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2016年の2月に開始されたマイナス金利ですが、現時点の処置では、直接個人の定期預金の金利がマイナスになるわけではありません。しかし銀行はマイナス金利によって経営利益が減少してしまいます。その結果大手銀行を中心に、大幅な定期預金の金利の金利の引き下げが行われる結果となってしまいました。大手銀行の金利が0.001%と、100万円を預けてもわずか10円しか金利がつかない、低金利自体に突入したのです。銀行に預けても、全く金利がつかないため、資産運用として株式投資に目を向ける人が増えてきています。では、株式投資が初めてという人に平均株価とは何なのか?そして平均株価が下落している時に、投資するのはどうなのか?について説明したいと思います。
まず平均株価とは日経平均の事です。新聞やニュースで、日経平均について語られる事も多く、経済だけでなく政治や世界情勢にも大きく関与しています。例えばアベノミクスでは、日経平均が3年で8000円台から最高値では21000円台まで上昇しました。そのため現状はどうあれ、景気は回復したと強調されてきましたし、安倍首相の支持率にもつながってきたのです。日経平均とは、株式上場している全ての株価の平均ではありません。日経平均225と呼ばれ、東証1部上場企業のうち、市場を代表とする225銘柄で構成されている株価平均指数の事です。日経平均が景気の目安となるため、業種に偏りが出ないように、どの業種からもバランスよく構成されています。
また日経平均225とは常に同じ構成ではなく、平均値としての役割を果たすため時代の変化に伴い、構成される銘柄も入れ替えが行われ変化しています。現在ではユニクロでお馴染みのファーストリテイリングや携帯会社のソフトバンクなど、日本を代表とする企業が日経平均寄与度が高く、その業績が大きく日経平均に影響を与えています。ちなみに日本株は、日経平均に選ばれる、東証1部の大型株以外にも、東証2部の小型株、そしてマザーズやJASDAQなどの新興株があります。
日経平均は、平日の9時~15時(11時30分~12時30分は昼休憩を挟む)の間で取引が行われています。そのため、毎日リアルタイムに日経平均は変動します。日経平均の価格は、さまざまな要因によって影響を受けます。日経平均に選ばれている東証1部の225銘柄の業績が良ければ、日経平均も高くなります。他にも、世界経済に大きな影響力のある、アメリカの株価指数であるNYダウの動きに連動する事もあります。日本は中国へも輸出、輸入の割合が大きいため中国の株価指数である上海総合指数の動きに連動する事もあります。去年の夏頃に日経平均が大暴落した際の大きな要因は、チャイナショックと呼ばれ中国経済の悪化による上海総合指数の暴落が原因でした。世界で起こる様々な事象が、アメリカや日本経済にも大きな影響を与えると推測させるため、日経平均は毎日変動するのです。
ですが、日経平均の変動は不思議なもので、事柄よりも不安や期待といった心理状況が大きく反映されます。実社会では大きな変化がなくても不安が高まれば日経平均は暴落し、逆に実社会で問題が改善されていなくても大丈夫だろうと安心感が高まれば日経平均は上昇します。まるで生き物のように、上昇と下落を繰り返しながら、チャートを形どっていくのです。
2015年、平均株価は暴落する場面もありましたが、比較的には堅調な1年でした。最高値で2万1千円近くまで日経平均は上昇し、日本の景気は確実に回復していると信じる事が出来ました。しかしながら、2016年に突入すると日経平均の動向は一転します。大発会から6日連続で、日経平均は下落してしまったのです。これは、戦後日経平均の取引が行われてから、初めてのケースで、市場は大騒ぎとなりました。2016年の年が明けてから2ヶ月近くが経過しましたが、年明け直後19000円台だった日経平均が一時15000円近くまで暴落し、現状は16000円付近のもみ合いの状態が続いています。
暴落し、少しだけ回復をしましたが、その後元に戻らない状態が続き、完全に下降トレンドに転換してしまったようにも見えます。では、日経平均が下落する要因と、下降トレンド相場で株を購入する注意点について紹介したいと思います。
2016年、年明け早々の日経平均の下落の要因は、実に多様だと言えるでしょう。
など、さまざまな要因を挙げる事が出来ます。よくこれだけ短期間で、悪材料が出揃ったなと感心してしまうぐらいです。そしてそんな非常に、ぐらつく土台の中で発表されたのが、日銀によるマイナス金利です。マイナス金利による、銀行の経営の悪化を予測し、銀行株が売られ、マイナス金利のデメリットばかりが取りざたされ、他の多くの銘柄も売られてしまう結果につながりました。
しかし日経平均の下落の一番の要因は、円高により日本経済の悪化が表面化してきたためです。円高になると、海外に商品を売りたい日本の企業にとっては不利な展開になってしまいます。多くの企業が現在為替レートを118円~120円に想定しています。去年ならそれで問題はありませんでしたが、現在の為替レートは112円台まで円高が進んでしまっています。為替が1円変動するだけで、企業の利益は、トヨタなどの大企業だと数百億円の損失が出ると言われています。そのため円高により、多くの企業が来季の業績の下方修正を発表したのです。下方修正とは来季の収益が悪くなりますという報告の事ですから、当然その発表を見て日経平均を購入しようと思う人が減り、日経平均が下がる前に売ってしまおうと思う人が増えた結果、日経平均は歯止めがかからない状態で暴落してしまったのです。
日経平均の変動をグラフに現したものがチャートと呼ばれます。このチャートを見ながら、株を売買する人は多いでしょう。この日経平均のチャートは、2016年に入ってから、日経平均が下がり続けていますから、下降トレンドに転換してしまいました。アベノミクスがスタートしてから、上昇トレンドが続いていたチャートに大きな変化が現れたのです。上昇トレンドであれば、小さな暴落はありますが、株を購入し、それを持ち続けたら購入した金額よりも高くなり、株投資で利益を出す事が比較的容易な相場だと言えるでしょう。現にアベノミクス相場で、大きな利益を出した投資家は多数存在しています。では、下降トレンドになった時に株投資を行い、利益を出す事は可能なのでしょうか?
下降トレンドでは、株を購入し、利益を出す事は可能なのでしょうか?これに対する答えは、不可能ではありませんが、上昇トレンドと比べると非常に難しくなったと言えるでしょう。上昇トレンドでは、総じてどの企業の株価も上昇しました。ですが、下降トレンドでは上昇する株は非常に限定的です。つまり、銘柄選びが非常に重要になったという事です。どれだけ不景気の中でも、成長し業績を伸ばしていく企業は存在します。そんな企業を見つけ、株を買えば、業績の伸びに応じて株価も上昇するので利益を出す事が出来ます。またテーマ株と言って、例えば今後進化していく自動運転に関する株や民泊に関する株など、注目のテーマに関係する株を購入し利益を出す事も可能です。下降トレンドの中でも逆行して上昇出来る株を見つける事が出来れば、株投資で利益を出す事が出来ます。
また下降トレンドで株価が下がると、どんどん割安になります。割安でお買い得になった時に、購入し、トレンドが変換し再び日経平均が上昇するのを待つという戦略もあるでしょう。ただし、この場合は、下降トレンドが続けば、購入した時点よりさらに大きく株価が下がるリスクがあります。