うつは病気なの?それとも甘え?
慶応義塾大学医学部精神神経科、准教授、村松太郎の著書『『うつ』は病気か甘えか。』(幻冬舎)
そして、ナチスの強制収容所に収監され、人間の想像を絶する3年間を過ごしたドイツの心理学者、ヴィクトール・E・フランクルの著書、『夜と霧』の文献から考えていきましょう。
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『うつは病気か甘えか』にも書いたが、うつは病気か甘えか、一体どちらなのか。まさに、このタイトルとピタリ一致する本、慶応義塾大学医学部精神神経科、准教授、村松太郎の著書『『うつ』は病気か甘えか。』(幻冬舎)には、『甘えの診断基準』として、こう記載されている。
さて、この表を見て思い出した文章がある。ナチスの強制収容所に収監され、人間の想像を絶する3年間を過ごしたドイツの心理学者、ヴィクトール・E・フランクルの著書、『夜と霧』にはこうある。
収容所生活最後の日々の極度の精神的緊張からの道、この神経戦から心の平和へともどる道は、けっして平たんではなかった。(省略)まず考慮すべきは、つぎの点だ。長いこと空恐ろしいほどの精神的な抑圧のもとにあった人間、つまりは強制収容所に入れられていた人間は、当然のことながら、解放されたあとも、いやむしろまさに突然抑圧から解放されたために、ある種の精神的な危険に脅かされるのだ。
(中略)
とくに、未成熟な人間が、この心理学的な段階で、あいかわらず権力や暴力といった枠組みにとらわれた心的態度を見せることがしばしば観察された。
のだ。
彼らの精神状態は極めて同情に値するものであり、何人たりともぞんざいに扱ってはならない。だが、そんな中でも人間は、『凛とする』行動と、『特権の乱用』にひた走る人間とに分かれる。