ワキガと自臭症の違いは?
自臭症は実際にワキガ体質ではなく、『思い込み』です。
先生
ハニワくん
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自己臭症は体臭恐怖?
自臭症というのは別名『自己臭症』であり、『体臭恐怖』とはまた別の症状です。『気になる口臭・体臭・加齢臭』にはこうあります。
『体臭恐怖』という心の病
(省略)『体臭恐怖』と『自己臭恐怖』は混同されやすいですが、厳密には意味が異なります。体臭恐怖の場合、ごく普通の人たちがさまざまな体のニオイを気に病んでしまうことから、どちらかといえば神経症的なもの、さらには統合失調症の一症状である『妄想』に類するものまでを含む広い意味で使われます。それに対して自己臭恐怖は、妄想や思い込みによる体臭の悩みや対人恐怖を意味します。妄想ではなく実際に体臭が強い人がそれについて悩むことは、自己臭恐怖とは呼びません。自己臭恐怖は体臭恐怖のひとつであると考えればわかりやすいでしょう。
つまり、
- 自己臭症は体臭恐怖の一種だが、厳密には意味が違う
- 自己臭症は『自分のニオイが臭いかもしれない症候群』であり、妄想である
- 実際に体臭が強い人がそれについて悩むことは体臭恐怖であり、自己臭恐怖ではない
ということですね。人間の精神的な恐怖症や精神病は実にたくさん種類があって、例えば下記の記事に書いたような『あがり症の種類』で言えば、
これだけの種類があるわけです。その他にも精神障害の種類を挙げれば、
- パニック障害
- 森田神経質
- 躁鬱病
- 季節性感情障害(SAD)
- 統合失調症
- パラノイア
- 覚醒剤精神病
- 依存性人格障害
- 回避性人格障害
- 自己愛性人格障害
- 境界性人格障害
- 性同一性障害
- 注意欠陥多動性障害(ADHD)
- 摂食障害
- 性機能障害
等、枚挙に暇がありません。自己臭症は、そんな精神病の一つであり、『あがり症の一種』と考えることもできるかもしれません。上に挙げた例の中で、
- 対人恐怖
- 赤面恐怖・発汗恐怖
がそれに近い症状ですからね。しかし厳密には『対人恐怖症』です。実は、『社会不安障害(SAD)』と『対人恐怖症』は違う病気なのです。
先生
ハニワくん
自己臭症は厳密に言うと対人恐怖症
ただ、こうした症状は全て『精神病』という分類になります。『ササっとわかる『SAD社会不安障害』あがり症の治し方』にはこうあります。
『あがり症』は治療ができる『病気』だった
(省略)緊張する場面を避けるあまり、集まりに参加することができなくなったり、仕事や学校に行くことが難しくなる場合もあります。また、『自分が弱いからいけないのだ』と、自分を責め、つらい思いにじっと耐えているという人もいます。そんな症状のある人は『社会不安障害(SAD)』という病気かもしれません。社会不安障害は、適切な治療をすることで治すことができる病気です。治療を受けることで、その辛い悩みは確実に改善されていくのです。
つまりまとめると、
- あがり症は病気である
- あがり症は治療ができる病気である
ということですね。しかし、あがり症はSADの方ですから、対人恐怖症は治るのでしょうか。自己臭症は厳密に言うと、対人恐怖症ですからね。
先生
ハニワくん
神経症と心身症の違い
例えば、『強迫神経症』のような精神病があります。 フロイトはこう言っています。
強迫神経症の罹患者とは、
そうでないといけないんだ!
