ワキガになりやすい人となりにくい人の特徴は?毛深い体質はワキガになりやすい?
ワキガになりやすい人はズバリ、アポクリン腺が多い人です。
毛深い体質はワキガになりやすいかというと、そうとは断言できません。しかし、毛深いということはテストステロンが多いということになる可能性があり、そうなると結果的にワキガ臭を発生しやすい体質になる可能性はあります。
ワキガになりやすい人と、なりにくい人というのは、どう見分け、あるいは考えればいいでしょうか。それは、まず『なりやすい人』を考えてみればいいことですね。
ではここで、ワキガ臭が発生する原因と流れを見てみましょう。
ポイントは、
です。これらの条件を満たしていれば、『ワキガになりやすい』ということになります。ここで考えるべきなのは、『ワキガと加齢臭は違う』ということ、
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『運動とワキガは関係ない』ということ、
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『お酒やタバコとワキガは関係ない』ということ、
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『男女、年齢とワキガにそれほど関係性はない』ということ、
『性ホルモンとワキガは多少関係がある』ということ、
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です。最後の『性ホルモンとワキガは多少関係がある』だけが他と違うのでお間違えの無いようにしてください。
『体臭・多汗の正しい治し方』にはこうあります。
ワキガは性ホルモンの刺激でおきる
(省略)一般には、ワキガのにおいはほぼ初潮の頃からあらわれ始め、思春期をへるなかでにおいが強まっていくのです。ちょうどこの時期に合わせるかのように、アポクリン腺も皮脂腺も発達し、活発な働きをするようになります。そういった意味で、ワキガはなんらかの性ホルモンの刺激、もしくは影響をうけて発生し、強められていくと考えるべきでしょう。女性が妊娠したり、出産したりすると、一時的にワキガ臭を放つことがあります。また、月経周期によっても、ワキガ臭は変化することもあります。
ここで出てきたのは、『ちょうどこの時期に合わせるかのように、アポクリン腺も皮脂腺も発達し、活発な働きをする』ということです。『発達』です。つまり、性ホルモンが強くなるような時期にアポクリン汗腺や皮脂腺が『増える』わけではなく、『元々ある腺が発達する』ということなのです。
したがって、『一時的』というキーワードが出ています。女性の場合、出産後に落ち着いてくると、次第にその匂いは軽減されていきます。アポクリン汗腺や皮脂腺が増えたり減ったりするのではなく、『一時的に発達したり、活発化する』ということなんですね。
ですから、上記に記載した記事に書いたことは全て『体臭の原因』となることですが、こと『ワキガ』となると、『性ホルモン』以外のことは関係ないと言えます。また、男性だからと言ってワキガになりやすいということもありません。下記の動画でもそれを説明しています。
制汗剤の正しい使い方 梅田/エイジングケア専門シンザキエステ
人体の構造上は全く同じ
とありますね。
ですから、『男性の方がワキガになりやすい』ということはありません。あくまでもワキガになりやすいのは、先ほど挙げたような要素を備え持っている人ということになります。つまり、
ですね。
では、人種別ワキガ体質の割合を見てみましょう。
人種別ワキガ体質の割合
これは、『アポクリン汗腺が多い人種』と言い換えることもできます。したがって、『ワキガになりやすい人種』をランキングにすれば、そっくりそのままこの通りになります。一番わかりやすいのは『アポクリン汗腺が多い人』ですね。アポクリン汗腺が多い人はアポクリン汗をかきやすく、ワキガになりやすいと言えます。
