コーヒーはワキガを悪化させる?それとも改善させる?
コーヒーを飲んでワキガになるということはありません。
しかし、コーヒーを飲んでワキガが治るということもありません。突き詰めて考えると、体臭を悪化させる可能性がある、というくらいです。
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コーヒーを飲んでワキガになるということはありません。コーヒーを飲んだらアポクリン腺が増えるなんていうことがあれば怖いですからね。ではここで、ワキガ臭が発生する原因と流れを見てみましょう。
つまりは、ワキガの大前提はアポクリン腺が多いかどうかということ。コーヒーを飲んでこのアポクリン腺が増えてしまうなんて、そんな摩訶不思議なことがあったら怖いですね。このアポクリン腺という汗腺は、生まれ持ったものです。ですから、その汗腺が後になって増えていったり、何らかの生活習慣によって増えるということはありません。人種別ワキガ体質の割合を見てみましょう。
人種別ワキガ体質の割合
このようにして、黒人であれば全員がアポクリン腺を多く持っているのですが、アジア人は1割程度です。これは一生ものであり、途中で黒人のアポクリン腺の数が減ったり、あるいは、アジア人のアポクリン腺が増えたりするということはないのです。
ただ、例えば下記の記事に書いたように、『子供から大人へ』成長するときに、子供時代に隠れていたアポクリン腺が大人になって表面化する、というような事実はあります。しかしこれは『後天性のワキガ』というよりは、『元々あったアポクリン腺が成長しただけ』ということになります。
ただし、下記の記事に書いたように、ワキガ臭を悪化させてしまう食事はあります。それが、『高脂肪・高カロリー食品』ですね。いわゆる欧米食というものです。
ワキガの原因となる食べ物とは?『肉食→魚食→??』で対策はバッチリ! – Inquiry. |
枚挙に暇がありませんが、このような高脂肪・高カロリー食品を食べていると、皮脂腺が大きくなります。するとそこから分泌される皮脂の量も増えますから、それが様々な問題を引き起こします。先ほどの『ワキガ臭が発生する原因と流れ』にあったように、
というのは細菌のエサであり、ニオイの原因と言えます。したがって、このような食事を摂っているとワキガにはならなくても、『ワキガ臭を悪化させる』ことは間違いありません。
ということは、コーヒーを飲んでワキガにならない事実はあっても、もしかしたら『ワキガ臭が悪化する』可能性はあるということですね。実際はどうでしょうか。
答えは、Yesです。下記の記事に、『薄毛とコーヒー』について書いたのですが、そこにも載せたコーヒーの詳細を載せましょう。『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
肥満を防ぐ、眠気を防ぐ カフェイン
お茶やコーヒー、コーラなどに多く含まれる苦みの成分です。カフェインには脂肪を分解する酵素の活性を高める働きがあり、運動する前にカフェイン入りの飲料を飲むと効率的に脂肪が燃えます。そのため、肥満予防に有効です。このほか、眠気を防ぐ、利尿を促す、消化を促進するなどの作用もあり、強心剤としても利用されます。
コーヒーに含まれるカフェインは、
という働きの特徴があると記載されています。
『あたらしい栄養事典』にはこうあります。
ポリフェノールで肥満と胆石予防に有用
コーヒーに含まれるカフェインが脳の疲労を解消し、意識をスッキリさせることは広く知られています。新たに注目されているのはコーヒーのポリフェノール、クロロゲン酸の健康効果で、肥満予防や胆石を抑制するデータが発表されています。
体内でのおもな働き
- カフェインが眠気を誘う物質のアデノシンを阻害し、脳の働きを高めます。
- クロロゲン酸が脂肪燃焼を促して、肥満や脂肪肝を改善。腸でのコレステロール吸収も妨げて胆石を抑制します。
コーヒーにはカフェインの他に、
という脂肪燃焼物質が含まれていると記載されています。ではこのクロロゲン酸の詳細を更に見ていきましょう。『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
トリプル効果でがんを防ぐ クロロゲン酸
じゃがいもやさつまいもの皮、コーヒーなどに多く含まれる抗酸化物質で、ポリフェノールの一種です。活性酸素の発生を抑える働きがあり、がんなどの生活習慣病の予防に有効です。
つまりクロロゲン酸は、
という特徴を持った物質です。また、コーヒーやお茶には、苦みなどの効果を狙うために『タンニン』という成分が含まれています。『あたらしい栄養事典』にはこうあります。
カフェインやタンニンなどは鉄の吸収を阻害するので、コーヒーやお茶は、食事の前後30分を避けて飲むようにしましょう。
コーヒーに含まれるカフェインとタンニンの両方に、『鉄の吸収を阻害する』成分が含まれているんですね。このコーヒーに含まれる、
といった物質の効果をまとめると、
ということになります。このコーヒーの特性を見て、それがどのように体臭やワキガに関係しているかを考えてみましょう。
まず、『ワキガ臭が悪化する』可能性として考えられるのは、
というところです。まず覚醒作用ですが、眠れなくなって睡眠不足になれば、交感神経が優位になって発汗しやすくなります。
