睡眠は育毛に効果があるの?枕なしで睡眠すると薄毛が改善される?
良質な睡眠は髪の毛にいい影響を与えます。
人は寝ている間に成長ホルモンを分泌させますから、その成長ホルモンが毛を生やす元の毛母細胞を活性化させて、結果的に髪の毛の成長を促すんですね。また枕ですが、自分に合わない枕は血行不良の原因となります。この血行不良が髪の毛にとても悪い影響を与えます。
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良質な睡眠は髪の毛にいい影響を与えます。人は寝ている間に成長ホルモンを分泌させますから、その成長ホルモンが毛を生やす元の毛母細胞を活性化させて、結果的に髪の毛の成長を促すんですね。
まずは『睡眠と成長ホルモン』について考えていきましょう。『スポーツ科学バイブル』にはこうあります。
成長ホルモンの分泌はノンレム睡眠期に高く、レム睡眠期には低下している。ノンレム睡眠期では体温が一日の中で最も低下し、全身の筋肉の運動が見られなくなる。このような状態においてはエネルギー(ATP)の消費が少ないので、筋肉細胞中にエネルギーが大量にプールされる。この豊富なエネルギーが筋肉づくりに回るわけである。
(中略)生理学で説明すると、睡眠に入るとたんぱく質の合成を抑制するホルモンであるグルココルチコイドの分泌が低下するため、たんぱく質合成が活発化すると、それに加えて睡眠に入ってから最初のノンレム睡眠(深い眠り)が始まると成長ホルモンの分泌が活発になり、筋肉のたんぱく質合成が活発になるという二つの内分泌要素が働くというわけだ。
睡眠には、
の2種類があります。レム睡眠というのは基本的には浅い眠りで、ノンレム睡眠は脳も眠りに入った深い眠りです。人間は、一晩の睡眠でこのレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しているのです。成長ホルモンの分泌はこのうち『ノンレム睡眠期』に高く分泌されることがわかっていますので、『良質な睡眠』というキーワードがちらついているわけですね。
ノンレム睡眠
このようにしてとにかく人間は、睡眠中にたんぱく質を合成させて、
などを作ったり成長させるのです。下記の記事にも書きましたが、
『ササっとわかる薄毛の悩み解決最前線』(講談社)にはこうあります。
毛髪が生えるのにもっとも大事なのは『毛包』
毛髪のうち、頭皮から外に出ている部分が毛幹、埋もれている部分を毛根といい、毛根は毛包に包まれています。ひとつの毛包には2~3本の毛根が包まれていることもあります。髪の毛をつくったり成長させたりするのは、毛根の根元にある毛球部の毛乳頭と毛母細胞です。
この毛球部が、髪の毛を作る工場ともいえる大事な部分です。毛乳頭が血中のホルモンから指示を受け、『髪の毛をつくりなさ』という命令を下すと、毛母細胞は細胞分裂をさかんに行い、髪の毛を成長させます。この細胞分裂がすすんで角化したものが毛穴から出ていき、外側から見える『髪の毛』となるのです。
この髪の毛の発生には立毛筋の付着部にある膨大部(バルジ)の細胞が幹細胞として深くかかわっているといわれています。細胞分裂やはがて止まり、髪の毛は抜け落ちますが、毛包の中では次の新しい髪の毛をつくる準備をしています。
頭皮には『毛母細胞』という細胞があり、そこでは、毛乳頭からの指令を受けて細胞分裂をし、髪の毛のもとを作っています。毛乳頭というのは、血中からホルモンを受け取り、毛母に対して細胞分裂の指令を出すところです。
つまり、睡眠によってこの毛母細胞が活性化されれば、『髪の毛を作ろう』という指令が滞りなく行き渡るようになり、無事に髪の毛が生えるという仕組みなのです。
では、『良質な睡眠=ノンレム睡眠』ということはわかりましたが、ノンレム睡眠を効率的に得るためにはどのようなことに注意すればいいでしょうか。
『スポーツ科学バイブル』にはこうあります。
さて、ノンレム睡眠にはいくつかの特徴がある。まず眠りに入って1時間後くらいから約2~3時間続く。また午前中の眠りではノンレム睡眠に入りにくく昼寝(午睡)では比較的入りやすいという特徴がある。これを考えると、合宿等での昼寝は身体づくりのダメ押しの一手と言える。
というキーワードが出てきました。これを考えたとき、まず推奨されるのが『規則正しい生活』です。基本的に人間とは、やはり朝に起きて昼間は活動し、夜に寝るのが前提で生きるように設定されている生き物です。夜行性の動物がいることからもわかるよういん、この世には夜行性の生き物もいますが、人間は夜行性ではないのです。
例えば、『あたらしい栄養事典』にはこうあります。
Q.たくさん寝ているのに疲れがとれにくいのはなぜ?
