ミョウバン水やベビーパウダーでワキ汗を抑えればワキガを抑えられる?
ミョウバン水は効果があります。
しかし、ベビーパウダーはワキガに特化した商品ではありません。基本的にはそのような商品を使っても高い効果を得ることはできません。むしろ、長時間汗腺を無理矢理パウダーで止めてしまうことは避けるべきだと言われています。
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ミョウバンには汗を止める効果が期待できます。ではこのミョウバンというのは一体どういうものでしょうか。Wikipediaにはこうあります。
アルミニウムミョウバンとは、1価の陽イオンの硫酸塩と3価の金属イオンの硫酸塩の複塩の総称である。
(中略)媒染剤や防水剤、消火剤、皮なめし剤、沈殿剤などの用途があり、古代ローマ時代から使われてきた。上質の井戸がない場合、質の悪い水にミョウバンを入れて不純物を沈殿させて飲用に使うこともあった。また、腋の制汗・防臭剤としても使用されていた。天然のミョウバンは白礬(はくばん)とも呼ばれ、その収斂作用、殺菌作用から、洗眼、含嗽に用いられることがあった。
古くから腋の制汗・防臭剤としても利用されてきた、殺菌、防臭効果もある『複塩』ですね。複塩というのは『陽イオンまたは陰イオン、あるいは両方を2種類以上含む塩のこと』で、とにかく簡単に言うと『塩の一種』ということになります。これを使えばワキの制汗や消臭を期待できるので、古くから人々に愛用されているということです。
ミョウバンというのは水に溶けると『酸性』になります。皮膚というのは酸性であれば雑菌の繁殖を抑えることができるので、その性質を利用しているということなんですね。
『ワキ汗ワキ臭30分解消法』にはこうあります。
<制汗剤>
制汗剤とは皮膚の毛細血管を収縮させることで、発汗を抑える効果を狙った、いわゆる『汗止め』です。こうした汗止めには、古くはミョウバンがよく使われていました。どちらもニオイのもとになる汗を抑えるわけですから、ある程度はニオイを減少させる効果はあります。しかし、残念ながらその効果はよく持って半日から一日程度です。毎日、定期的に使う必要があり、かなりの手間がかかるといえます。
この本は『ワキガ手術を推奨する本』ですので、『残念ながら』というキーワードを使っていますが、よく見ればわかるように、ミョウバンの効果は半日から一日持つわけです。これを『しか』持たないと思うのか、『も』持つと思うのかは、人それぞれ、あるいは状況によって変わるということですね。
『気になる口臭・体臭・加齢臭』にはこうあります。
夏の汗対策でニオイトラブル解消
(省略)簡単に作ることができるミョウバンの水溶液も、ニオイ対策におすすめです。ミョウバンには制汗作用があります。作り方は2リットルの水に50gの粉末ミョウバン(スーパーや薬局で売っています)を溶かすだけ。市販のスプレー容器に入れ、ワキや胸、背中や足など、ニオイが気になる部分にスプレーすればOKです。また、コップ1杯のミョウバン水溶液を湯船に入れて入浴すると、簡単に全身のニオイ消しができます。
このようにして違う専門家も、このミョウバンで作ったミョウバン水の効果の高さを説明しています。
本で紹介しているミョウバンの使い方は、
の3つです。最後の緑茶レモンミョウバンは、緑茶にミョウバンを溶かして、そこにレモンも絞り加えて冷蔵庫で冷やしておきます。それにひたしたタオルを絞り体をふくと、
を期待でき、大きな効果を得ることができるということですね。このミョウバン水の作り方を説明した動画がありますので、そちらをご覧ください。
デオドラントと殺菌作用 ミョウバン水の作り方
といったポイントを教えてくれています。それだったら、ワキガ体質じゃない人が利用してもいいかもしれませんね。原料自体は『塩』ですから、体に悪いものではないということです。塩は何かと万能ですからね。
レモンがワキガ対策になる?体臭に有効なレモンタオルマッサージとは – Inquiry. |
また、そのミョウバン水として商品になっているものもあります。
また、下記の記事でも紹介した、
エタノールはワキガ臭を抑える対策になる?デメリットはないのか – Inquiry. |
『エージーデオ』にもミョウバンが使用されています。
※写真サイズが大きく表示される場合があります
スプレータイプ
ロールオンタイプ
ボディシートタイプ
全てミョウバンが使用されていることがわかりますね。したがって、ミョウバンというものは一般人から専門家まで幅広く使われている、最も有名かつ歴史ある制汗剤と言っても過言ではないでしょう。
