『若返りのドリンク』ゴボウ茶がワキガやニキビにも効くって本当?
はい。
ゴボウ茶に含まれる水溶性食物繊維『イヌリン』にはデトックス(解毒)効果がありますから、それがワキガやニキビに有効だと考えられます。しかし、ゴボウ茶ではなくゴボウそのものを食べれば、不溶性食物繊維の『リグニン』もとれますから、あまりゴボウ茶だけに過度な期待はできません。ニキビで言えば、食物繊維は便秘の解消を手伝い、有害毒素の排出を手伝い、腸内細菌の活躍を手伝います。そのすべてがニキビに効果的です。
先生
ハニワくん
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『ゴボウ茶』とワキガ
南雲吉則というドクターが紹介したことで有名になった、『若返りのドリンク』である『ゴボウ茶』ですが、これがワキガにも有効だということなので調べてみました。まずは下記の動画をご覧ください。その先生のお話ですね。ただ、これが公式動画なのかどうかわからないので、いつまであるかはわかりません。
ゴボウ茶を飲むと20歳若返る! Dr.ナグモの奇跡の若返り術
ここで主に言われていることは、ゴボウ茶に含まれる、
- サポニン(抗酸化物質)
- イヌリン(水溶性食物繊維)
という物質が、人を若返らせるということです。そっちがメインですね。たしかに抗酸化物質を摂れば人は若返ります。老化を防ぐ、という意味で若返ることができるんですね。また、水溶性食物繊維を摂れば、便秘等も改善して肌荒れ等も治ります。余分な水分を利尿作用によって出してくれれば、むくみ等も改善します。
若返り、デトックス(解毒)という意味で、このゴボウ茶はとても優秀だと言っていいでしょう。そもそも、ゴボウ自体が体にいいですからね。食物繊維の代名詞のようなものです。
『色の野菜の栄養事典』にはこうあります。
ゴボウの栄養効果といえば、食物繊維が特徴的です。野菜に含まれる食物繊維は、その多くが水に溶けない不溶性に偏っていますが、ゴボウの場合は不溶性(リグニン)と水溶性(イヌリン)の食物繊維をともに多く含んでいる点に大きな特徴があります。
つまりゴボウには、
- リグニン(不溶性食物繊維)
- イヌリン(水溶性食物繊維)
の両方の食物繊維が入っていて、デトックス(解毒)を考える際には最高の食材なんですね。念のため、その両方の食物繊維の特徴を『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』で調べてまとめてみましょう。
- 大腸で水分を吸収して便のかさを増やす
- 便が早く排出されるため、大腸が有害物質にさらされる時間が短くなり、ガン化へのリスクが軽減される
- 便の量が増えることによって、発がん物質の濃度が薄まる
- 積極的に有害物質を吸着して排泄する作用がある
- 腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす
- 噛み応えがあるから噛む刺激によって脳が刺激され、脳細胞が活性化する
- 肥満や虫歯予防にも効果的
- 胆汁酸を吸着して排出し、コレステロールの低減に役立つ
- 動脈硬化、脂肪肝、脳梗塞、心筋梗塞などを予防する
- ナトリウムを排泄し、高血圧の予防にも役立つ
- 血糖値の急激な上昇を抑え、糖尿病を予防する
これが各食物繊維の特徴です。どちらもデトックス(解毒)としての大きな効果を期待できます。不溶性食物繊維の方がイメージする食物繊維に近いでしょうね。便のかさを増して便通を良くします。しかし、胆汁酸を吸着して排出し、コレステロールの低減に役立つ水溶性食物繊維のデトックス効果も大きなものです。
どちらかというと水溶性食物繊維は、『生活習慣病』にとても有効だと言えますね。挙がっている病気のほとんどが生活習慣病と言われているものです。しかし、生活習慣病は『生活習慣』というぐらいですから、日々の習慣が間違っている人は簡単に罹患してしまう病気ですからね。ゴボウの摂取によってそれを同時に治癒できるとなると、心強いと言えるでしょう。つまり、ゴボウ茶だけでなくゴボウそのものでも、デトックスという意味で十分ワキガ臭の対策になります。
