うつは病気なの?それとも甘え?
慶応義塾大学医学部精神神経科、准教授、村松太郎の著書『『うつ』は病気か甘えか。』(幻冬舎)
そして、ナチスの強制収容所に収監され、人間の想像を絶する3年間を過ごしたドイツの心理学者、ヴィクトール・E・フランクルの著書、『夜と霧』の文献から考えていきましょう。
先生
ハニワくん
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『『うつ』は病気か甘えか。』
『うつは病気か甘えか』にも書いたが、うつは病気か甘えか、一体どちらなのか。まさに、このタイトルとピタリ一致する本、慶応義塾大学医学部精神神経科、准教授、村松太郎の著書『『うつ』は病気か甘えか。』(幻冬舎)には、『甘えの診断基準』として、こう記載されている。
A.特権への安住と自己主張(次のうち2つ以上を満たす)
- (1)自分はうつ病であると公言してはばからない。
- (2)うつ病としての配慮をするよう要求する。
- (3)うつ病について理解がないと人を責めることが多い。
- (4)注意や指導を受けると、すぐにハラスメントであると言う。
B.未熟な性格(次のうち2つ以上を満たす)
- (1)言動の中に親の陰が見え隠れする。
- (2)プライドが高い。
- (3)自分のことはぺらぺらとよどみなく喋る。人の話はあまり聞かない。
- (4)言動が全体に年齢より幼い。
- (5)人が自分のことをわかってくれないという意味合いのことをよく言う。
C.病気とは思えない、人の神経を逆なでする言動(次のうち1つ以上を満たす)
- (1)以下のような場面での元気の差が大きい:業務と休み時間。出勤日と休日。
- (2)病気休養中の活動(例:海外旅行)のことを自慢げに話す
『夜と霧』
さて、この表を見て思い出した文章がある。ナチスの強制収容所に収監され、人間の想像を絶する3年間を過ごしたドイツの心理学者、ヴィクトール・E・フランクルの著書、『夜と霧』にはこうある。
収容所生活最後の日々の極度の精神的緊張からの道、この神経戦から心の平和へともどる道は、けっして平たんではなかった。(省略)まず考慮すべきは、つぎの点だ。長いこと空恐ろしいほどの精神的な抑圧のもとにあった人間、つまりは強制収容所に入れられていた人間は、当然のことながら、解放されたあとも、いやむしろまさに突然抑圧から解放されたために、ある種の精神的な危険に脅かされるのだ。
(中略)
とくに、未成熟な人間が、この心理学的な段階で、あいかわらず権力や暴力といった枠組みにとらわれた心的態度を見せることがしばしば観察された。
のだ。
彼らの精神状態は極めて同情に値するものであり、何人たりともぞんざいに扱ってはならない。だが、そんな中でも人間は、『凛とする』行動と、『特権の乱用』にひた走る人間とに分かれる。
先生
ハニワくん
- どんな環境にあっても、甘える人間と甘えない人間に分かれるのが事実。