認知の歪みってなに?
例えばこういうものがあります。
- 1:全か無かの思考
- 2:自責思考
- 3:破局化思考
- 4:情動的推論
- 5:『べき』思考
- 6:選択的問題化
- 7:肯定的側面の除外
- 8:過度の一般化
- 9:過大評価と過小評価
- 10:ラベリング
- 11:飛躍的推論
以下で詳しく見ていきます。
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ハニワくん
『認知の歪み』とはどういうものか
うつ病にとっても大きな影響を及ぼす『認知の歪み』とはどういうものなのだろうか。ここでは、
- 『認知行動療法入門 短期療法の観点から』(金剛出版)
- 『うつ 家族ができること』(池田書店)
を参考にして、その内容を分析していく。
全か無かの思考
- 何事もすべてか無か、1か0か、白か黒かで考えてしまう
保育園の仲間のお母さんたちは、みんな我慢強いのに、私はイラついて子供を叱ってしまう。こんな悪い私は、母親とは言えない。
イライラしない母親など存在しない。
先生
ハニワくん
自責思考
- まずいことは全部自分の欠点や不手際のせいだと考えてしまう
今日、部長はAのヤツを飲みに誘ったのに、俺は誘われなかった。やっぱり会議で部長の間違いを指摘したのがまずかったんだ。
実はAの退職問題を話す間違いだった。
先生
ハニワくん
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破局化思考
- これからのことを悲観的に、考え得る最悪の結果になると信じ込む
明日は向こうのご両親にご挨拶する日。でも年上の私は喜ばれないんだろうな。明日はよくても、いつかおまえじゃダメだといわれるかも。
未来のことはわからない。
先生
ハニワくん
情動的推論
- 起きている出来事について、その場の感情に基づいて結論を出す
約束の時間を40分も過ぎている。携帯も通じない。こんなに待たせるなんて、あいつは俺が嫌いになったんだ。
実際には電車の電車事故のせいで、携帯は電源切れだった。
先生
ハニワくん
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『べき』思考
- 何でもこうあるべき、と考え、そうならないと過剰に悲観的になる
大卒なんだから、何でも知っているべきなのに、聞かれたことがわからなかった。こんな自分に、社会人の資格はないかもしれない。
誰にでも知らないことはある。
先生
ハニワくん
選択的問題化
- 物事の細かい、否定的側面だけに注意を向け、こだわり続ける
髪型をちょっと変えてみたら、友達が『前髪がちょっと長くない?』と言った。外を歩いたら、みんな笑うかも。前髪、どうしたらいいの。
全体に的には少しもおかしくない。
先生
ハニワくん
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肯定的側面の除外
- 物事に肯定的側面があっても、一切考慮しようとしない
勉強もスポーツも出来るけど、一重まぶただから美人じゃない。こんな私はみんながきっと馬鹿にして、付き合ってくれない。
成績や運動神経という長所をみな評価している。
先生
ハニワくん
過度の一般化
小学校受験はいまどき普通なのに、うちの子だけしない。このままじゃ、うちの子は人生の落ちこぼれになってしまう。
受験しない子供は他にもいる。
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ハニワくん
過大評価と過小評価
- 否定的側面は過大に、肯定的側面は過少に評価する
部長から『最後の実行案は改善の余地ありだけど、目の付け所のいい企画だったよ』と言われた。まだ企画が通らない私は、辞めるしかないのか。
部長は褒め言葉の方を強調したかった。
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ハニワくん
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ハニワくん
ラベリング
- 自分や人に対して否定的なレッテルを貼る
私は子供にイラつく『ダメな母親』。ダメな母親だから子育ては何一つうまくできない。
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ハニワくん
飛躍的推論
- 証拠がないのに『悪い結果になる』と予測する
奴は俺を役立たずと考えているに違いない。
セキが出る。肺がんになったに違いない。
先生
ハニワくん
うつ病でもあがり症も、その共通点は『ネガティブ思考』である。否定的な物事の受け取りかた(認知)に気づき、考え方を修正することが必要だ。
これ以上にわかりやすい話はないだろう。
認知行動療法入門―短期療法の観点から (臨床心理学レクチャー)
うつ 家族ができること-医師と臨床心理士による現場からの声 (池田書店の健康と家族シリーズ)
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ハニワくん
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ハニワくん