A.疲れがとれていないということは、熟睡できていない可能性が考えられます。原因はいろいろありますが、栄養不足もそのひとつ。スムーズな眠りのためにはメラトニンというホルモンが必要ですが、これらはたんぱく質やビタミンB6を材料につくられます。肉や魚に豊富なので、あまり食べない人は不眠になることがあります。
ここで出てきたのが『メラトニン』というホルモンです。これを更に詳しく調べてみましょう。
『ササッとわかる「SAD 社会不安障害」 あがり症の治し方』にはこうあります。
人間が持っている『生体リズム』とセロトニン
人間の体には、原始から備わった生体リズムというものがあります。朝、日が昇ると目が覚め、日中に活動して日が沈むと眠るというサイクルです。セロトニンは、この生体リズムに合わせて分泌されることがわかっています。
昼夜逆転の生活をする人も多い現代ですが、長い年月をかけて人間が獲得してきた生体リズムは、私たちの身体にすりこまれた変えがたいリズムです。このリズムに沿って活動することで、セロトニンはうまく働くようになります。
食事からとり入れられたL-トリプトファンという成分は、体内でセロトニンに合成され、さらにメラトニンへと変化します。メラトニンは睡眠リズムをつかさどる物質で、このメラトニンが安定的に働くことで良質な睡眠を得られるようになります。
ササッとわかる「SAD 社会不安障害」 あがり症の治し方 (図解 大安心シリーズ)
出てきたキーワードは、
ですね。あがり症やうつ病などの精神的な病気は、脳内の『セロトニン』という報酬系物質が不足することが原因の一つだと言われています。ですから、ぐっすりと良質な睡眠をとるだけでそういう心の病気にもいい影響を与えるということですね。
という流れがあるわけです。良質な睡眠のためにはこのすべての要素が必要不可欠です。L-トリプトファンというのはたんぱく質を構成しているアミノ酸の一種です。体内では合成されないので、食物からとることが必要です。これがとれる食品は、
等になります。また先ほど『メラトニンにはビタミンB6とたんぱく質が必要』と出ていましたが、バナナは、
の全てを兼ね備えていて、セロトニン生成にとって有効な食物です。ブドウ糖がなければL-トリプトファンを脳まで効率よく運べないので、このバランスが整っていることが大切なのです。
朝起きて、昼に活動して、夜に寝る。そしてL-トリプトファンとビタミンB6を摂取し、セロトニンを生成して、メラトニンを作り、良質な睡眠を得ることが大切です。そういう『規則正しい生活』が、何よりも基本として大事にするべきポイントですね。
また、『昼寝』ですが、ノンレム睡眠に入りやすい昼寝は、なるべくなら毎日とっていきたいところです。スペインやアルゼンチンでは『シエスタ』という昼寝制度があって、昼寝の為に一度会社からわざわざ家に帰るという伝統があります。
シエスタ(Wikipedia)にはこうあります。
伝統的なスペインの昼食の時間は日本よりも遅い。しっかりした食事を摂った後に午睡となる。昼下がりの時間帯がシエスタ時間である。この時間帯(午後3時頃)は商店、企業、官公庁などの多くが休業時間となっており、しばしば事情を知らない外国人旅行者が戸惑うことになる。オフィスワークの場合、シエスタの後は再び仕事に戻る。昼食と同様、夕食も日本よりも遅く、就寝時刻も遅い。しかし、朝は早い。つまり、シエスタをするからといって睡眠過多にはならない。
私は家で仕事をしているので毎日のように昼寝や仮眠をしていますが、やはり、仮眠を取るようになってから体調がとてもよくなりました。
これは本当のことです。私は完璧主義者で、本来ならそういう風に途中で寝るとか、そういうことはあまり好きではありませんでした。しかし、一日中パソコンと向き合って目も疲れるし、途中で運動もするので筋肉も相当疲弊します。そんな中、無理矢理定時の時間まで起きて、メリハリを意識しすぎて頑迷にそうしたライフスタイルに固執していると、体調をよく崩していたのです。
例えば『口唇ヘルペス』です。私は持病で口唇ヘルペスを持っているのですが、これは往々にして、疲労が積み重なった時に発症します。疲労が積み重なると免疫力が弱くなるのですが、その免疫力という『警備隊』の力が弱ったときに、決まって体内に棲みついているウイルスが唇におりてきて、皮膚を食い破り、腫れてしまうんですね。
