。格付けによって、金額や金利などの融資の条件が変わってきます。

 

企業融資の流れについて

企業融資の流れについて紹介したいと思います。まず必要な書類を揃えて、融資の申込みを行います。融資の申込みをすると、融資審査が行われます。債務者の属性調査と債務者の実態把握の確認を行います。

 

属性調査とは、簡単にいうと、金融機関が取引先の相手としてふさわしいかどうかの確認です。いくら返済能力が高くても、相手が経済ヤクザであれば、取引先として不適切と考えるわけです。ヤクザは極端な例かもしれませんが、反社会的勢力が勢力を高めるための資金の援助は金融機関は行えないというわけです。

 

属性調査に問題がなければ、債務者の実態把握です。実態把握の審査項目が多いので、企業融資に時間がかかってしまうのは、この実態把握のためと考えられます。審査項目は、

 

  1. 審査項目一覧
  2. 経営者の審査
  3. 企業の経営経営形態
  4. 従業員数
  5. 株主構成
  6. 銀行取引状況
  7. 財務分析
  8. 売上分析
  9. 売上総利益分析
  10. 実質利益の把握
  11. 現預金水準の見方
  12. 売上債権回転期間
  13. 在庫
  14. 仕入債務
  15. 有利子負債
  16. 経常収支

 

など、多方面から事業業績を把握し、返済能力を確認します。そして資金使途の確認、融資金額の妥当性を考慮した上で、属性調査と融資の返済能力に問題がなければ、融資審査に通り、金融機関から連絡がきます。融資の契約を結べば融資の手続きは完了となり、指定の銀行口座に融資資金が振り込まれるという流れになります。

 

ここまでの流れで、通常は2~4週間程度の期間がかかると考えておくといいでしょう。融資審査に通りために必要な書類は事前に調べて置き、また融資担当者に事業の事や経営の事で質問された場合に即答出来るように、把握しておく事が大切です。

 

企業融資は、融資金額が多額になるため、審査も厳しいというのが一般的な考え方でした。ですが今後、銀行のマイナス金利は融資を積極的に行うよう、政府が銀行をけしかける内容の政策になっています。銀行が日本銀行にお金を預けると、-0.1%の損失になってしまうため、企業に融資を行い、景気改善を狙ったものなのです。なので融資に関しても、今後はマイナス金利の影響で、何か変化が生じるかもしれません。

 

個人融資の流れについて

企業融資と個人融資はその金利、金額、期間、目的など、融資内容には大きな違いがあります。そして準備する必要がある書類に関しても違いはありますが、申込みから契約までの大きな流れは企業融資でも個人融資でも大差はないと言えるでしょう。では個人融資の流れについて紹介していきたいと思います。

 

融資審査を申込みする前に

個人融資を受けるためには、申し込みをして、融資審査を受ける事になります。しかしその融資審査に通るかどうか、不安になる人も少なくないと思います。そのため融資審査を受ける前に、融資審査が通りやすくなるポイントを紹介したいと思います。融資審査ではまず属性について調べられます。

 

  1. 勤務先
  2. 勤続年数
  3. 年収

 

などです。融資審査で心象をよくしたいと思っても、これらの属性を変える事は不可能です。もし年収のいいところに転職をと考えたとしても、そうすると今度は勤続年数が短くなり、多少年収が上がったとしても融資審査は転職前よりも不利に働く場合があるからです。ですから、属性に関しては、嘘をつかずに正直に話すしか方法はありません。

 

属性以外では、信用情報を調べられます。信用情報とは、今までに融資を受けたり、クレジットや公共料金の支払いで延滞していないかを調べます。現時点で、例えば国民年金の支払いに未納があったり、消費者金融でお金を借りている場合は審査に通らない可能性が高くなります。新しい融資を申込む前に、未納や借金をキレイに精算してから、申し込むようにして下さい。精算したくてもお金がないという場合は、複数の消費者金融の借金を1つにおまとめローンをするだけでも心象は変わってきます。

 

また融資を申込むタイミングは、余裕を持って申し込む事です。例えば今月中に融資を受けなければ、生活が出来ないなんて余裕のない状況では、その余裕のなさが顔に出てしまいます。そうすると、当然融資担当者は、せっぱつまった様子だと判断し、融資を見送る可能性があるからです。誰だって返済されない可能性が高い人に対して、融資をしようとは思わないですよね。

 

融資申込みの流れについて

金融機関に融資を申込む方法は2通りの方法があります。1つはネットから申込み、必要書類を書類で郵送する方法。そしてもう1つは金融機関の窓口から申し込む方法です。どちらの申込みの方が有利になる、不利になるという違いは一切ありません。ただ、初めて融資を受ける場合なら、疑問点や不安点もいろいろあると思います。そういった内容を相談しながら、融資を申込みした方が安心感があるので、利便性ではネットの申込みの方が便利ですが、初めてなら窓口での申込みの方が安心だと言えるでしょう。

 

融資を申込むと、融資審査が行われます。融資審査の審査期間は、融資の種類によって異なります。当日中に結果が出る場合もあれば、1週間前後審査に時間がかかる場合もあります。審査に無事通れば、金融機関から連絡があり、融資の契約を結ぶ事になります。

 

融資決定後の流れについて

契約に伴う必要提出書類も融資の種類によってはあるため、申込み時点で確認しておき、審査に通ればすぐに用意出来るように準備しておきましょう。審査に通れば、契約を結び、そして契約が完了すれば、融資を受けるという流れになります。契約書に抜けや間違いがないか確認しましょう。間違いがあれば、後でトラブルに発展する恐れがあります。もし、その金融機関の口座を持っていない場合は、契約後に口座を開設する必要があります。

 

口座開設後15分もすれば、融資金は振り込まれ、融資契約は完了します。もちろん融資を無事受けられたから一安心ですが、重要なのは融資を受ける事ではありません。受けた融資を全て返済する事です。融資を受けたら、後は、完済に向けてひたすら頑張るだけです。特に住宅ローンなどは、繰上げ返済を目指し、なるべく少ない利息での完済を目指したいところです。

 

長い人なら30年以上も完済には、時間がかかってしまいます。毎月一定額の金額を返済し続け、30年以上とは気が長くなる期間です。だからこそ、それ相当の覚悟を持って、融資を申込むようにして下さい。

 

参考文献

当サイトの主な参考文献

IQ

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