と強く思い込み、まるで何者かにそれを強迫的に強制されているような、そういうプレッシャーを常に感じて生活している人のことです。フロイトは、宗教の存在をそのようにして主張していますが、無宗教である私はこの意味がよくわかりますね。
私の両親はクリスチャンであり、私はそれについて嫌というほど悩まされてきました。考えられる『反抗』はほとんどやった後私は、『四聖』に数えられる、
孔子、
ブッダ、
キリスト、
世の偉人たちの言葉と向き合い、人生を内省しました。
その内容については、リンク先の記事を見ればわかります。その私が言っているのですが、私は無宗教であり、フロイトのその言葉に強く共鳴します。『心の病と精神医学』(ナツメ社)では、神経症と心身症の違いをこう説明しています。
他人や現実との『不適応』を起こしやすい。
他人や現実に対して『過剰適応』する。
心身症にかかりやすいのは、
- 真面目
- 自己犠牲的
- 良い子過ぎる
人だといいます。心身症は、ストレスなど心理的要因が、身体の病気を引き起こす病気です。つまり精神的なダメージを負うことにより、
- 胃潰瘍
- 喘息
- 高血圧
- 糖尿病
- 片頭痛
- じんましん
等の身体的症状を引き起こす人は、心身症だと言えるでしょう。
そう考えると、この『自己臭症』というのは、あくまでも『妄想』ですから、
- SAD
- 対人恐怖症
- 神経症
のカテゴリーに分類することができる精神病と言えます。例えば強迫神経症の人の中に、『ウイルスや菌に過剰反応する人』がいます。自分の身体や生活する部屋にそれらの菌がいることが認められず、部屋に入る前に除菌をするのですが、その除菌にかける時間が2時間など、異常な時間なのです。
この強迫神経症は、どちらかというとSADの類に分けられますね。ここに『対人』は関係なく、自分の中での問題なわけです。これで大体自己臭症の分類が見えてきましたが、『対人』であれば対人恐怖症、『自分の中での問題やこだわり』なのであれば『SADであり、神経症』の類だと考えることができます。
先生
ハニワくん
自己臭症は体臭恐怖?
人から何と言われるか、という予期不安について
さて、その治療法を考える前に考えたいのは、『予期不安』という症状です。例えば性機能障害で考えたとき、下記の記事に書いたように、
EDになったのは『妻の方に原因がある』可能性もあるわけです。EDの原因の割合は、
- 心因性=52%
- 器質性=48%
で、実に心因性、つまり『心の問題』が半分を占めています。従って、妻が暴言を吐いたり、ぞんざいに扱った経験があるのなら、それが夫のEDの原因となっている場合があります。
『気になる口臭・体臭・加齢臭』にはこうあります。
人から『臭い』と言われたことがきっかけに
(省略)
『人から『臭い』と言われて対人恐怖症になりました。
(中略)
この方の問題は、ワキガではないのに『ワキガ手術』を受けたことにあります。当然、ワキガでなければ手術をしても解決するはずはありません。
(中略)
体臭の原因はワキガだけではありません。『体』の面から正しいニオイ対策を行うとともに『心』のケアを行うことも重要です。
人間は、
- 人から何と言われるか
- 人からどう見られるか
ということをひどく気にする傾向があります。例えば、『心因性EDの主な原因』を見てみましょう。
心因性EDの主な原因
- 1:予期不安
- 2:不安発作
- 3:軽症うつ病
- 4:不妊治療
- 5:ターン・オフ
- 6:夫婦関係のストレス
予期不安とありますね。これはどういう意味かというと、『ニッポン男子の下半身が危機的なことに気づいたワタシ (扶桑社新書)』にはこうあります。
ショックが尾を引く『拒否られED』
(省略)いくら付き合いの長いパートナーが相手でも、夜の誘いを断られるのはショックなもの。そのショックが尾を引いて、気づけばEDになってしまっていた…というパターンです。
という流れが勃起の仕組みなのです。つまり、副交感神経が興奮して、リラックスすることで初めて陰茎に血液が流れ込みます。その血液によって勃起が促されるんですね。
しかし、その相手と接するときにストレスを覚える。つまり、交感神経が活性化するような人間関係が構築されていれば、ごく自然な摂理として、勃起現象は起きません。
こう考えると心因性EDというのは、ある種の対人恐怖症ですね。『ササっとわかる『SAD社会不安障害』あがり症の治し方』では、その2つの違いをこう説明しています。
社会不安障害(SAD)と対人恐怖症の違い
社会不安障害(SAD) | 自分の行動や発言に対して不安・緊張が高まる。 |
---|---|
対人恐怖症 | 自分の存在や行動を相手が嫌がっていないか不安が高まる。 |
『人に注目されて恥ずかしい』のがSAD、『人を不快にさせてしまうのでは?』と気にするのが対人恐怖症ですね。
先生
ハニワくん
欧米の文化=罪の文化。日本の文化=恥の文化
下記の記事に書いたように、
