儒教の始祖 孔子(画像)
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内省
法律や道徳教育が世の中を変えるのではない。それにもかかわらず、世の中が変わらないのはそういったものを含めた、一切の外部要因のせいであると思い込んでいる人間が大勢いる。
マザー・テレサは言った。
世界平和は、ノーベル平和賞を取ったマザー・テレサが、何か世の中に特別な魔法をかけて作り上げるのではない。全ての人間が立ち上がって初めて、世界平和が訪れるのだ。つまりもし、世界平和が訪れないのであれば、それは、人間が内心世界平和などどうでもいいと思っているのだろう。世界平和に少しでも貢献している様に見える人間も、実際のところでは自分に自信が無いのだ。声を大にして意見する自信が無い。
(どうせ全ての人は、聞いてくれない)
と。それなら、少しでもいいから自分の出来ることをしようと思うのだ。もちろん、それでいい。マザー・テレサが尊いと言うのは、一人一人のそういう行動だ。しかしそれではいつまで経っても世界平和は訪れない。今、現時点で世界で戦争やテロが行われていることを見てもわかるだろう。
それだけじゃあない。誘拐事件、強姦、強盗、薬物乱用、傷害、横領、詐欺、これが行われている以上は、世界平和などとは呼べるわけがない。つまり、全世界の人が立ち上がらない限り、世界平和は訪れない。しかし、逆に言うとそれは、全世界の人が立ち上がれば、世界平和は訪れるのである。
その為に出来ることは何か。もちろん、一人一人の心がけだ。しかし、そんなものははるか昔から一部の人間がやっていることだ。そうして出来たのがどうだ。国家や宗教の差異だ。一部の人間は幸福を手に入れたかもしれないが、一部の人間は相変わらず争いをやめられない。貧困から抜け出せない。
ということはこう言えるのだ。マザー・テレサの言う様に、確かに一人一人の心がけが大きな力を生む。それは人間が皆、よく理解しているところだ。しかしそれでは永久に、一部の人間だけが満足し、一部の人間が不満を覚える現実を変えることは出来ない。ということは、それでは世界平和は訪れない。
では世界平和は無理なのか。いや、出来る。全人間がそれに向かって立ち上がれば、それは達成できる。しかし、実際の部分でそれを望んでいる人はいない。
最初から、国家、思想、宗教が乱立しているのが人間なのだ
そう考えて『バランスを取っていく』と言っている以上、世界平和は永久に訪れないのだ。人間は、自由を選択している。だとしたら、世界平和は訪れない。では、自由(個性)を捨てればいいのだろうか。それでは、『人間をやめる』ことになってしまう。
では、乱立させて戦争をするのが『人間』なのだろうか。いや、それでも『人間をやめる』ことになってしまう。
アインシュタインは言った。
我々はどうすれば『人間』になれるのだろうか。我々は今、『人間』なのだろうか。 一つだけ言えるのは、その答えを出すのは人間。世の中を変えることが出来るのは、人間しかいないのである。
参照文献
子曰わく、人能く道を弘む。道の人を弘むにあらざるなり。