また、『エクリン汗腺が多い人』であってもワキガ臭を発しやすいのですが、あくまでも『ワキガ臭を発しやすい』というだけで、厳密に言えば『エクリン汗自体はワキガの原因ではない』のです。それは、冒頭の流れをみればわかりますね。エクリン汗の役割はただ、『汗のニオイを外に拡散する』だけですから、ニオイの原因ではないのです。アポクリン汗は、
などを多量に含んでいて、分泌されたときは無臭ですが、毛穴や皮膚の表面にある細菌によってこれらの成分が分解されると、ワキガ臭の原因となります。エクリン汗は、
で、もっと無臭です。ですから、エクリン汗自体がニオイの原因ではないということがわかります。ここでわかるのは『アポクリン汗自体も最初は無臭』ということですね。これが皮脂や細菌らと合わさったり分解されると、ニオイを発するのです。
さて、エクリン汗が『ワキガ臭を発しやすい』というのはもうおわかりだと思いますが、アポクリン汗が存在する以上、エクリン汗によってニオイが発散してしまうので、エクリン汗が『ワキガ臭を発しやすい』存在であると言えるわけです。
つまり、少しでもアポクリン汗が出てしまう人がいて、エクリン汗を大量にかいてしまう『多汗症』のような人がいれば、それは『ワキガ臭を発しやすい人』ということになります。しかしそれは『ワキガになりやすい』というテーマとは違いますからね。
多汗症とワキガの因果関係とは?ニオイの原因を作りやすい汗っかき – Inquiry. |
しかし、ワキガの手術では、
のすべての腺を切除できますが、エクリン汗腺を切除することもあることから、エクリン汗腺が多い人は、『ワキガ臭の原因を持っている』と言っていいでしょう。
それはそのまま次の『皮脂腺』で考えた場合でもそうです。皮脂腺が多い人というのは基本的には『男性』です。また、男性ホルモンのテストステロンは、皮脂を分泌する役割を持っていますから、テストステロン濃度が濃いほど『脂性である』と言えます。
しかし、先ほど性ホルモンのところで考えたように、女性でも『脂性が強まる』状況というものがありますし、アポクリン汗腺自体はまた別の話ですので、皮脂腺が多くある、ないということだけでは、『ワキガになりやすい』とは言えません。あくまでも『ワキガになりやすい』のは、『アポクリン汗腺が多い人』なのです。しかし、例えば下記の記事に書いたように、
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脂性であること、高脂肪・高カロリー食品を食べる人というのは、確かに『ワキガ臭を発しやすい人』と言えます。これもエクリン汗腺が多い人と同じ考え方ですね。それだけで『ワキガになりやすい』ということではなく、あくまでも『ワキガ臭を発しやすい人』ということです。
以下の動画では、『気になる口臭・体臭・加齢臭』の著者でもある五味先生が、そこに書いた記事について更にわかりやすく情報を教えてくれていますので、ご覧ください。
食生活と体臭の関係について教えてください。(体臭多汗Q&A 33)
また、『ワキガ臭を発しやすい人』であれば、『緊張しい』の人もそうなります。これも同じように、だからといって『ワキガになりやすい』のではありません。あくまでも、『アポクリン汗腺が多い』というワキガ体質の前提があったうえで、ニオイを外に発散しやすい体質、という考え方になります。
また同じように、『ワキガ臭を発しやすい人』は『不潔』な人もそうなります。これも同じように、だからといって『ワキガになりやすい』のではありません。あくまでも、『アポクリン汗腺が多い』というワキガ体質の前提があったうえで、ニオイを外に発散しやすい体質、という考え方になります。
ワキガ対策になるワキの洗い方2大ポイントとは? – Inquiry. |
また、『わき毛がある人』もそうです。わき毛はエクリン汗のように、ニオイを外に発散する役割を持っていますから、わき毛が多い人は『ワキガ臭を発しやすい人』ですが、だからといって『ワキガになりやすい』のではありません。
ということで、『ワキガになりやすい』人というのは、『アポクリン汗腺が多い』人ですね。アポクリン汗腺がすべての根源です。ですから、ワキガの根本治療は、アポクリン汗腺自体を切除する手術しかないということです。