しかし、仮眠を取るようになってから口唇ヘルペスの発症率が激減しました。長く付き合った自分の身体だからよくわかるのですが、『ホットアイマスク』のような目を温める対策をしながら仮眠をしていることもあって、
と、実に様々な恩恵を得ることができるようになりました。ノンレム睡眠を効果的に得られる昼寝は、髪の毛のためだけではなく、あらゆる問題を最適化するので、可能な限りやった方がいいかもしれません。
また、『眠りに入って1時間後くらいから約2~3時間続く』ノンレム睡眠ですが、やはりそのためには、質のいい睡眠を心がける様々な『からくり』が大切です。例えば、『美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール』にはこうあります。
美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール (PHPビジュアル実用BOOKS)
この一つ一つに良質な睡眠を促すための理由があるのです。わかりやすいのはカフェインですよね。カフェインには覚醒作用がありますから、寝つきが悪くなるのです。
全て大事な要素ですが、私が最も効果的だと思うのは、『いつも通りの行動をする』ですね。これに気づいている人は多く、例えばある芸人さんは、
と言っていましたが、彼もこのからくりに無意識に気が付いているのでしょう。私も全く同じことに気が付いていて、ある時から私はずっと、寝る前はスタジオジブリの映画を観るようにしています。
などがメインで、後の作品は私的に、先が気になるか、心を持っていかれて寝れなくなるので、この4作品をランダムにつけて、お風呂後にストレッチをした後、ボリュームっをギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいまで下げ、ベッドに入るようにしています。そうすると、そのわずかな『聞きなれた声や音』が脳内の周波数を安定させるのか、刺激されることなく安心して、ぐっすりと眠ることができるのです。
良質な睡眠は結果として髪の毛にいい影響を与えます。ぜひとも毎日の生活に良質な睡眠を取り入れるよう、心がけましょう。
枕なしで寝るということは、睡眠の質を上げることに繋がることがあります。そして同時に薄毛の改善になるということもあります。どちらかというと前者ですね。『枕なしで寝ると薄毛が治る』というよりは、『枕なしで寝ると睡眠の質が上がる』という方が近いでしょう。
例えば、合わない枕を首にあてると、血が滞ったりして首が痛くなったり肩凝りになったりします。そういうことを考えると『血行不良』の問題が浮上しますから、それはつまり薄毛になりやすくなるということを意味します。
血行不良になるものは何でも『髪の毛にいい』とは言えませんからね。どちらかと言わなければならないのであれば、『髪の毛に悪影響を与える』と言わなければなりません。下記の記事に書いたように、
これらは全て血行不良の原因ですから、改善する必要があります。このうち、
に関しては、この『枕なし睡眠』と非常に関係性の高い要因ですので、注目する必要があります。
『肩こり・首痛は99%完治する―“緊張性頭痛”も“腕のしびれ”もあきらめなくていい!』にはこうあります。
首と腰はつながって動いている
先に述べたように、脊椎と骨盤は非常に深い関係で結ばれています。仙腸関節を触りながら頭を動かすと、仙腸関節も動いているのがわかります。つまり、脊椎と、骨盤にある仙腸関節とがコンビを組んで、お互いに連動しながら、頭や体の歪みを支えているのです。
このコンビは運命共同体のようなもの。すなわち、仙腸関節に異常があれば頸椎が腰椎にも異常が出ますし、頸椎や腰椎に異常があれば、仙腸関節にも異常が生じます。ですから、首や肩の不調の原因に仙腸関節が関係しているケースはたいへん多いのです。また、仙腸関節の異常から、首痛と腰痛の両方に悩まされているという方もたくさんいらっしゃいます。
肩こり・首痛は99%完治する―“緊張性頭痛”も“腕のしびれ”もあきらめなくていい!