どのような形でミョウバンを使用するかは個人のお好みですが、専門家が言うような自作ミョウバンで十分だという人は自分で作った方が早いかもしれませんね。また、自作の物には信用できない、面倒だという人は、プロが作った上記のような商品を使用するといいでしょう。
例えば『エージーデオ』であれば、その3つのタイプを状況によって使い分けて使いこなせば、何もしない人と比べてずいぶん制汗・消臭効果を期待できるでしょう。ただし、やはり『重度のワキガ』となると、このミョウバン水や、デオドラント剤だけでは限界があります。
に目を向けることになりますね。
では、ワキガ対策としてベビーパウダーは有効でしょうか。ベビーパウダーは例えば、以下のような商品があります。
どれも同じですね。下記の動画は、女性が一番上の資生堂のベビーパウダーを使って、おでこの汗を止める方法について紹介しています。
ベビーパウダーでおデコの汗を抑える(๑°⌓°๑)
化粧を塗ってから、ニベアを塗ってから、という下地を作ってからベビーパウダーを使うと、より効果が高いということですね。それでは、この商品の説明を見てみましょう。
あせも、ただれ、おむつかぶれ、股ずれを防ぎ、赤ちゃんの肌をすこやかに保ちます。
あくまでも、ベビーパウダーの名の通り、赤ちゃんに優しい美容品ということですから、汗を止めるというよりは、『あせもやかぶれを防ぐ』ことが目的とされています。
もちろん、この動画の女性のようにおでこの制汗対策として使ったり、胸の谷間や、様々な部位に使うことで、制汗剤としての役割も果たしてくれますが、注意したいのは『ワキガ対策に特化した商品ではない』ということです。
また、
ワキ汗パットはワキガ対策になる?どれくらい効果があるのか解説 – Inquiry. |
この記事にも書きましたが、ワキガのニオイを消すためには直接塗り込むクリームや、ロールオンタイプが有効だとされています。『気になる口臭・体臭・加齢臭』にはこうあります。
デオドラント剤と上手に付き合おう
(省略)ワキガではないけれど、ワキの汗や汗臭さを抑えたい場合は、スプレータイプ、パウダータイプなど、さっぱりとしたサラサラ感のあるものがおすすめです。急な発汗には、ふきとりシートタイプで対応しましょう。殺菌作用の強いタイプは、皮膚のかぶれや黒ずみの原因となります。多汗からくるニオイ対策には、制汗作用の高いものを選ぶほうがよいでしょう。
一般的にスプレータイプのデオドラント剤には、アポクリン腺の汗を抑制する効果はあまりありません。ワキガ臭には抗菌殺菌作用が強く、皮膚に直接塗るロールオンタイプやスティックタイプ、クリームタイプなどのほうが効き目があります。
従って、スプレータイプの制汗剤では、ワキガにはあまり有効ではありません。そこにまとめた『種類別デオドラント剤の概要』をここでも載せます。
種類別デオドラント剤の概要
スプレータイプ | ワキガではないけれど、ワキの汗や汗臭さを抑えたい場合。 |
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パウダータイプ | ワキガではないけれど、ワキの汗や汗臭さを抑えたい場合。 |
ふきとりシートタイプ | 急な発汗を抑えたい場合。 |
殺菌作用の強いタイプ | 皮膚のかぶれや黒ずみの原因となるので注意が必要。 |
ロールオンタイプ | アポクリン腺の汗を抑制する効果があり、抗菌殺菌作用が強い。 |
スティックタイプ | アポクリン腺の汗を抑制する効果があり、抗菌殺菌作用が強い。 |
クリームタイプ | アポクリン腺の汗を抑制する効果があり、抗菌殺菌作用が強い。 |
ベビーパウダーは、ここで言う『パウダータイプ』に該当し、デオドラント剤で言うところのスプレータイプと同様の効果しかないということがわかります。
ですから、ワキがではないけれど、ワキの汗や汗臭さを抑えたい、という人に対しては有効ですが、『ワキガに有効ではない』ということになりますね。
では、『やらないよりはやった方がいい』のかというと、これはケースバイケースです。こうしたデオドラント剤は、汗腺類を強制的に塞いで汗を止めるので、それによって体調不良を引き起こす人もいます。
『気になる口臭・体臭・加齢臭』にはこうあります。
デオドラント剤を上手に使うコツは、『部分的』『短時間』の使用にとどめておくということです。デオドラント剤によって広い範囲の汗腺がふさがってしまうのが心配です。広範囲に長時間、塗ったままにしておくのはやめましょう。