しかし、『しかない』だと妙に後ろ向きに聞こえますね。しかし実際は手術というのは前向きなものです。先ほど紹介した五味先生の著書、『体臭・多汗の正しい治し方』にはこうあります。
われわれ医者の立場からみれば、本来のワキガ体質者は、非常に治療しやすく、精神的にも楽なものです。なぜなら、外科的治療によって、完全に治癒させることができるからです。においが強ければそれだけいっそう、術前と術後の変化が大きく、患者さんにも、においの消失が自覚的に認識でき、喜びも大きく、患者の相方とも、手術の結果に満足できるものです。
医師の立場からすれば、ワキガ手術はとても難易度が低いんですね。しかもこれは30年前の本であり、この方は今でもこのジャンルにおけるプロですから、信憑性は高いと言えます。
先ほども少し触れましたが、わき毛が多い人は『ワキガ臭を発しやすい人』です。では、毛深い人はワキガになりやすいのでしょうか。下記の記事に書いたように、
テストステロンのはたらきとして挙げられるのは、
ということで、これを考えると、 『毛深い=テストステロンの量が多い』ということになります。従って、毛深い人がワキガになりやすいというのは、あながち的を外していません。なぜなら、テストステロンのはたらきに『皮脂の分泌を促す』というものがありますよね。これがワキガの原因物質となるからです。
ちなみに、テストステロンの量が多く、毛深く、皮脂の分泌量が多いからということは、『薄毛』の理由にはなりません。『ササっとわかる薄毛の悩み解決最前線』(講談社)にはこうあります。
頭皮の皮脂があまり多いと脱毛症状を起こすこともありますが、これはAGAとは別の症状です。テストステロンには体毛やひげなどの『毛を生やす』作用もありますが、皮脂が多いというだけで薄毛になるということではないのです。
しかし、ワキガの原因にはなってしまうんですね。
ワキガ臭が発生する原因と流れを思い出しましょう。このようにして『皮脂腺からの皮脂』は、ワキガの原因となりますので、皮脂が人一倍い多い人は、ワキガ臭を発しやすいと言えます。毛深いということは、それだけテストステロンの量も多く、ということは同時に脂性であるということも意味します。
更にその体毛ですが、体毛が多く、かつ密集しているということは、細菌が繁殖しやすい環境が整っていることを意味しますし、もし『わき毛も多い』となれば、ニオイ発散装置も人一倍稼働していることになりますから、
ということで、そうでない人と比べるとかなりワキガ臭を発しやすい状態にあると考えられます。
更に、『ワキガはたった30分で完治します!』にはこうあります。
毛深いとワキガになる?
(省略)ワキガは性ホルモンが活発に働き始める思春期から見られるようになり、性ホルモンの働きがより活発になる10代後半から30代に多くなります。つまり、ワキガと性ホルモンはかなり密接な関係があるわけです。毛深い人は性ホルモンが活発に働いているので、ワキガの可能性も大きいと考えられます。毛深いということは、毛根が多いことを示しており、それはアポクリン汗腺や皮脂腺が多いことを意味します。
ここで出てきたのは、『毛深いということは、毛根が多いことを示しており、それはアポクリン汗腺や皮脂腺が多い』というキーワードですね。つまり、
ということで、ますますワキガ臭を発しやすい体質であることが考えられるのです。先ほどの記事に書いたように、『体臭・多汗の正しい治し方』にはこうあります。
わき毛はワキガと関係あるか
(省略)性的興奮時には、エクリン戦からの精神性発汗が加わることによって、アポクリン腺は薄められ、毛を伝わって、においをより遠くまで拡散していたのです。この点からいえば、ワキガの治療の第一歩は、においの発散装置でもあるわき毛を剃り除くことからはじまる、ということです。
ワキガの治療の第一歩は、においの発散装置でもあるわき毛を剃り除くことからはじまるわけですから、毛というものはなるべく少ない方がいいのです。ワキガ臭の原因であるアポクリン汗が出るアポクリン汗腺は、
