ニキビ薬などのアゼライン酸には育毛効果があるの?副作用はない?
『AGA(男性型脱毛症)』の原因は『DHT(ジヒドロテストステロン)』です。
男性ホルモン(テストステロン)には、体毛やひげなどに代表されるように、毛を生やす、という作用がありますが、前頭部と頭頂部の毛乳頭に多くある特殊な酵素(Ⅱ型5α-還元酵素)と結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)という脱毛を促進する物質がつくられるわけです。このアゼライン酸は、『Ⅰ型』の還元酵素の働きを抑えると言われているので、『AGAの改善』というよりは、『薄毛の改善』という方が正確かもしれません。
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アゼライン酸というのは日本では医薬品として認められていませんが、主に海外80か国のニキビ薬などに含まれている成分です。『スキンケア研究所』にはこうあります。
- 1.ニキビのもとになる毛穴のつまりを解消する
- 2.皮脂の分泌を抑える
- 3.ニキビ菌に対する抗菌作用
- 4.抗酸化作用
- 5.メラニンの生成を抑える(美白作用)
アゼライン酸にはこのような効果が期待できるので、これは薄毛の改善にも効果があると期待できます。特に重要なのが『2、4』ですね。
というところです。これが薄毛対策にとっても無関係ではないので、効果を期待することができます。皮脂の重要性については下記の記事に書きましたが、
『過剰な皮脂』については、薄毛の原因となってしまいます。
したがって、皮脂の分泌を抑えるこの成分があれば、過剰分泌された皮脂を正常に戻すことが期待でき、薄毛対策になるということですね。『ホホバオイル』なんかにも同じような効果が期待できます。
ホホバオイルから期待できる効果は、
というものですから、同じように『皮脂の分泌を適切に抑える』という部分で共通しているわけですね。
それから『抗酸化作用』です。活性酸素によって体が酸化すると、様々な問題を引き起こすことになります。その酸化を防いでくれる抗酸化作用が期待できるということは、薄毛対策にもなりますね。
また、それだけではなくこのアゼライン酸には、AGA(男性型脱毛症)の原因となる5α-リダクターゼの抑制にも効果があると言われています。
『AGA(男性型脱毛症)』の原因は『DHT(ジヒドロテストステロン)』です。男性ホルモン(テストステロン)には、体毛やひげなどに代表されるように、毛を生やす、という作用がありますが、前頭部と頭頂部の毛乳頭に多くある特殊な酵素(Ⅱ型5α-還元酵素)と結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)という脱毛を促進する物質がつくられるわけです。(ちなみに女性の場合は、アンドロステンジオンという物質からもDHTが生じます。)
したがって、この5α-リダクターゼ(還元酵素)の抑制をすることで、AGAの改善を期待できるわけですね。ただ、下記の記事にも書いたように、
この還元酵素、5α-リダクターゼは、『Ⅰ型』と『Ⅱ型』の2種類が存在していて、『Ⅰ型』は、
など毛が生えている部分にくまなく存在していて、『Ⅱ型』は、
近辺のみに存在しています、
為、脱毛は起こりにくいということなのです。これがAGAの基本的な症状となっています。つまり、後頭部と側頭部だけが残った『波平方』の髪型になるのがAGAであり、その他の部分、つまり『Ⅰ型』の酵素がある部分が薄毛になっても、AGAと呼ぶことはあまりありません。薄毛は薄毛ですけどね。
このアゼライン酸は、 『Ⅰ型』の還元酵素の働きを抑えると言われているので、『AGAの改善』というよりは、『薄毛の改善』という方が正確かもしれません。したがって、『Ⅰ型』と『Ⅱ型』の両方の5α-リダクターゼを抑制するために、
を併せて使用すれば効果的かもしれません。アゼライン酸自体に副作用はほとんど見られませんので、併用のリスクも少ないと考えられます。そうでなければ、ニキビ薬で80か国で使用されませんからね。日本で医薬品として認められていないのは、日本のこうした安全基準というものが世界トップレベルで厳しいからです。日本で認められていないからといって一刀両断する必要もないということですね。
そもそも、フィナステリドも欧米では1998年に発売されていましたが、日本で発売されたのは2005年です。いかに薬品の取扱に厳しいアメリカ食品医薬品局(FDA)が認可したといっても、日本はそれを鵜呑みにしないほど厳しい目で見ますからね。まあ、それはメリットもありますけどね。そういう品質にこだわる国だからこそ、ハイクオリティな製品を生み出せるのであって、日本の製品は途上国の人に中古でも高値で売れます。海外の人からすれば、
日本人はなんでこれを捨てたんだ。まだ全然使えるじゃないか。
というのが本音なのですが、日本人はハイクオリティな商品に囲まれて生きていますから、例えば洗濯機や冷蔵庫などを中古で使用する、ということに屈辱感を覚えたり、嫌悪感を示す傾向があるんですよね。何事もメリットとデメリットがあるものです。
ただしもちろん、アゼライン酸と併用していい薬とそうでない薬は、きちんと医師に聞くことが最善です。これに限らず薬の併用は、必ずそうしたことをないがしろにすることはできませんからね。これが漢方薬になるとハードルは下がるのですが、薬はたとえ風邪薬や咳止めシロップであっても、間違った併用をすると危険なことがありますので注意が必要です。
また、5α-リダクターゼの働きを抑制する効果を期待するなら、更に安全な食品の摂取にも目を向けてみましょう。下記の記事にも書いたように、
というのは、男女を問わずにかなりハイクオリティな栄養素だと言っていいでしょう。アゼライン酸だけに依存せず、様々な要素の一つだという考え方を持つのが賢明です。
追記:また、デュタステリドが含まれた『ザガーロ』は、2015年9月に厚生労働省に認可されたばかりの新薬です。しかし、その効果は抜群で、Ⅰ型の5α還元酵素にはフィナステリドの100倍の抑制効果、Ⅱ型には3倍の抑制効果があり、副作用も少なく、安全性が高いと考えられています。つまり、Ⅰ型の5α-リダクターゼにも有効ですから、これがあればアゼライン酸は必要ないかもしれませんね。