ワキ汗パットやワキ汗テープはワキガ対策になる?
ワキガ体質の人は、黄色い汗ジミができる場合があります。
ワキ汗パットは、それが洋服につくのを防ぐ効果もありますから、場合によっては役に立つ商品だと言えます。ただ、ワキ汗テープを使うなら、汗ワキパットを使った方がいいかもしれません。
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汗ワキパット、ワキ汗パットなる商品はいくつかあります。例えば下記のような商品ですね。
あせワキパットRiff − TVCM −「電車で汗ジミ」篇
動画の説明には、
このシートを貼れば、吹き出す汗を一日中吸収!ほら、汗ジミ滲みてない!
とあります。ポイントは、
ということです。つまり、『ニオイを消臭する』ことを強く主張してはいません。たしかに、『ニオイも防ぐ』とありますが、『も』ですから、それがメインではなく、メインは『汗ジミを作らないこと』ですからね。
商品紹介には、
消臭成分配合でワキのニオイが気になる方にもお使いいただけます。
とあります。イオン抗菌で汗のにおいを防ぐということですね。しかし、『ワキガのニオイもバッチリ消臭』とはありません。したがって、これらの商品がワキガ臭の問題を解決することにはならないでしょう。
もしそのような商品であれば、『汗・ワキガ消臭パット』とかそうした類のネーミングになります。そうしたほうが消費者に訴求しやすいですからね。
この商品は汗を吸収してくれるのか…
と思うか、
この商品は汗・ワキガのニオイを消臭してくれるのか…
と思うかですからね。ワキのニオイで悩む人は当然、『汗・ワキガ消臭パット』の方を選択することになります。
また、
でも、無いよりはある方がいいか
といえば、そうでもありません。例えば私の場合、体を鍛えていて筋肉の密着度が高いのですが、例えばスーツで出勤しているとき、よくYシャツの中が蒸れたものです。若者はYシャツの下に下着を着ませんから、直接Yシャツのワキの部分が汗で濡れることがありました。
それが気持ち悪いので、私もこの手の商品を使ったことがあるのですが、
という要素がそろってしまうと、ワキの密着度がより高くなり、通気性が悪くなったり、ワキを変に意識してしまって汗をかいたりして、違和感を覚えました。
また、いくら吸水性がいいからといって、無限に吸収できるわけではないし、汗は決してワキだけから出るわけではないので、ワキから汗が大量に出るような場面では、他の部分からびしょびしょになり、あまり意味はありません。
ですから、この手の商品の使い勝手は、人それぞれによって違うということが言えます。フィットする人にとってはいい商品となるでしょう。それには、
等の様々な条件の差異が関係してくるということですね。
ではここで、ワキガ臭が発生する原因と流れを見てみましょう。
基本的に、アポクリン汗と、脂肪分やたんぱく質等を細菌が分解し、皮脂が混じってニオイの原因ができます。つまり、汗ワキパットはこれらの現象を抑えてくれるものではないので、パットをしたところで、そのパットの下でこういった現象が起き、ニオイは作られてしまいます。イオン抗菌で消臭するといっても、その消臭効果は下記のような商品以下になるでしょう。
※写真サイズが大きく表示される場合があります
この商品についての説明は下記の記事に書きましたので、併せてご確認ください。
エタノールはワキガ臭を抑える対策になる?デメリットはないのか – Inquiry. |
消臭を期待するなら、この手の商品を使った方がいいですね。特に、ワキガのニオイを消すためには直接塗り込むクリームや、ロールオンタイプが有効だとされています。『気になる口臭・体臭・加齢臭』にはこうあります。
デオドラント剤と上手に付き合おう
(省略)ワキガではないけれど、ワキの汗や汗臭さを抑えたい場合は、スプレータイプ、パウダータイプなど、さっぱりとしたサラサラ感のあるものがおすすめです。急な発汗には、ふきとりシートタイプで対応しましょう。殺菌作用の強いタイプは、皮膚のかぶれや黒ずみの原因となります。多汗からくるニオイ対策には、制汗作用の高いものを選ぶほうがよいでしょう。
一般的にスプレータイプのデオドラント剤には、アポクリン腺の汗を抑制する効果はあまりありません。ワキガ臭には抗菌殺菌作用が強く、皮膚に直接塗るロールオンタイプやスティックタイプ、クリームタイプなどのほうが効き目があります。
まとめるとこうなりますね。
種類別デオドラント剤の概要
スプレータイプ | ワキガではないけれど、ワキの汗や汗臭さを抑えたい場合。 |
---|---|
パウダータイプ | ワキガではないけれど、ワキの汗や汗臭さを抑えたい場合。 |
ふきとりシートタイプ | 急な発汗を抑えたい場合。 |
殺菌作用の強いタイプ | 皮膚のかぶれや黒ずみの原因となるので注意が必要。 |
ロールオンタイプ | アポクリン腺の汗を抑制する効果があり、抗菌殺菌作用が強い。 |
スティックタイプ | アポクリン腺の汗を抑制する効果があり、抗菌殺菌作用が強い。 |
クリームタイプ | アポクリン腺の汗を抑制する効果があり、抗菌殺菌作用が強い。 |
自分の状況によって、商品は使い分けることが大切です。そう考えると、汗ワキパットの主目的はあくまでも『汗ジミを防ぐこと』で、『ニオイ対策』としては弱いわけです。したがって、ロールオンタイプやクリームタイプのデオドラント剤や、ワキガアイテムに比べると、汗ワキパットは消臭効果が低いと考えられますね。
