男性と女性の抜け毛の特徴は?抜け毛や脱毛症は年齢によって症状が異なる?
男性の場合やはり『男性型脱毛症』というぐらいですから、AGAが多いと言えます。
女性の場合はホルモンバランスを崩しやすい宿命にあるので、それが原因の脱毛症になりがちだと言えるでしょう。また、脱毛症自体は何歳で発症してもおかしくはありません。しかし、AGAの原因のジヒドロテストステロンは成人前までは性器形成に役立ったり、女性のホルモンバランスは更年期以降に一気に崩れやすくなる等、年齢に関係する要素がいくつもあるのは事実です。
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男性と女性の抜け毛の症状の違いは、まず、
の髪の毛だけが残る『サザエさん』の『波平型』になるかならないかということですね。女性でそうした薄毛になる人はほとんどいません。しかし、男性の場合はそういう髪型になる可能性が圧倒的に高いのです。
薄毛の種類
先天性の病気をのぞけば、薄毛の種類にはこれらがありますが、そのうち最初の2つは同じ脱毛症です。
ですね。両方ともAGA(男性型脱毛症)と言っても間違いではありません。『AGA(男性型脱毛症)』の原因は『DHT(ジヒドロテストステロン)』です。男性ホルモン(テストステロン)には、体毛やひげなどに代表されるように、毛を生やす、という作用がありますが、前頭部と頭頂部の毛乳頭に多くある特殊な酵素(Ⅱ型5α-還元酵素)と結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)という脱毛を促進する物質がつくられるわけです。ちなみに女性の場合は、アンドロステンジオンという物質からもDHTが生じます。
女性は確かに血中のテストステロン濃度は男性の20分の1から10分の1と言われていますが、やはりテストステロンが代謝物のジヒドロテストステロン(DHT)となって毛の成長を妨げ、ヘアサイクルが短くなって発症します。したがって女性もAGAにはなるのですが、男性と違って『波平型』のような髪型にはならず、
から薄毛になっていく傾向があります。
また、『びまん性脱毛症』ですが、症状はFAGAとあまり大差はありません。先ほどの記事にも書いたように、『ここまでわかる,ここまでできる! こどもとおとなの脱毛症診療 (MB Derma(デルマ))』にはこうあります。
女性型脱毛症の診断
頭皮正中線に沿った脱毛であることで診断はある程度できるが、女性の場合、そのヘアスタイルによって他の脱毛症でも同様の臨床像に見えることもあり、、男性型脱毛症における診断よりさらにトリコスコピー(観察)が重要である。みられる所見は男性型脱毛症と同様で、毛直径の不均一が重要な所見である。女性の場合、休止期脱毛症が重要な鑑別となる。トリコスコピーでは明確な所見がなく、あえて言えば新しい成長期毛が通常より多く観察できる。
ここまでわかる,ここまでできる! こどもとおとなの脱毛症診療 (MB Derma(デルマ))
本には『つむじハゲ』、あるいは『頭皮のてっぺんハゲ』の写真が掲載されています。ここに出てきた『休止期脱毛症(きゅうしきだつもうしょう)』とは、成長期にある毛髪が急激に休止期に移行してしまう『びまん性脱毛症』の一種です。
びまん性脱毛症もFAGAも、同じように頭のてっぺんから薄毛になっていく脱毛症です。その原因が、ジヒドロテストステロンかホルモンバランスの乱れか、というだけの違いですね。
また『髪の分け目』から薄毛になる場合は、
等の髪型が理由の、『牽引性脱毛症』が考えられます。こうした髪型をするのは往々にして女性ですから、女性はあまり髪の毛や頭皮に負担をかけないように注意する必要があります。
また、下記の記事にも書いたように、女性は基本的に『乾燥』しやすい体質にあると言えます。
ということは、それが原因の粃糠性(ひこうせい)脱毛症に注意する必要があります。
乾燥したフケが毛穴を塞ぎ、菌などが繁殖して毛根が炎症してしまう脱毛症
皮脂が過剰分泌し、こびりついたフケやホコリに細菌が繁殖し、頭皮が炎症してしまう脱毛症
もちろん脂漏性脱毛症にも注意が必要ですが、どちらかというと皮脂の分泌が過剰になるのは男性の方なので、乾燥しがちな女性は粃糠性脱毛症に注意する必要があると言えそうです。
