貧血になると薄毛のリスクが高まる?
貧血になると髪の毛にいい影響は与えません。髪の毛に栄養が行き届かなくなり、元気な髪の毛を作れないからですね。
薄毛・抜け毛を解消する2大ポイントは毛母細胞の『血行促進』と『栄養補給』ですから、貧血になるとそうした要素がおざなりになり、抜け毛を招く結果になるかもしれません。
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貧血になると髪の毛にいい影響は与えません。髪の毛に栄養が行き届かなくなり、元気な髪の毛を作れないからですね。下記の記事に書いたように、薄毛・抜け毛を解消する2大ポイントは毛母細胞の『血行促進』と『栄養補給』ですから、貧血になるとそうした要素がおざなりになり、抜け毛を招く結果になるかもしれません。
それではまず、貧血について調べてみましょう。『調理師養成教育全書 必修編4 栄養学』にはこうあります。
貧血と栄養
貧血は赤血球の数が減少したり、赤血球のヘモグロビンの濃度が減っている状態をいう。赤血球は白血球や血小板と一緒に骨髄で作られており、その寿命は約120日間である。老朽化した赤血球は破壊され、ヘモグロビンは鉄、たんぱく質、色素の分解されて再び体内で利用される。貧血の大部分はヘモグロビンの材料である鉄分が不足する鉄欠乏症貧血である。
また本には貧血の種類とその原因として、
鉄欠乏性貧血 | 鉄分の不足 |
---|---|
巨赤芽球性貧血 | 赤血球の材料となるビタミンB12、葉酸などの不足 |
再生不良性貧血 | 骨髄で赤血球を生成する機能低下 |
溶血性貧血 | ある原因で赤血球が破壊される |
と記載しており、また、貧血の症状として、
などを挙げています。
そして基本的な貧血の原因として、
などを挙げています。こうして考えると、貧血にまつわる要素は、大体『薄毛』と関連性が高いものばかりだということがわかります。例えば下記の記事に書いたように、
カフェインやタンニンなどは鉄の吸収を阻害するので、コーヒーやお茶は、食事の前後30分を避けて飲むようにしましょう。
コーヒーやお茶にある、
その両方が鉄分の吸収を阻害し、特に女性にとっては一大事となります。下記のような記事に、『女性はホルモンバランスを崩しやすい』と書きましたが、月経のある女性は鉄分が不足気味になるので、鉄の吸収が阻害されるのは問題です。つまり、コーヒーやお茶の過剰摂取によって鉄分の吸収を阻害し、貧血になると、それまた薄毛の原因となるわけです。
貧血が薄毛の原因となるのには、『赤血球』がキーワードとなります。
『調理師養成教育全書 必修編4 栄養学』にはこうあります。
血球には、赤血球、白血球、血小板の3種類がある。赤血球は肺で受け取った酸素を体の隅々まで運び、白血球は細菌感染などに防御作用を持ち、血小板を凝固させる働きをしている。
ここで『赤血球=酸素を体の隅々まで運ぶ』と出てきましたね。これが髪の毛にとって非常に重要なポイントとなります。先ほども、薄毛・抜け毛を解消する2大ポイントは毛母細胞の『血行促進』と『栄養補給』だと言いましたが、酸素の供給もとても重要なポイントとなるのです。
『育毛の真理』にはこうあります。
酸素と栄養素があれば髪は育つ
多くの人が、髪が育つには特別な条件があるかのように誤解しているが、赤ちゃんが大人に成長するのに必要な条件と同じで、髪は酸素と栄養素があれば育つ。しかも、人が成長するためには意識的に栄養素を摂らなければならないが、髪は、放っておいても育つようになっている。なぜなら、酸素は頭皮の呼吸と毛細血管を通してまかなわれ、栄養素もまた、毛細血管を通してまかなわれるからである。
頭皮、毛細血管、毛母細胞に酸素が十分に行き渡ることは、健康な髪の毛にとって必要不可欠なこと。ですから、貧血になって赤血球の数が減少し、その酸素の供給が体の隅々に行き届かなくなると、薄毛になる可能性が出てきてしまうのですね。
また、
等の問題も、貧血の原因になると同時に、薄毛の原因ともなります。
また貧血によって、
等を起こせば、それがまた更に髪の毛に悪影響を与えます。
更に、
等の問題は、ストレスや自律神経とも無関係ではありません。それらによっても結果的に薄毛を引き起こす可能性がありますからね。特に女性はホルモンバランスを崩しやすく、FAGAやびまん性脱毛症になる可能性があるので、注意が必要です。
では、この貧血を予防するためにはどのような食事を摂ればいいかを考えていきましょう。『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
体内に酸素を運び、貧血を予防する 鉄
女性に目立つ鉄の摂取不足
(省略)特に月経経過の人、子宮筋腫や痔などで出血が多い人は、気を付けて摂取する必要があります。
腎臓でつくられ、造血作用が エリスロポエチン
赤血球を増加させ、貧血の予防・改善に効果
(省略)エリスロポエチンには赤血球数の調整作用があり、貧血予防に効果があると考えられます。
腸内細菌を増やしビタミンB群を合成する パラアミノ安息香酸(PABA)
(省略)葉酸は核酸の合成に働いて、細胞を新しく作り、発育を促します。赤血球をつくって、貧血を予防する働きがあります。
過剰摂取すると
ヘモグロビンと鉄の合成を助ける 銅
ヘモグロビンの合成を助け骨や血管壁を強くする
貧血というと、私たちは鉄不足を思い浮かべます。赤血球の中にあるヘモグロビンの量は、鉄が不足すると低下して貧血になるからです。ところが、鉄を含むヘモグロビンをつくるためには、銅が必要なのです。ですから、鉄が十分に足りていても、銅が不足していると、やはり貧血になってしまいます。また、同を含む酵素は、コラーゲンの生成に働き、骨や血管壁を強くします。
糖質・脂質の代謝を助け、鉄の作用を高める モリブデン
過剰摂取は銅欠乏症を引き起こす
モリブデンは、肝臓や腎臓にある酸化酵素に不可欠の成分です。糖質や脂質の代謝を助けるだけでなく、鉄の利用を高めて、貧血予防の働きもしますから、貧血気味の人はぜひ摂取しましょう。
また、銅と相反する働きがあり、過剰に摂取すると銅の排出を増やし、銅欠乏症を引き起こすことがありますから、注意が必要です。
過剰摂取すると
銅欠乏症
といった栄養素が貧血には有効になるわけですね。特に共通して出てきたのは、
といったところでしょうか。鉄分このあたりの食事を意識して食べれば、貧血対策は大体カバーできるといえるでしょう。また、『過剰摂取で銅欠乏症になる』というのは、『亜鉛』も同じです。下記の記事に書いたように、牡蠣は亜鉛がたっぷり摂れ、摂取したたんぱく質を、髪の毛の99%のの要素を占めるケラチンに変えることができる育毛フードですから素晴らしいのですが、しかし亜鉛を大量に摂ると今度は銅欠乏症になり、貧血を招いてしまいます。
どんなものでも過剰摂取は毒です。適切な量を摂るようにしましょう。しかしこうして考えると貧血対策は結構薄毛対策になることがわかるので、やる価値はありますね。特に女性なら、一石二鳥どころの恩恵ではないのでやりがいがあります。
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