ぐっすりと良質な睡眠をとるだけで自律神経というものは正常化しますから、カフェインの摂りすぎでその睡眠の質が下がれば、自律神経は乱れやすくなり、精神の不安定にも繋がります。
薄毛の記事にも書いたように、L-トリプトファン等が含まれた『バナナ』等を食べることで精神安定の効果を得られますが、コーヒーのカフェイン過剰摂取では、その逆の効果に繋がってしまいます。
ですね。なるべく副交感神経を優位にしたいのです。そうなると、カフェインの過剰摂取は悪影響を与えます。交感神経が優位になるようになれば発汗しやすくなり、ワキガ臭を悪化させやすくなるということです。
また、カフェインは利尿を促すので、それによって水分不足に陥りやすくなります。水分がなくなれば汗が出ないからワキガ臭はむしろ収まると考えがちですが、実際は違います。
下記の記事に書いたように、
汗は体温調節のために、必要だからかき、もし必要ない水分だと判断した場合、汗ではなく尿として出るので、汗を気にして水分をとらないのは危険なのです。また、水というのはデトックスを考える際において、最重要な物質となります。からだにたまる3大毒素は、
ですが、このどれもが体にたまってしまうと、
等の問題が起き、体を不健康状態に陥れます。それに加えて、そうした有害物質をため込んでおくと、
等のニオイ物質も溜まりますから、それが体臭の原因となります。体から水分がなくなってしまうと、体臭の原因となるのです。また、下記の記事に書いたように、
砂糖を代謝して体外に出そうとするとき、大量の水が必要になります。これはアルコールの分解のときも同じことがいえますが、こうして体内で大量の水が使われれば、唾液になるはずの水分も使われることになります。結果、唾液が減少して、口臭の原因となるのです。
コーヒーに砂糖を入れている場合は、余計に水分不足になるわけですね。それを体内で代謝する際に、大量の水が必要になるからです。
また、利尿作用というのはそれだけで『ストレス』です。ストレスというのは自律神経を乱す原因であり、ワキガ臭を悪化させる要因となるのです。
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先ほどの薄毛の記事にも書きましたが、月経のある女性は鉄分が不足気味になるので、鉄の吸収が阻害されるのは問題です。
『あたらしい栄養事典』にはこうあります。
貯蔵鉄の在庫が底をつくといよいよ酸素不足で貧血に
体内で働いている機能鉄が不足すると、蓄えられている貯蔵鉄を取り崩して補います。貯蔵鉄はいわば予備。若干減っても貧血の症状は出ないことが多いのですが、それでも不定愁訴が起きたり、精神的に不安定になったりする場合もあります。
この、
がストレスであり、自律神経を乱す原因であることは説明不要ですね。男性もそうですが、女性は特にこの鉄不足を懸念する必要があり、カフェインとタンニンの過剰摂取によって鉄不足になることは避けたいんですね。
ただ、ここまで見てわかったように、注意するべきなのは『過剰摂取』です。コーヒーに含まれるカフェインには、『脳の疲労を解消し、意識をスッキリさせる』効果があり、リラックス効果もあります。私などは毎朝コーヒーに牛乳を入れたものを飲みますが、まずはニオイを嗅ぎます。その匂いを嗅ぐだけでリフレッシュ効果を得られるからですね。そう考えると、
というコーヒーの効能は、『体臭を抑制する』効果があるということになります。
脂肪燃焼については、冒頭に書いた『欧米食』のことを考えればわかりますし、抗酸化物質であるということは、ニオイの原因をもう一度厳密に考えたときに有効であることがわかります。冒頭に書いた『ワキガ臭が発生する原因と流れ』にある『脂肪分やたんぱく質等が皮膚にある細菌に分解され腐敗臭を放つ』ですが、厳密に言うと、
脂肪分やたんぱく質等が皮膚にある細菌によって酸化・分解され腐敗臭を放つ
ということになります。つまり、酸化を防ぐことはニオイの抑制になるのです。酸化というのはここだけじゃなく、皮脂自体の酸化等、様々なところで行われる現象ですから、それを抑制する効果があるクロロゲン酸は、結果的に体臭の抑制に貢献しているんですね。
そう考えると、『コーヒーを適度に飲むことは体臭を抑制することになるが、過剰摂取することで体臭を悪化させる可能性がある』ということが言えるわけですね。
またこれは余談ですが、下記の記事に書いたように、
『体臭・口臭・便臭 ニオイ対策介護テクニック』ではトイレのニオイケアで『ニオイを弱くする方法』として、こうあります。
水やお茶、コーヒーを張っておく
通常のポータブルトイレに水を張っておくだけでも、ニオイは減少する。そこに、家庭用の漂白剤を少量入れると、より効果的である。水の代わりにお茶やコーヒーを張っておくのもよい。お茶に含まれるカテキンには強力な消臭作用があるので、効果的である。コーヒーの場合は、香りがするのでコーヒーが好きな高齢者には、排泄が楽しみとなるだろう。
介護施設のような複数人が生活する場所でのニオイ対策として、トイレにコーヒーを張っておくことでトイレがコーヒーの良いニオイに包まれ、悪臭対策と同時にリラックス効果を得ることができるということです。
コーヒーというものは使い方を間違えなければ、人間にとってとてもいいリラックス効果を与えてくれるんですね。