家族や家庭環境が心の傷を作り、それが後年心の病や異常行動となって表れるというのは『神話』なの?
ロイトから始まった『精神分析』の理論と、その理論に基づいて心の病を治療する『精神分析法』の影響でそういう話が蔓延しているという見解があります。しかし当サイトは、それが一概に『神話』だと言い切れないと考えています。
Contents|目次
治療する立場の人から見たうつ病の徴候や症状とは – Inquiry. |
うつと落ち込みは同じだが、うつはまるでブラックホールだ – Inquiry. |
うつの人が抱えている問題解決が出来ない理由とは – Inquiry. |
と併せて考えていきたい。『うつ 家族ができること』(池田書店)にはこうある。
『世の中には、家族や家庭環境が心の傷を作り、それが後年心の病や異常行動となって表れるというフロイトから始まった『精神分析』の理論と、その理論に基づいて心の病を治療する『精神分析法』の影響だと考えられます。
しています。これは、
しかし、その精神分析療法でうつの人を治療しても、効果がはっきりあったと確認されているわけではありません。精神分析は、理論としても治療法としても、まだ今後の検証を待つ必要があるものなのです。』
うつ 家族ができること-医師と臨床心理士による現場からの声 (池田書店の健康と家族シリーズ)
これだと、私が上記にリンクした記事が全て『神話』ということになってしまうわけだ。私は上記のリンク先の記事で、再三再四、
と記載していて、自分自身がそういう経験によって根本解決をし、ブラックホールを解消することに成功した、と書いた。
しかし、家族や家庭環境が心の傷を作り、それが後年心の病や異常行動となって表れるということが
なのであれば、私の話は全て無意味なものとなってしまうわけだ。私が嘘をついている、全く的を射ない話をしている、ということになる。
そもそもフロイトというのは、1856年生まれのオーストリアの精神科医で、今から150年も前に息をした人間だ。だから確かに、彼の150年前の理論が『古い』と考えることは一理ある。
だが、儒教の始祖『孔子』、キリスト教の礎『イエス・キリスト』、仏教の開祖『釈迦』、古代ギリシャの哲学者『ソクラテス』らが息をしたのは、今から2000年、2500年前なわけだ。それなのに、彼らが説いた教え、例えば、
などの真理は廃れることはない。それは、この世がある限りおそらく、
わけだ。だとしたら、『古い人間の話は廃れていく』という考えは成り立たない。
『古い人間の話は最新のものに更新される可能性がある』ということはあっても、古いからといって、それだけで価値が低いということにはならないのである。むしろ、骨董品や歴史的建造物のように、古いからという理由で価値が出るものもあるのだ。
従って、私はこの精神分析の話が的を外しているとは思えない。『心の病と精神医学』(ナツメ社)にはこうある。
去の問題に起源を持つ自分の心の問題に無自覚である。しかし解釈の結果、患者は過去と現在をつなげ、より完全な自己理解が得られる。
この『うつ 家族ができること』には、
『過去にさかのぼって自責の理由探しをするのは辞めましょう。過去をほじくり返すことは、症状の一つである『後悔の念』をかきたて、本人も苦しめる可能性があります。それよりも現在に目を向けてください。』
ともある。だが、それでは、内観と『思い出のマーニー』で書いた話も全て、否定されることになる。 のだ。
だが、『今を生きる』という意味はわかる。何しろ私は、この世にある500人の偉人の、およそ8,000ほどの言葉と向き合い、その中から38の共通点を見出したのだが、そのうちの一つに、
というものがあるのだ。だから、過去にしがみつかず、今を生きるという考え方は当然わかっている。
しかし、
のだ。ここを間違えると、大きな歪みが出来るはずだ。