また、内分泌・代謝障害による脱毛症(膠原病による脱毛症)ですが、難病情報センター『全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)』にはこうあります。
平均すると男女比は1:9ほどで、圧倒的に女性に多い病気です。なかでも生理が始まってから終わるまでの期間に多く、子供、老人では、逆に男と女の差が少なくなります。
参考
全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)難病情報センター
この、
は(シェーグレン症候群は、上記リンク先の記事に記載)、両方とも膠原病の一種ですが、その両方ともが『男女比は1:9ほどで、圧倒的に女性に多い病気』とありますね。ということで、女性の場合は『内分泌・代謝障害による脱毛症(膠原病による脱毛症)』になる可能性も圧倒的に高いと言えます。
つまりまとめると女性の脱毛症は主に、
に注意が必要だと言えるかもしれません。しかしもちろんその他の脱毛症にも注意が必要です。あくまでもこの傾向があるというだけで、状況は限りなく無限にありますので、その分だけ可能性はあります。
これは余談ですが、『びまん性脱毛症』と『FAGA』の説明のときに、
というキーワードが出ましたが、なぜ女性にテストステロンの量が少なく、そしてホルモンバランスが乱れるとびまん性脱毛症になるかというと、『エストロゲン』という女性ホルモンが関係しています。詳しくは先ほどの記事に書きました。
一部を抜粋すると、
女性ホルモンの1つであるエストロゲンが減ると、途端に髪の成長が遅くなります。そして髪自体もやせた髪になります。女性の場合は特にホルモンの乱れが薄毛の大きな原因のひとつ。だからホルモンバランスを整えることが重要なのです。
ということですね。女性の場合、このエストロゲンの量が多ければ多いほど女性らしくあり、男性の場合、このテストステロンの量が多ければ多いほど男性らしくなる、と言っても過言ではありません。
場合によっては過言になりますけどね。何が『女性らしさ』で何が『男性らしさ』という定義の問題もありますから。しかし、薄毛は男性っぽい現象ですよね。波平さんも男性です。サザエさんにもハゲている人は男性しか出てきません。
女性はこのエストロゲンの量が更年期等によって減少し、テストステロンの量が増えてしまうと薄毛現象が起きてしまうことがあります。老人になると性別の違いがよくわからなくなることがありますが、そう考えるとやはり『女性らしさ』の一つの判別方法とは、
ということかもしれません。
『メディカル・バストアップ』(現代書林)にはこうあります。
なぜ人間のバストはふくらんでいるのか
(省略)実は大きなバストを持っているのは人間の女性だけなのです。(中略)ではなぜ、人間のバストだけが豊かに発達したのでしょうか。動物学者のデズモンド・モリスは『女性の胸は性的魅力を発信するために進化した』という説を唱えています。人間が去るから進化したことは知られていますが、この進化の過程で、四足歩行から二足歩行へ移行しました。四足歩行のサルは繁殖期になるとお尻が赤く大きくなります。これがセックスアピールの役割を果たしているのです。
しかし二足歩行になると、お尻はあまり目立つ存在ではなくなりました。もちろんそれなりの存在感はありますが、もっと強力なセックスアピール・ポイントが必要だったのでしょう。そのポイントこそがバストだったのです。
豊満なバストと大きなお尻は、このようにして『女性らしさ』の代表的なポイントです。また、『くびれた腰』ですが、これは骨格の問題です。実は男性は女性のようにくびれた腰を手に入れることはできません。骨格がそうなっているからです。女性のお尻の骨は男性よりも大きくなっているので、その上にある腰のくびれと並ぶと、くびれが大きく目立つようになっています。だからくびれた腰も女性らしさのポイントの一つなのです。
『エストロゲンの量が多ければ多いほど女性らしくあり、男性の場合、このテストステロンの量が多ければ多いほど男性らしくなる』と言ったのはまだ理由があります。
『新装版 話を聞かない男、地図が読めない女』にある情報をまとめると、以下のようになります。
