『体重』と『炭水化物ダイエット』はワキガに関係ある?
体重が重いからといってワキガになるということはありません。
しかし、肥満体質の人は何かと『ワキガ臭を悪化させる』ことがあるかもしれません。また、炭水化物ダイエットをしてもワキガにはなりません。ワキガというのはアポクリン腺の数によって決まるからです。しかし、体臭を発する可能性はあります。
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体重が多いからといってワキガになるということはありません。しかし、『まあそう言えなくもない』というこじつけならできます。例えば下記の記事に書いたように、ワキガであるかをチェックする方法として、以下の点を見ることがあります。
ワキガのセルフチェック!ワキガ診断をしてみよう! – Inquiry. |
これらのいずれかに該当する場合は、ワキガ体質である可能性があります。このうち、最もワキガ体質である可能性が高いのは、
の3つでしょうか。
衣類のわきの下に黄色い汗ジミができるということは、それだけアポクリン腺が多いということです。アポクリン汗は、
などを多量に含んでいて、分泌されたときは無臭ですが、毛穴や皮膚の表面にある細菌によってこれらの成分が分解されると、ワキガ臭の原因となります。黄色い汗ジミは、これらアポクリン汗の成分である、
などが原因であると考えられます。つまり、多汗によってびしょ濡れになっても、それらのシミが出来ないのであれば、そこにワキガはない、と考えることが出来るのです。しかし、洋服の色が変わってしまうほど色が染みつくようであれば、それだけアポクリン汗の成分が濃いということになります。
アポクリン腺が人よりも多く、アポクリン汗の成分も濃いとなれば、ワキガ体質である可能性が非常に高いと言えます。
ワキガで服が黄ばむ原因は?洗濯と予防の方法を知っておこう! – Inquiry. |
また、ワキガ体質は顕性遺伝(優性遺伝)だからして、
というかなり高い確率で受け継がれてしまうものです。『家族にワキガがいる』だけではまだ可能性は半々ですが、もし『両親ともにワキガである』となった場合は、80%以上の確率でワキガ体質である可能性があります。
ワキガが遺伝する可能性は?両親がワキガの場合は80%の確率で遺伝する? – Inquiry. |
それから耳垢ですが、
耳垢がネバネバであれば、高い確率(約70%)でワキガ体質である。また、ワキガ体質の人は100%耳垢がネバネバ(アメ耳)である。
と言えます。
耳垢でワキガのセルフチェックをする方法 – Inquiry. |
以上の理由から、この3つに当てはまる人は高い確率(70%以上の確率)でワキガ体質である可能性があります。しかし、その他の要素に当てはまる場合は半々です。ただ単に『体臭がきつくなる傾向にある』とか、『汗っかきである』というレベルで片づけられることがあります。
では、『体重が多いとワキガになる』ということが、『まあそう言えなくもない』のはどういうことかというと、結果的に肥満体型にある人がワキガ臭を放っている事実が存在するからです。ではここで、ワキガ臭が発生する原因と流れを見てみましょう。
ここに、『脂肪分、皮脂』というキーワードが出ていると思いますが、肥満体型にある人は、この要素が人一倍多いわけです。従って、結果的に『脂肪分、皮脂が少ないワキガ体質の人より、脂肪分、皮脂が多い肥満体型にある人は、ワキガ臭がする』ということになります。
その結果を、『肥満=ワキガ』と結びつけるのはあまりにも強引で短絡的ですが、短絡的に考えるならそう言えなくもないということですね。下記の記事に書いたように、
日本人のワキガ発症率はどれくらい?人口の何割がワキガ体質なのか – Inquiry. |
『口臭の95%は思いすごし』には、
口臭が人間関係に及ぼす影響
まずは江崎グリコ健康科学研究所が取り組んだ『口臭の社会生活への影響』に関する調査で、これは20~50代の男女を対象にしたインターネット調査です。
として、『日頃気になるニオイ』のアンケートを取ったところ、こういうランキングになりました。
一見するとこれは、『ワキガというのは口臭に比べて、気にならない』と考えることができますが、実際はそうではなく、ただ単に『ワキガ体質の絶対数が少ないだけ』だと捉えることもできます。
事実、日本人のワキガ体質は10~15%ですからね。周りを見渡して、10人に1人ほどしかいないので、ただ単純に『そもそもワキガ体質の人がいない』という事実が、このデータに影響を与えている可能性があるので、誤解しないようにしないといけません。この数字を見て、
なんだ、ワキガを気にする人はあんまりいないな!
と思ってしまうようであれば、今回のテーマであっても、
なんだ、肥満の人はワキガなのか!
