治療する立場の人から見たうつ病の徴候や症状とは?
下記に客観的な立場から見た意見を記載します。
この記事は、
うつの症状チェック項目『物事への意欲の低下』 – Inquiry. |
うつの症状チェック項目『否定的な言葉を口にする』 – Inquiry. |
うつの症状チェック項目『思考力の低下』 – Inquiry. |
と併せて考えていきたい。
『テキスト臨床心理学4 精神病と物質関連障害』より抜粋して記載する。
うつ病の患者にとって、注意を集中することはきわめて困難である。彼らは、本を読んでもその内容が理解できず、他者が自分に何を言っているのかを把握することができない。人と言葉を交わすのもまたひどく億劫になる。
彼らは、ゆっくりと、間隔を十分に置きながら、言葉少なに、しかも低く単調な声で話す。たいていは、一人きりで腰を下ろしてずっと黙っていることを好む。そわそわと落ち着かず、その場に座っていられない者もいる。彼らは、あちこち歩き回り、手は堅く握り締められ、そのあいだ、終始ため息をついたり、低く唸ったり、不平を並べたりする。
うつ病の患者は、
一瞬一瞬が苦痛で、頭のなかは自分を責める言葉であふれ、それは何度も繰り返し自分のなかで反響する。身辺を清潔に保つことや、外見を整えたりすることも面倒になり、
また、身体的には明らかに根拠のない痛みが繰り返し生じ、心気的な訴えが続く。すっかり気落ちして希望を完全に失い、独創力も欠如して、多くの時間をくよくよと心配して過ごす。
(中略)
子供のうつ病は、しばしば、頭痛や胃腸のような身体的不調の訴えに結びつく。一方、年配者のうつ病では、しばしば注意散漫や記憶喪失といった特徴がみられる。