先生
ハニワくん
水溶性食物繊維『イヌリン』のデトックス(解毒)効果
下記の記事にも書いたように、
からだにたまる3大毒素は、
- 有害ミネラル(カドミウム、ヒ素、鉛、スズ等)
- 活性酸素
- 有害化学物質(ダイオキシン、環境ホルモン、PCB等)
ですが、このどれもが体にたまってしまうと、
- むくみ
- 肌荒れ
- しみ
- くすみ
- 酵素の働きを阻害する
等の問題が起き、体を不健康状態に陥れます。それに加えて、そうした有害物質をため込んでおくと、
- インドール
- スカトール
- アンモニア
等のニオイ物質も溜まりますから、それが体臭の原因となります。また、体内毒素は、
- 便=75%
- 尿=20%
- 汗=3%
- 爪=1%
- 髪=1%
の割合で体外に排出されるので、ほとんどが大便と小便から出るんですね。ゴボウの食物繊維はその『大便』を促します。これはかなり高いデトックス効果を得られると言っていいでしょう。例えば、ホットヨガや岩盤浴をもし『発汗でデトックス』が目的として行う場合に比べて、圧倒的なデトックス効果を得られますね。
先ほど『イヌリンは不要な水分を利尿作用によって外に出し、むくみ等の改善に役立つ』と言いましたが、尿からの解毒作用も期待できるわけですからね。
このうち、もし『ゴボウ茶』ということになると、不溶性食物繊維ではなく、水溶性食物繊維だけの効果を期待することになります。確かに、イヌリンにはコレステロールを下げる効果がありますから、ワキガ臭が発生する原因を考えたときに、それに役立つということは言えます。ではここで、ワキガ臭が発生する原因と流れを見てみましょう。
この『脂肪分やたんぱく質等が』の部分にはコレステロールも含まれますから、これが抑えられればニオイの原因も抑えることができます。しかし、ことデトックスということで言うなら、どうせなら水溶性、不溶性の両方の食物繊維を摂りたいですね。
この『ゴボウ茶』というのは、あくまでも『ワキガを治すレシピ』ではありませんから、その点に注意する必要があります。あくまでも副作用的に、ワキガにも有効だということなのです。
先生
ハニワくん
『ゴボウ茶』とワキガ
サポニンの抗酸化作用
それであれば、ワキガに特化して考えた場合、やはり両方の食物繊維を摂った方がいいということになります。しかし、ゴボウ茶のもう一つの利点である『サポニン』というポリフェノール(抗酸化物質)は、特に皮の付近に含まれていますから、ゴボウ茶の利点はそのサポニンをたっぷり摂れるということでしょうね。確かに、下記の赤飯の記事にも書いたように、
例えば赤飯の場合は小豆に『大豆サポニン』が含まれています。この大豆サポニンの成分でワキガと関係するのは、
- 強い抗酸化作用がある
- 中性脂肪値を下げる
という部分です。大豆サポニンの強い抗酸化作用によって、酸化作用が抑えられれば、細菌の分解と酸化を防ぐことを期待できます。また、『中性脂肪値を下げる』のも、『皮脂腺からの皮脂』というニオイの原因を考えたときに、ワキガ臭に有効だと考えることができます。
ゴボウを調理する場合、往々にして皮をはぎ取るのが普通です。例えば下記の動画のように、『ゴボウのささがき』の調理法を見ても、『皮をはぎ取りすぎないように注意』とは言っても、皮をはいでしまうのが普通です。
今さら聞けない?ゴボウのささがきのの基本|How to cut burdock レシピ recipe
ただ、下記の動画を見てわかるように、ゴボウ茶となると、皮をそのまま残し、水洗いさえしません。それによって栄養素が取れてしまうので、それを阻止するためなんですね。
しんぞう!流ごぼう茶の作り方 1
基本的に、下記の記事に書いたように、野菜や果物は皮ごと食べることが推奨されています。
先生
ハニワくん
ゴボウ茶の利点は『皮の栄養素ををふんだんに摂れる』こと
また下記の記事に書いたように、
『納豆、酸っぱい、玉ねぎ、ネギ、ポップコーン』臭いワキガってある?体臭の原因と対策
例えば、以下の動画を見てみましょう。
丸ごと玉ねぎスープ