と短絡的に考えてしまうでしょう。そういうことですね。まあ、紛らわしいですよね。数字というものは、ハッキリ数値化されているのでつい信用してしまいます。その他に考えることは色々あるし、いちいち数字の裏にある背景を読む暇もないんですよね。
また確かに『肥満≠ワキガ』ですが、『肥満になるような人は、ワキガ臭を悪化させやすい』という事実はあります。食生活や生活習慣等の乱れによっても引き起こされる可能性があるからですね。それについては下記の記事に詳細を書きましたので、併せてご確認ください。
ワキガの原因はストレス?健康的な生活でどこまでワキガが改善するのか – Inquiry. |
ワキガの原因となる食べ物とは?『肉食→魚食→??』で対策はバッチリ! – Inquiry. |
要点は、
ですね。更に細分化すると、
このあたりの要素を確実に最適化しないと、ワキガ臭が悪化する可能性があります。例えば食事であれば、
という図式があります。つまり肉食・高カロリー食というのは、
という様々な理由で、人間にとっての『ストレス』となり、ひいてはアポクリン汗腺等の肥大につながり、ワキガ臭や体臭を悪化させる原因となる可能性が高いんですね。
肥満体型にある人は、『肉食・高カロリー食』を摂りがちです。それが原因で以上のような事実が生まれてしまい、体臭やワキガ臭を悪化させやすくなってしまうのです。とくにこの『アポクリン汗腺や皮脂腺が肥大する』というところですよね。『体臭・多汗の正しい治し方』にはこうあります。
肉類などの高カロリー、高脂肪食は、野菜や穀物食に比べ、皮脂腺やアポクリン腺を刺激し、その活動を活発にさせるといわれています。肉食を中心とする欧米人のアポクリン腺は、日本人などより活発に働いていて、より多くの腺組織が残存したものと思われます。一方、野菜や魚などの淡泊な食事をしている日本人や中国人は、逆に退化傾向が強く、体臭の少ない民族になったといえます。
元々アポクリン腺が人よりも多いというのに、食生活の乱れによって更にそれを肥大化させてしまうのですから、踏んだり蹴ったりです。ワキガ体質の人はこのことを肝に銘じ、むしろこの事実を利用して人一倍健康的な人生を送りましょう。見るべきなのは以下の記事です。
IQ – IQ |
肥満に悩む人は、炭水化物ダイエットを考えたことがあるかもしれません。結論としては、炭水化物ダイエットをしてもワキガにはなりません。そういう話をしている人がいたら、それはただ嘘つきがいるということですね。
ワキガ臭が発生する原因と流れを思い出しましょう。つまり、炭水化物ダイエットをして『アポクリン腺が増える』のであればわかるのですが、そんな事実は一切ないため、それによってワキガになるということはありません。
また同じように、ワキガが人に『うつる』ということもありません。ワキガは感染病ではないからです。お風呂に入ってもプールに入っても、問題ありません。むしろ、そうして水に浸かっている間は、細菌が繁殖する暇がないため一時的にワキガ臭は収まります。
ワキガは人にうつる?洋服は?プールやお風呂は?体臭やニオイはどうなる? – Inquiry. |
つまり、
ということはないのです。これが決定的な事実です。
ただ、下記の記事にも書きましたが、『過度な低糖質ダイエットは薄毛の原因となる』事実はありますし、
他にも様々な問題があります。私はこのダイエットをよくやるのでわかるのですが、一番わかりやすいのは、『脳が回らない』ということですね。脳にとって唯一の栄養素は『ブドウ糖(糖質、炭水化物)』なのですが、その糖質を摂らないわけですから、頭の回転が悪くなり、ぼーっとした状態が続きます。
例えば、ちょうどこの記事を書いている今もダイエット中なのですが、いつもより頭がふらふらしますね。また、『全く炭水化物をとらない生活』を3日続けたこともあるのですが、その時は、寝る直前に幻聴が聞こえましたね。
私は極めて理性的な性格で、無宗教ですし、神社に行ってもお参りすらしないタイプなのですが、幻聴が聞こえました。『あははははは!!!』という笑い声のようなものが聞こえ、鳥肌が立って思わず飛び起きましたね。
そのせいもあってその期間はよく眠れませんでしたね。まあ、それは私なりに『喪に服していた』期間だったので、苦痛があってよかったのですが。とにかくそのようにして、脳に栄養を与えないと人間の精神にも大きな悪影響を与えてしまいます。
しかし、『ワキガ臭を発する』ということはありませんでしたね。つまりは、アポクリン腺が増えるということはなかったということです。
ただし、『ケトン体』というキーワードには注目する必要があります。先ほどの薄毛の記事にも書きましたが、『トータルワークアウト―3週間で劇的にカラダが変わる魔法のトレーニング』にはこうあります。
では、脂肪を燃やすにはどうすればよいのでしょうか。そのためには、糖質がキーポイントとなってきます。糖質は、日常生活のほとんどの動きに必要なエネルギーです。われわれは、糖質を燃やすことによって、それをエネルギーに変えているのです。つまり、日常生活では、脂肪より先に糖質が燃えているのです。さきほど、脂肪は糖質が無くなってしまった時非常用のエネルギーだと述べました。そこで、生活の中で糖質をまったく摂らないとしたらどうでしょう。すると顔を洗うにも歯を磨くにも、エネルギーとして燃やされるのは脂肪だけということになります。単純にいえば、糖質を減らすことは、すなわち脂肪を燃やすことに繋がるのです。
つまり、
とある人間のエネルギータンクの中で、『貯蔵庫』である脂肪を燃やすためには、まず最初に第1のガソリンである糖質を枯渇させることが重要です。それで初めて、
うーむ。では第2のガソリンを使用するか。緊急だしな。
として体が『飢餓を乗り越える<今を生き延びる』という風にシフトチェンジし、脂肪をエネルギーとして使用しだすんですね。炭水化物を減らすのには、このような理由があります。また本には、
脳が働くエネルギーは糖質だけなので、その分だけの糖質を摂りたいが、そう器用な真似はできない。それどころか、糖質がないと人間の身体は筋肉を壊し、そこからたんぱく質を分解して糖質を得ようとする。だから高たんぱく食品を食べる。
とあります。これが、長らく低炭水化物ダイエットの根幹にあった人体学の理論だったわけですね。この本は2003年に出ている本で、『ライザップ』よりもはるかに前にこの手のダイエットを主張していたわけですが、あれからもう15年以上が経ちます。本には『ケトン体』というキーワードが出ていませんね。それが実は、最近になって『脳の第2のエネルギー』として、このケトン体が浮上してきたのです。
『脳の栄養不足を助ける「MCT」』にはこうあります。
脳では、ブドウ糖が不足すると第二のエネルギー源「ケトン体」が使われる!
