あがり症に有効な認知行動療法で大切なことってなに?
『逃げ出さない』ということです。『向かっていく』姿勢が大事です。
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『あがり症に有効な認知行動療法(間違った認識を修正)』も書いた様に、あがり症やうつ病、吃音症や回避性人格障害等、こうした精神的な問題に極めて重要なカギとなるのは、『 』だ。つまり、間違った考え、歪んだ考え方を、矯正するということなのである。
難しく考える必要など一切ない。単純に、『
』だろう。そして、矯正した後の人々はどうだ。その矯正経験を、心の底から満足しているはずだ。
私の妹も小学生の頃、歯が凸凹としていて、少し見栄えは悪かった。私は最愛の家族だから、『太る』こととは違ってそういう先天的な部分は、彼女の個性であり、愛すべきポイントだと思っていたが、しかし、結局は彼女は矯正してよかった。
それも、若い頃にやってよかった。何しろ彼女は、確かにその2,3年は窮屈な思いをしたかもしれないが、
のだから。
同じ考え方で、自分の認識も矯正する。例えば私は『薬が大嫌いだった』。それは、無理矢理親に大きな薬を飲まされて、咽に引っかかってしまい、涙と共に吐き出してしまったからだ。
そして同時に、その時に薬の苦みを存分に味わってしまい、挙句の果てには、錠剤を割って半分にして飲まされたのだが、その時には更に直に薬の苦みを味わうことになってしまい、
といった様々な悪材料とともに『薬を飲む』という行為に対して、
を示すようになってしまった。
だが、それからしばらくして、例えばサプリメントや、小さな錠剤などで薬を飲みこむコツを理解したり、あるいは、薬によって体調が回復していく事実などを一つ一つ覚えていくと、次第に
がなくなっていった。
その、親の強制も、
など、(親は鬼だ)という認知から、(親は愛してくれていた)などといった認知に変わっていき、 のだ。
そして私は、薬に対する抵抗感が何もない人間になった。また違う問題で、むやみに薬を服用するのではなく、自然治癒を促したほうがいい、とか、そういう方向の思慮はあるが、かつてのトラウマ的抵抗感はもうないのである。
だ。
社会不安の認知行動療法も、まったこれと同じ考え方で行えばいい。『他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学』(紀伊国屋書店)にはこうある。
社会不安を感じる人は、不安を感じる状況から逃げ出し、自分だけの小さな世界に閉じこもろうとしがちである。
ので、無意識のうちにそういう行動様式を確立させてしまうのだ。
したがって、この傾向から抜け出すための第一段階として、
が大切になってくる。その証拠に、何の治療もセラピーも行っていないのに社会不安が改善されたというケースがたまにあるが、それは不安を感じる状況に立ち向かっていった人であることが少なくないのだ…。
私が薬に対して抵抗感を持っていた精神的理由は書いたとおりだが、私はそれに対し、(なぜ薬が嫌いなのか?本当に薬は悪い存在なのか?)として興味を持って
わけだ。
妹の歯の矯正も同じだ。現実から目を逸らしていたって、何一つ現実は変わることはない。彼女も、『矯正しよう』と思ったからこそ、歯を矯正することが出来たのだ。