丸ごと玉ねぎスープという題名のレシピで、動画としてもとても見やすくて、おしゃれであり、美味しそうです。しかし、実際にはこのスープに『玉ねぎの皮』は使われていません。見るべきなのは以下の動画です。
【健康茶】電子レンジで簡単にたまねぎ茶を作る方法
正直、見た目は先ほどの動画の方がいいですね。しかし、ケルセチンのことを考えるならこのような調理法が推奨されます。玉ねぎの皮と、白い本体の部分では、ケルセチンの含有量は約30倍も違いますからね。とてつもない差ですね。このケルセチンは、今回の『デトックス(解毒)』ということで考えると、とてつもない力を持っている物質です。それを30倍も多く摂れるのですから、玉ねぎは皮ごと食べたいわけです。
しかし、皮なんてなかなか食べられませんよね。あの茶色い薄いやつのことですからね。しかし動画を見ればわかるように、ゆでてスープにして、それを飲めばそれでいいのです。私などはカレーに入れていますが、コクが出て最高に美味しいですね。美味いし体にいいし、『最強解毒カレー』ですよね。
ですから、このゴボウ茶の利点は『皮の栄養素を(サポニン)をふんだんに摂れる』ということですね。玉ねぎの皮スープなんかと同じ考え方なのです。また、天日干しして乾燥させれば、食感は『ゴボウチップス』みたいな感じになりますから、お茶として飲んだ後、そのゴボウを食べれば結局は不溶性食物繊維も摂れますしね。
また、ゴボウにはクロロゲン酸も含まれています。クロロゲン酸は、
- 脂肪燃焼効果があり、がん、肥満、脂肪肝を改善する
- 腸でのコレステロール吸収も妨げて胆石を抑制する
- 抗酸化物質であり、がんなどの生活習慣病の予防に有効
という特徴を持った物質です。下記の記事にも書いたように、コーヒー等に多く含まれる物質です。
このクロロゲン酸だけを考えても、コレステロールを下げるし、抗酸化物質だし、脂肪燃焼効果があるしで、どれもワキガ臭を抑えるにはうってつけですね。やはり野菜や果物というものは、人間の心身を整えるためのメンテナンスフードです。積極的に摂っていきたいですね。肉やスイーツなんかの糖分と脂質の塊は、無意識にでも食べてしまいますからね。意識としては、常に野菜や果物を食べていきたいところです。
特にワキガ臭を悪化させたくないという人は人一倍意識ましょう。
ワキガの原因となる食べ物とは?『肉食→魚食→??』で対策はバッチリ!
先生
ハニワくん
- ゴボウ茶のサポニンとイヌリンは抗酸化、デトックス(解毒)という意味でワキガ対策になると言えばなる。
- だが、ゴボウそのものにあるリグニンとイヌリンの効果を考えると、ゴボウ茶だけが優れているわけではない。
- ことデトックスということで言うなら、どうせなら水溶性、不溶性の両方の食物繊維を摂りたい。
- 『ゴボウ茶』というのは『ワキガを治すレシピ』ではない。
- 『サポニン』を摂るなら皮の部分を意識してとる。
- ゴボウ茶の利点は『皮の栄養素ををふんだんに摂れる』こと。
- ワキガを治したいなら、肉食を同時にやめることも求められる。
ニキビには効くのか
ゴボウ茶に含まれる水溶性食物繊維『イヌリン』にはデトックス(解毒)効果がありますから、それがワキガに有効だと考えられます。そしてそれはワキガだけじゃなく、ニキビにも有効です。
しかし、ゴボウ茶ではなくゴボウそのものを食べれば、不溶性食物繊維の『リグニン』もとれますから、あまりゴボウ茶だけに過度な期待はできません。ただし、ゴボウ茶は『皮』をふんだんに使います。『サポニン』というポリフェノール(抗酸化物質)は、特に皮の付近に含まれていますから、ゴボウ茶の利点はそのサポニンをたっぷり摂れるということですね。
ただ、それもゴボウを皮ごと食べればいいわけですからね。それができるという人はリグニンのことを考えても、ゴボウをそのまま皮ごと食べるのが一番です。先ほどのレシピ動画を観てみましょう。前者は皮を少しだけ剥いでいるのに対し、後者は『皮ごと』ささがきにしています。そして天日干しをして、ゴボウ茶を作っています。このような手間をかけてふんだんに皮にふくまれるサポニンを摂取できるということを考えると、 ゴボウ茶も『あり』だと考えることはできますね。