アメリカの文化人類学者ルーズ・ベネディクトは、『菊と刀』という著書の中で、『欧米の文化=罪の文化。日本の文化=恥の文化』という表現をしています。
欧米人の多くはキリスト教徒です。従って、自らの行動を律するのは『神』であり、その神の規範に反すると罰すると考えるが、日本人は違います。神よりも、村八分(仲間はずれ)にされることを恐れてきました。そういう環境の違いが、現在のそれぞれの特徴に繋がっているわけですね。
このように、行動の規範が『神』であるか『世間の目』であるかという文化的な背景が、SADと対人恐怖症の違いを生み出すのだと考えられます。
と本にはあります。それであれば、『改宗(宗教を変えればいい)』のかというと、かなり複雑な問題になってきますね。一度植えついた人間の考え方や価値観は、そうそう簡単に変わるものではありません。
例えば、私の部下には『吃音症』という『どもり、黙り込み』の症状を見せる病気を患った者がいますが、彼の精神的根幹には、
- 対人恐怖症
- 回避性人格障害
- 自己愛性人格障害
に極めて似たものが存在すると見ています。何しろ私は彼を部下にしてもう11年が経つのですが、およそ一般の人が想像もできない濃い時間を過ごしてきたにもかかわらず、彼の症状が一向に改善しないのです。彼のことについて少し触れた記事を見たい方は、下記の記事をご覧ください。
『人間の知性の高さと器の大きさは、受け入れなければならない事実に直面した時の、受け入れる時間の長さに反比例する。』
ですから、私は人間の考え方や価値観がそう簡単に変わるものではないことを知っています。
先生
ハニワくん
『成功体験を積み重ねること』の重要性
ただ、それでも極めて有効な方法があります。それは、
成功体験を積み重ねること
です。これは、この部下にも当然当てはまることになります。では、それを知っていてなぜこの部下が成長していないかというと、簡単です。『彼は成功体験の積み重ねをしていないから』です。これに尽きるのです。
『ササっとわかる『SAD社会不安障害』あがり症の治し方』にはこうあります。
『自信の低下』は『成功体験の積み重ね』で回復させる
SADの方が抱く不安感の背景には、『過去の失敗体験』が存在する場合があります。たとえば、授業中に音読をしたとき声が震えて笑われてしまったとか、スピーチの際に頭の中が真っ白になりしどろもどろになってしまったという経験は、患者さんの心に強烈な印象として残っています。周囲からみるとさほど重大に思えないようなことでも、SADの患者さんには深い心の傷となり、自分自身を否定する気持ちへとつながってしまうのです。なくした自信を取り戻すためには、成功体験を積み重ねていくことが一番です。
つまりまとめるとこうです。
これはSADの説明ですが、心の動きは対人恐怖症と同じです。つまりこれを自己臭症で考えた場合、
となるわけですね。では、この部下がなぜ成功体験を積み重ねることができていないかというと、それは部下が、『被害者になりたい願望』があるからです。彼の兄は、幼少の頃に事故で亡くなっています。高い確率で、彼の精神的な病気はその時に発生しています。
彼はつまり、『常に自分が被害者の立場であることで、兄の存在を忘れないようにしている』可能性があるのです。私はこの11年間、尋常ではないほどの説教や助言をしてきましたが、何一つ根幹が変わることがないところを見ると、彼のケースは非常にまれなものであると言っていいでしょう。
彼の話はまた今度にしましょう。しかしこのようにして、彼ですらも『成功体験を積み重ねる』ことで、本来は自信を取り戻し、生き生きと人生を生きることができます。それであれば例えば、下記の記事に書いたようなワキガ対策をすることが、非常に自己臭症には有効であることが見えてきますね。
例えば手術で言うならば、
ということになります。何も、必ずしも手術をしなければいけないということではありませんが、このような『成功体験を積み重ねる』ことの重要性を、考えてみましょう。心の対策というものはとても奥が深く、この記事には書ききれませんが、このポイントを押さえるだけでもかなり正しい方向に一歩近づくことができます。
先生
ハニワくん
- 自己臭症は体臭恐怖の一種だが、厳密には意味が違う。
- 自己臭症は『自分のニオイが臭いかもしれない症候群』であり、妄想である。
- 実際に体臭が強い人がそれについて悩むことは体臭恐怖であり、自己臭恐怖ではない。
- 自己臭症は厳密に言うと対人恐怖症。
- 『対人』であれば対人恐怖症。
- 『自分の中での問題やこだわり』なのであれば『SADであり、神経症』の類。
- 対人恐怖症とあがり症(社会不安障害(SAD))の違いを理解する。
- 欧米の文化=罪の文化。日本の文化=恥の文化。
- 人間の考え方や価値観はそう簡単に変わるものではない。
- 『成功体験を積み重ねること』の重要性を理解する。
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