このように、首と腰は繋がっていますので、首痛になれば腰痛にもなりやすいのです。合わない枕で首痛を引き起こすと、血行不良だけではなく腰痛など、体の節々に悪影響をもたらします。それが更に血行不良など、薄毛に悪影響をもたらす事実を作り出すので、侮れないわけですね。
『枕革命 ひと晩で体が変わる (講談社+α新書)』にはこうあります。
合わない枕は拷問と同じ
(省略)そして、いちばん下部にある第七頸神経と第八頸神経は、指先にまで到達しています。とくに第八頸神経は、肘の内部にある細い骨の隙間を縫うようにして小指の先にまで伸びているため、圧迫を受けやすい構造にあります。朝起きるたびに小指がしびれているとか、なんとなく手がはれぼったい、手に力が入らないなどという場合にも、首の神経を圧迫していることが原因かもしれないのです。
(中略)しかし、合わない枕で寝続ければ、いずれは誰にでも何らかのつらい症状が出てくる可能性はあるのです。なぜなら、合わない枕で眠るのは、首の骨にとって拷問も同じだからです。誰だって、ひどい拷問を受けたり、残虐な暴力行為にさらされれば、無意識のうちに防御姿勢をとるものでしょう。枕の拷問を受けたときも同じです。
このようにして、合わない枕を使用することはどの専門家も『やめた方がいい』とくぎを刺します。それだったらむしろ、枕がない方がいいということなんですね。
『肩こり・首痛は99%完治する―“緊張性頭痛”も“腕のしびれ”もあきらめなくていい!』にはこうあります。
基本的には『枕なし』で寝ることをおすすめします
私は肩凝りや首凝りを訴えられる患者さんには、『枕なし』で寝てみることをおすすめしています。肩や首の凝りの原因が『高い枕』にあることも少なくないからです。高い枕をしていると、首や肩の筋肉が引っ張られたまま、眠りにつく格好になります。これによる筋肉の緊張が、こりにつながっているケースがあるのです。また、高い枕をしていると、寝返りなどの拍子に首が不自然な角度に曲がることが多く、寝違えも起こしやすくなります。
また、『枕革命 ひと晩で体が変わる (講談社+α新書)』にもこうあります。
合わない凹凸枕の上で首がぐらぐら拷問を受けるよりは、枕を使わず平らな敷物の上で眠る方がまだましです。少なくとも、首が安定して寝返りが打てます。
とあります。どちらも共通して、
という風に言っていますね。
『枕革命 ひと晩で体が変わる (講談社+α新書)』にはこうあります。
寝返りなくして疲労回復なし
『寝返りの科学』なる研究分野があるほどに、睡眠中の寝返りは私たちの生命維持に大きな役割を果たしています。『眠り』と同様、『寝返り』のメカニズムについても、まだすべてが解明されたわけではありません。しかし、最近ではかなりのことがわかってきました。
睡眠中でも、私たちの身体はさまざまな仕事をおこなっています。たとえば体を成長させる、体内組織を修復する、心身の疲労を回復する、免疫力を高める、記憶を整理する…。だから、眠っていても最低限の動きが必要です。動くことによって血液やリンパ液、間接液などの循環を促し、睡眠中に処理しなければならないさまざまな仕事に役立てるためです。寝返りは、そうした重要な目的で身体を絶え間なく動かす合理的な行為と言えます。
寝返りをきちんと打てないと寝違えることもあるし、首を圧迫して首痛の原因を作ることになります。また、本にも『血液やリンパ液、間接液などの循環を促し』とあるように、血行不良の原因にもなってしまいます。そうすると髪の毛に悪影響を与えるということなんですね。
また、下記の記事に書いたように、
赤ちゃんによくみられる『乳児期後頭部脱毛』を考えたとき、この問題と接触していることがわかります。赤ちゃんは寝返りやお座りができるまでの間、いつも寝転んで、後頭部に一定の圧力をかけ続けています。その圧力の摩擦によって後頭部の髪の毛が抜けてしまうことがあるんですね。それが『乳児期後頭部脱毛』です。寝返りをきちんと打てず、同じ部分に常に圧力をかけることは、首、頭皮、髪の毛、血行といったあらゆる要素に悪影響を与えることになります。
私は身体を鍛えているので、背筋が大きくなってきて、いつからかベッドで寝ると辛くなってしまいました。背筋が大きくなり、体の凹凸が激しくなってきたせいで、ベッドに触れる部分とそうでない部分が目立つようになり、触れる部分が特に圧力を受けるようになって、その部分が痛むようになったんですね。
そこで私が行った対策は、『布団を変えること』です。私の場合は枕ではなかったんでね。よく聞く『エアウィーブ』のような、アスリートが愛用する高反発マットレスがいいのではないかと思い、似たようなものを探したんですね。
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エアウィーブは高いので、似たようなもので安いものを買ったのですが、そのせいでしばらくニオイはきつかったのですが、それさえなくなれば、安眠ができましたね。
アスリートのようにたくましくなった筋肉でも、きちんとこのマットレスが包み込んでくれて、体にかかる負担が減ったのです。そのおかげで、寝違えることもあったはずなのにそれがなくなり、安眠できるようになりました。枕でもマットレスでも、体に合わないものを使用するのは『拷問』だということを、私はよくわかりますね。