それぞれに含まれる食物繊維
ゴボウ茶 | イヌリン、サポニン |
---|---|
ゴボウ(皮なし) | イヌリン、リグニン |
ゴボウ(皮あり) | イヌリン、リグニン、サポニン |
先生
ハニワくん
食物繊維の重要性
この食物繊維の重要性については下記の記事に書きましたが、
食物繊維には、
- 腸内に溜まった余分なものを吸着して、便として外に排出する
- 腸内環境を整える
といった効果があり、有害物質の排出(デトックス)や腸内細菌の応援のために欠かせない栄養素(物質)です。ですから、極端な話、抗生物質も含めたあらゆる有害物質を体内に取り込んでも、食物繊維さえ豊富に摂っていれば様々なトラブルが起きにくい。
『正しい玄米食、危ない玄米食~マクロビをしている人はなぜ不健康そうに見えるのか~』にはこうあります。
アフリカのウガンダの人は大腸がんが少なく、スコットランド人は大腸がんが極めて多いとし、その理由は食物繊維の摂取量に関係していると書かれています。ウガンダの人が1日36~45gの食物繊維を摂るいっぽうで、スコットランド人は1日9gしか摂っていないことがわかりました。
ですから、大便の量が多いということは、それだけ『有害物質を外に排出した』ということ。ウガンダの人は相当な量の食物繊維を摂っていて、実際にそのおかげで病気になりにくいのです。もちろん、だからといって有害物質を人一倍摂っていいということにはなりませんが、この結果は興味深いものです。
食物繊維のすごい効果
- 便の一部となり、便量を増大する
- このため便秘を防ぐ
- 発がん物質や有害菌、有害物質を吸着し、体外に排出する
- 腸をはじめ、消化管の働きを活発にする
- 糖の吸収速度を遅くし、食後の急激な血糖値の上昇を防ぐ
- 唾液の分泌を促す
- 胆汁酸を吸着し、体外に排泄する
- コレステロールの余分な吸収を防ぐ
- ナトリウムの過剰を防ぐ
- 腸内の善玉菌の餌となるため有用菌が増え、腸内環境を改善する
- お腹が満たされるため、過食しにくくなり、カロリー制限できる
- 粘性の食物繊維ほど、小腸に分泌される膵液と胆汁の液や酵素の量を多くする
- 腸の蠕動を活発にし、内容物をすみやかに移動させる(体外に排出しようとする)
- 水溶性食物繊維は短鎖脂肪酸をつくり、これがありとあらゆる良好な働きをする
先生
ハニワくん
ニキビには効くのか
ニキビに効く効果とは
これら食物繊維の効果のうちニキビに効くのは、
- 便秘解消
- 有害物質排出
- 腸内環境の改善
の効果ですね。まずは便秘ですが、詳細は下記の記事に書いたのですが、
まとめるとこうなります。
もう一つの理由がこうです。
まだあります。
つまりこの便秘の問題で先ほどの3つの要素をすべて考えることになるのですが、便秘が解消されることで有害物質の多くは排出され、腸内環境の悪化も改善します。活性酸素の発生を抑え、皮脂腺から有害物質が出ることを阻止することができるため、便秘を解消するだけでニキビの予防と対策に大いに貢献することができるのです。
食物繊維には、
- 水溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維
の2つがありますが、『皮ごと食べるゴボウ』は、イヌリン(水溶性食物繊維)も、リグニン(不溶性食物繊維)も摂ることができるので、ゴボウ茶よりも高い効果を得ることができます。しかし、皮をそのまま食べるのは抵抗があるという人は、このゴボウ茶を食べるといいでしょう。
水溶性食物繊維の特徴
水に溶け、ねばねばゼリー状に膨らむ。このゼリーがコレステロールや胆汁酸を吸着し、腸から入る量を抑える。糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧の予防に役立ったり、ビフィズス菌などの善玉菌を増やして発がん物質などをつくる悪玉菌の増加を抑えるなど、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスをよくする。
腸内フローラって?