市販と通販のワキガ対策のクリームは何の違いがある? – Inquiry. |
したがって、もし今後『ワキガ臭消臭パット』なるものが登場した場合、その商品はワキガ体質の人にとっての救世主となる可能性はありますが、現段階ではそのようなものは作られておらず、『汗ジミを防ぎ、ついでに多少のニオイも消臭』というレベルですから、過度な期待はできませんね。
ただ、もしYシャツ等の『黄ばみを防ぎたい』ということであれば、効果は期待できそうですね。ワキガで服が黄ばんでしまう理由については下記の記事に書きましたが、
ワキガで服が黄ばむ原因は?洗濯と予防の方法を知っておこう! – Inquiry. |
このパットを間に入れることで、その汗の色素が洋服ではなくパットに沈着することになります。ですから、この手の商品は、『ワキガ臭を抑える』ためではなく、
といった目的で使用すれば効果は見込めると言っていいでしょう。また、ニオイを悪化させないための様々な方法は下記の記事にまとめましたので、併せてご確認ください。
ワキガのニオイを悪化させない為に行う12の予防と対策 – Inquiry. |
ワキガ対策として、テープを使う方法があります。
の2つのテープですね。テーピングに関しては、下記のようなテープを使ってワキに貼り、汗を止める方法です。
しかし正直に言ってこの方法はお勧めできません。確かにテーピング用のテープは、スポーツをしても剥がれにくくなっているため、汗に強く、汗を吸収してくれます。しかし、元々汗の対策用、あるいはワキガ対策用グッズとして出ている商品ではないので、ワキガ臭を取る効果はありません。
また、テーピングをすることでやはり窮屈さが出てしまいますし、蒸れもあります。また、ワキ汗パット等のアイテムと比べて目立ちやすいので、洋服選びも厳選されるでしょう。したがって、テーピング用のテープを使ってワキ汗を防ぎ、ワキガ臭を抑制する方法は、あまり推奨できませんね。
その他にも例えば、オロナインや赤飯を使ったワキガ対策がありますが、どれもワキガ対策として適切ではありません。全て今回のテーピングのように、部分的に見ると『汗対策によさそう』という事実があるだけで、だからといってそれが適切な対策とはならないということですね。
また、もう一つの方法は『ワキ汗テープ』です。それは例えば、下記のような商品を使って汗を止めるという方法ですね。
『汗ワキパット』と同じ考え方ですね。youtuberの関根りささんがこの商品をレビューしてくれています。
この2つの商品の場合、
があるのですが、布タイプの方が吸水性が高いということです。クリアタイプの方は目立たないというメリットがありますが、見た目重視のため、機能性は落ちるということですね。
そして動画を見ればわかるように、結局汗をかいてもこの2つの商品ではほとんど汗を吸収しませんでした。もし布タイプを2つばかり貼れば、汗を止める範囲が広くなるので若干効果がありそうだと言いますが、それであれば汗脇パッドを使った方が高い吸水性を求めることができますね。
これも先ほどのテーピングと同じで、『ワキガ対策グッズ』ではありません。どちらかというと、この手のタイプの中でもかなり下の方のアイテムです。下と言うのはこういうことですね。
従って、ワキガでもない、多汗症でもない、ただ多少汗をかくことがあるくらいの、スポーツもしないような、デスクワーク等が多い人に適している商品だということです。
例えばワキ汗パットの記事にも書きましたが、『デオドラント剤』と言っても、その中でそのレベルに差があります。ロールオンタイプ等はワキガ臭にも効果がありますが、スプレータイプはワキの汗を抑える程度のアイテムです。従って、このワキ汗テープもこのあたりのレベルと同じだと考えた方がいいですね。またデメリットとして、
等のレビューも上がっています。まあこのあたりが多少大げさなレビューだとしても、事実として効果が低いので、とにかくワキガ対策としては効果がないかもしれません。
ただもちろん、状況によっては使えるアイテムだと言えます。ワキ汗パットを普段使っていて、どうしてもそれが必要な場合で、ノースリーブなどでそれを使えない場合に、このアイテムを代用し、一時しのぎをするということには使えそうです。
そもそも、ワキ汗パットはノースリーブなどでは使えませんからね。家で一人でいるときなどでもそうですが、楽な格好をしているときにわざわざワキ汗パットを使うとごわつくということで、もっとカジュアルなワキ汗テープを使ってのんびり過ごす、という考え方であれば使えるかもしれません。
私は男で鍛えているので、タンクトップはファッション的に着づらいですし、ノースリーブのような洋服になっても筋肉の密着率が高いので、このようなアイテムを使うくらいならインナーをコロコロ変えます。
ワキガ対策としてのインナーの最適化を考えよう – Inquiry. |
あるいは、それほど汗が出るなら季節は夏に近いので、裸になってバスタオルを羽織り、ワキにはさみます。すると汗をかくたびにタオルが吸ってくれますし、肩にかけると案外保温性があるので風邪もひきません。
ワキ汗テープはワキガ対策にはなりませんが、『何らかの状況の一時しのぎ』としては役立つでしょう。