これまでは、「人の脳で利用される唯一のエネルギー源=ブドウ糖」と考えられていました。しかしさまざまな研究から、体内にブドウ糖が不足してしまったとき、脳では肝臓で作られる「ケトン体」が利用されることがわかりました。脳が使うエネルギー源の割合を調べた調査によると、平常時にはブドウ糖が100%を占め、絶食時にはケトン体が約60%以上を占めていたのです! ケトン体は、脳にとってブドウ糖に替わるエネルギー源になっていることがわかります。
このことから、老化の進行や特定の疾病により衰えはじめた脳機能低下の抑制に、ケトン体が有効なのではないかという研究が進められています。
つまり、確かに普段は100%の割合で、ブドウ糖を栄養素として使っているのですが、絶食時には、ケトン体を脳の栄養素に回しているという事実がわかったのです。
下記の動画は、トレーニング系のyoutuberが『ケトン体ダイエット』について説明していますが、すでにこの常識が根付いて、数年以上経っているのが現状です。
高たんぱく、低脂質、低糖質の食事をすることは、アスリートにとっては当然のことなのですが、そうすると体質が、ブドウ糖体質からケトン体体質へと変わっていきます。するとこのケトン体が、甘酸っぱいニオイを体臭として発することがあるのです。下記の記事に、様々な病気のニオイを載せていますが、
ここで言うケトン体の甘酸っぱいニオイは、『糖尿病』のニオイと同じです。『気になる口臭・体臭・加齢臭』にはこうあります。
さらに、糖尿病になるとインシュリンが不足して糖の分解が進まなくなるので、その代わりに体脂肪を燃焼してエネルギーを作り出そうとします。その際、ケトン体という強いニオイ物質が発生し、血流に乗って全身へと送られるため甘酸っぱい口臭や体臭を生み出します。
つまりこういうことです。
ケトン体はこのようにして、人間の生体のホメオスタシスを維持する為に必要不可欠な物質なのです。
生物および鉱物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のことである。
この物質が出るから、糖質がなくても脳が回っていたんですね。
更に本にはこうもあります。
無理なダイエットが招く『ダイエット臭』
(省略)ケトン体というのは、飢餓や糖尿病などで糖が不足した状態にあるとき、エネルギーとして使われるもので、肝臓で合成される物質です。血液検査で血中にケトン体が確認されると、飢餓状態にあると診断され、ブドウ糖や栄養剤、ビタミン剤などを補給する必要も生じてきます。ケトン臭は別名『飢餓臭』ともいわれ、体を動かさずに断食に近いダイエットを続けていると、そのニオイは徐々に強くなります。まずは口臭、次に汗がにおい、やがて尿しゅうにあらわれます。
このように、このケトン体のニオイというものは、
など、様々な呼び名があるようですね。しかし、これはワキガ臭とは関係がありません。もちろん、『ワキガ臭+ケトン臭』ということで、悪臭がミックスされて更に悪臭となるということはあるかもしれませんね。
また、厳密に言うと、糖尿病から出るケトン体と、低糖質ダイエットで出るケトン体とでは、また意味が違うと言います。やはり、糖尿病の方が体に悪い影響を与えるということですね。ケトン体の研究はまだまだこれから進められていくでしょう。
さて、私は低糖質ダイエットや、糖質完全カットダイエットをしたわけですが、体から『ケトン体による甘酸っぱいニオイ』を感じたことはありません。あくまでも、そういうことがあり得るということで考えておくべきですね。そして当然、ケトン体が発生したことによって、アポクリン腺が増え、ワキガになったということもありません。それが決定的な事実ですね。
また、もし低炭水化物ダイエットをするなら、下記の動画を見て知識を深めるといいでしょう。プロであるボディビルダーの人が論理的に説明をしてくれています。
筋トレに効果的な食事!炭水化物の理想の摂取量は?
ポイントは、
ということですね。ただ単に炭水化物を抜けばいいというわけではない、ということを覚えておきましょう。