つまり、ベビーパウダーも含め、汗腺類を強制的に塞いで汗を止めるこうしたデオドラント剤は、『部分的』『短時間』の使用が推奨されていて、あまり常時使用することはおすすめされません。
『気になる口臭・体臭・加齢臭』にはこうあります。
とくに、エアコン完備のような環境にいると、本来の働きを忘れた汗腺に老廃物や角質が溜まり、汗をかいたときに、これらの不純物も一緒に排出してしまうのです。
良い汗、悪い汗、ということについては下記の記事に書きましたが、
ワキガと口臭は関係している?それとも全く無関係? – Inquiry. |
運動不足がワキガ臭を悪化させる原因となる?適度な運動で汗腺トレーニングをしよう – Inquiry. |
あまり無理に汗を止めてしまうと、汗腺の力が弱ってしまい、汗腺に老廃物や角質が溜まり、汗をかいたときに、これらの不純物も一緒に排出してしまうのです。その不純物がニオイの原因となるので、あまりそうした『悪い汗』をかかないような生活習慣を送りたいわけです。
ワキガ体質の人の場合は、そんなことよりもとにかくニオイを対処したいので、ワキガグッズを使って汗を強制的に止める選択肢を選ぶのは仕方ありません。しかし、そうではない人がベビーパウダーを使って、常日頃から汗腺に蓋をし、汗を無理矢理止めるということをしていると、それが原因で『悪い汗』をかくようになり、ニオイの原因を作ってしまう可能性があります。
また、ワキガ体質の人の場合であっても、その『悪い汗』をかくリスクを取ってでもニオイを止めたい、ということであれば、ベビーパウダーを使うよりも、上に挙げたようにロールオンタイプやクリームタイプのデオドラント剤を使った方がいいですよね。
私もわきに無駄に汗をかいていると思ったので、ロールオンタイプのデオドラント剤を使ってみたのですが、どうもつけている間は体調が悪かったですね。確かに普段よりも汗もニオイも抑えられているのですが、『汗が強制的に抑えられている』という感覚が、どこか違和感があり、体調がすぐれませんでした。私は敏感な方なので、よりそう感じやすかったということもあったでしょう。
この記事に、汗は体温調節のために、必要だからかき、もし必要ない水分だと判断した場合、汗ではなく尿として出るので、汗を気にして水分をとらないのは危険だということを専門書を通して書きました。
また、『体臭・多汗の正しい治し方』にはこうあります。
エクリン腺の役目は何か?
(省略)防寒具であり、日傘の役割もしていた体毛が退化して、それこそ丸裸になった人間は、寒さには衣類を着ることによって対処し、熱さに対しては、エクリン腺からの発汗によって、体温を平均36.5~37.2℃というきわめて狭い範囲に一定にさせることで対処するようになりました。
このような発汗を温熱性発汗といいます。いわゆる汗っかきといわれる人は、この温熱性発汗が盛んに行われるためなのです。これはむしろ、生体のホメトスターシスを維持するためのものであり、生理的な多汗で、けっして病的はものではありません。
生物および鉱物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである。
つまり、汗をかかないと人間のこの『恒常性』が保てず、体調がおかしくなってくるのは自然な現象です。下記に書いたような塩化アルミニウム剤も、汗が出る穴を結晶でフタをするわけですが、こうしたものも全て含めてデオドラント剤というものは、あくまでも『部分的』『短時間』の使用が推奨されているんですね。
切らないで済む方法はある?薬で治すワキガ治療の実態 – Inquiry. |
ですから、どうしても夏場で人に会い、ニオイをまき散らしたくない状況を避けられないとか、そういうときだデオドラント剤を使い、それ以外の一人でいる場合等は、あまりそうしたものは使用しない方がいいと言えます。例えば今回のようなテーマで考えた場合でも、
ベビーパウダーくらいなら軽いからいいか
と考えがちですが、『汗が出る穴にフタをする』ということは同じですから、あまり常時そうしたもので汗を無理矢理止めることはやめた方がいいでしょう。それよりも、下記の記事に書いたように、
ワキ汗パットはワキガ対策になる?どれくらい効果があるのか解説 – Inquiry. |
ワキガ対策としてのインナーの最適化を考えよう – Inquiry. |
『汗ワキパット』や、『インナー』を駆使して常に清潔にする方が健康的で効果的です。
ですね。この方が自然に汗もかけるし、汗をかいたらその都度清潔な状態にリセットできます。その分の手間も荷物も増えますが、それについての考え方は、下記の記事を見て参考にしてください。