に存在していますから、特にこのあたりの毛は少ない方がいいですね。ただ、もし『ワキの下以外からはワキガ臭はしない』ということであれば、別にその毛を処理する必要はありません。ましてや、このアポクリン腺が存在しない部位の体毛を剃る必要もないということになります。
では、自然に生えてきた体毛を無理に剃ることについては、デメリットはないのでしょうか。『レーザー治療による安心脱毛』には、『体毛の役割』について、こうまとめています。
体毛にはこのような役割があり、これを無理やりに剃ることで、このあたりの問題を悪化させてしまうような気がしますね。しかし本は、このすべてに対し、『現代ではもうこれらの機能は必要ない』としています。
昔は衣服に使用されていた繊維が硬かったが、現代では通常肌触りのいい布地が衣服に使用されていて、肌を傷めてしまうことはない。
頭髪の場合は長く、硬いので、ものが触れると比較的察知しやすいといえるが、体毛全体でいえば、生体防御につながるほど鋭敏ではない。
はるか昔はわき毛や陰毛は異性を呼び寄せる手段の一端を担っていたが、二足歩行になり、バストが成長し、嗅覚や聴覚から視覚でものごとを判断するようになり、毛から発生されるワキガ臭は今や『悪臭』と解釈される。(特にアジア人)
人種別ワキガ体質の割合
現代では衣服が皮膚をカバーしているので、体毛の果たす役割はそれほど大きくない。従って、特にニオイのするアポクリン腺が多い部分を、ニオイ対策として脱毛しても、それによるデメリットは少ないと考えられます。
また、ただ単に毛深いということではなく、多毛症である場合についても考えていきましょう。多毛症とは、体毛の生えるところに硬い毛が異常に多く生えたり、普通は生えないところに生えている場合を言います。多毛は大きく分けると、
の2種類に分類されます。
局所性のものと全身性のもの、また先天性のものと後天性のものとがあります。
女性の男性化型多毛症とでもいうもので、男性ホルモンの一種であるテストステロンの過剰分泌が主な原因です。女性の場合、色々とホルモンバランスを崩しやすい特性を持っていますから、それによってこのような多毛症に陥ることもあるということですね。その他にも、
等、様々な問題を引き起こします。ただし、ほとんどが軽度なものなので、深刻なものではありません。
最初の2つは妊娠時や閉経後、あるいは思春期などのホルモンバランスが崩れやすいときに見られる症状です。最後の2つは先天性なもの、あるいは卵巣腫瘍などの疑いがあり、専門医の指導が必要です。これらの多毛症は、先天性のものでない限り、
等の特徴を持っていて、治す術があります。『レーザー治療による安心脱毛』ではこの多毛症は、
が主な原因であると挙げていて、やはりここにもテストステロンというキーワードが出てきています。やはり、『毛深い=テストステロンの量が多い』という図式は間違いなさそうですね。
ただ、私の知人には、10代の頃から全身が毛むくじゃらのような体毛が濃い人がいましたが、彼はワキガではありませんでしたし、体臭もきつくありませんでした。したがって、ここに挙げた例はあくまでも原則的な話であり、100%確実なことではありません。また、下記の記事に書いたように、
薄毛治療に効果的な薬として、
という成分がありますが、これは元々血管拡張剤として開発されていた中で、『体毛が濃くなるという副作用』が現われて、それで方向転換をしてできたものです。また、ミノキシジルはフィナステリドと違って、特に女性の方が効果が得られやすい傾向にあるのですが、女性が5%溶液を使うと体毛も濃くなる可能性があります。
薄毛の人にとっては体毛が濃くなることは嬉しいのですが、『頭髪以外の部分の体毛』が濃くなることは望まないわけです。ミノキシジルは『外用』なので患部にしか塗布しませんが、フィナステリドやデュタステリド等の『内服』によって、『頭髪以外の部分の体毛』が濃くなった場合、
体毛が濃くなった=ワキガ臭を放つようになった
ということはあるでしょうか。当然それは、『アポクリン腺』の量と質という基本的な要素の有無が関係してくるので、多毛症や突発的な体毛の増加というだけで=ワキガになるということはないということですね。