『地図が読めないのが女性らしい』というわけではありませんが、しかし『攻撃的なのは男性らしい』わけです。そう考えるとやはり、『テストステロンの量が多いと男性らしくなる』という傾向にあると言っても過言ではなさそうですね。
テストステロンの役割のうち、『髪が薄くなる』という症状があります。女性は高齢になると、ホルモンバランスが崩れてエストロゲンが減少し、テストステロンが5α-リダクターゼと結びついてジヒドロテストステロンになる可能性が高くなってしまいますが、それはもしかしたら、女性が『女性としての役割』を終えて、『後は死ぬだけ』という状態になったということなのかもしれません。
ある学者は『50歳を過ぎたら人間はもう生きてる意味はない』と言いますが、先ほど挙げたような『女性らしさ』をキープできるのも、たしかにせいぜいそのくらいの年齢が限界です。人間というものは、それまでに子孫を残すためのパートナーを見つけて、愛をはぐくみ、命を繋ぎ、そしてある程度子育てをしたらもうそこで、使命は果たしたと言えるのかもしれませんね。
そう考えると女性が老化し、男性化し、更年期になったり薄毛になったとしても、納得できることです。
私は無宗教ですが、ブッダは言いました。
これはブッダの言葉の超訳として書いた記事ですが、
これを避けることなど、現実逃避なのです。男女問わず人間というものは、生まれた瞬間から老化していて、いずれ必ずこの世を去ることが運命づけられています。そう考えると、多少の薄毛の問題も、開き直ることができますね。それと同時に、自分が残された命の日数の間に、やり残したことがないかどうか、真剣に探せますよね。
武者小路実篤は言いました。
抜け毛というのは何歳で発症してもおかしくはありません。また、先天性の脱毛症もありますから、そうなると生まれたときから脱毛症と向き合う必要があります。それは下記の記事に書きましたが、
等という病気ですね。詳しくは記事を見てその詳細をご確認ください。また、もし『薬害性脱毛症』だった場合は、その薬害を摂取したときにいつでも発症します。
等がその代表です。また、それだけじゃなく、
等も過剰摂取によって薬害性脱毛症を引き起こす可能性があります。
ですから、それらが原因の脱毛症の場合は、『何歳で薄毛になるか』ということが予測できません。かなり若くして薄毛になることもあるでしょう。
ただ、薄毛の原因が『AGA(男性型脱毛症)』ということであれば、成人以降に発症するリスクが圧倒的に高いとされています。
AGAの原因は『DHT(ジヒドロテストステロン)』です。男性ホルモン(テストステロン)には、体毛やひげなどに代表されるように、毛を生やす、という作用がありますが、前頭部と頭頂部の毛乳頭に多くある特殊な酵素(Ⅱ型5α-還元酵素)と結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)という脱毛を促進する物質がつくられるわけです。(ちなみに女性の場合は、アンドロステンジオンという物質からもDHTが生じます。)
『最後に読む育毛の本』にはこうあります。
DHTは発毛サイクルを早めて、産毛から育とうとしている髪を片っ端から引き抜いていく悪者です。ただしこのDHTにも役割があり、成人するまでは、DHTは性器形成に重要な役割を果たしているのです。
ところが成人になり、性器が完成したら、DHTは行き場を無くしてしまいます。行き場をなくしたDHTが、あろうことかヘアサイクルを崩す。ここまでは解明されています。
AGAの原因であるジヒドロテストステロンは、成人するまでは性器形成に重要な役割を果たしているんですね。ですから、AGAになるのは成人以降が最も多い年齢となっています。
人は最終的には骨になります。ですから、老化を止めることはできませんし、死ぬことを避けることもできません。しかし、そうは言っても人は生きている間、人から何と言われるか、どう見られるかを気にしてしまうものですよね。
私はもしそうなれば最終的には坊主頭やスキンヘッドにするとか、人里離れた場所でひっそりと暮らすとか、そういう生き方を推奨したいのですが、みんながみんな、そう竹を割ったような潔い決断をできるとも限りません。ですから、ここに挙げた先天性の病気やAGAなどのどうしようもない脱毛症以外の脱毛症は、最低限自分でケアをして、未然に防ぎましょう。