不溶性食物繊維の特徴
水に溶けず、水分をたっぷり吸収する。数倍から数十倍に膨れ上がり、腸壁を刺激し、蠕動運動を高め、排便を促す。
両方とも大事な食物繊維です。これらが足りなければ、
- 便秘
- 有害物質蓄積
- 腸内環境の悪化
となるわけですが、それによって引き起こされるのはニキビ等の肌トラブルだけではありません。先ほど挙げた糖尿病等の生活習慣病に加え、心臓病やがんなど、様々な問題の原因となります。そう考えると、ゴボウやゴボウ茶を含めた、様々な食物繊維をたくさんとることを心掛けたいですね。
先生
ハニワくん
ニキビには効くのか
『○○だけ』を食べていたら大丈夫ということはない
『正しい玄米食、危ない玄米食~マクロビをしている人はなぜ不健康そうに見えるのか~』にはこうあります。
巷には『○○を食べれば健康になる』という情報が溢れていますが、『○○だけ』を食べていたら大丈夫か、といえばそんなことはありませんよね。ひとつの食物で、すべての栄養素が補えるわけがないからです。なにより『○○だけ』に偏れば、不足する栄養素が出て来たり、摂りすぎのものが出てくることは明らかです。
ゴボウ茶がいいからといってこれだけを飲んでいても健康になるわけではありません。ゴボウも食べて、ゴボウ茶も飲んで、あるいはワカメやキノコやこんにゃくを食べ、バナナにりんごにキウイを食べ、様々な種類の食物繊維を摂り、それに加えて、野菜や果物をベースにして様々な食材から様々な栄養を摂るのが一番いいのです。
ニキビに効くフルーツ一挙公開!『アセロラ、キウイ、バナナ、アボカド、レモン、イチゴ、みかん、ザクロ』!
野菜ジュースはニキビ対策になる?いや、スムージーにした方がいいです!
先生
ハニワくん
水溶性食物繊維が作る『短鎖脂肪酸』とは
たとえば先ほど『水溶性食物繊維は短鎖脂肪酸をつくり、これがありとあらゆる良好な働きをする』という項目がありました。短鎖脂肪酸の働きはじつに幅広く、健康に深くかかわっています。これが出ないと下記の様々な病気が発生します。
短鎖脂肪酸が出ないことによる病気
- 胆管炎
- 胆管がん
- 胆のう炎
- 胆のうがん
- 膵炎
- 酔眼
- 生活習慣病全般
- 心臓病、呼吸器疾患
- 胃炎、胃潰瘍、食道炎
ですから、水溶性食物繊維を摂ることでこうした病気を予防することに役立ちます。ゴボウ茶にはその水溶性食物繊維のイヌリンが入っていますからね。とても心強いと言えます。
ではここで、『ヤクルト中央研究』の短鎖脂肪酸のページを見てみましょう。
脂肪酸とは、油脂を構成する成分のひとつで、数個から数十個の炭素が鎖のように繋がった構造をしています。そのうち炭素の数が6個以下のものが短鎖脂肪酸と呼ばれ、酢酸、プロピオン酸、酪酸などが含まれます。
短鎖脂肪酸は、ヒトの大腸において、消化されにくい食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が発酵することにより生成されます。生成された短鎖脂肪酸の大部分は大腸粘膜組織から吸収され、上皮細胞の増殖や粘液の分泌、水やミネラルの吸収のためのエネルギー源として利用されます。また、一部は血流に乗って全身に運ばれ、肝臓や筋肉、腎臓などの組織でエネルギー源や脂肪を合成する材料として利用されます。
その他にも短鎖脂肪酸には、腸内を弱酸性の環境にすることで有害な菌の増殖を抑制する、大腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促進する、ヒトの免疫反応を制御する、などさまざまな機能があることが知られています。
やはりこの短鎖脂肪酸がかなりポジティブな作用をもたらすとありますね。しかし、インペリアル・カレッジ・ロンドンで生物学の学士号と修士号を取得したのち、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンおよびロンドン動物学協会で進化生物学の博士号を取得したアランナ・コリンが2016年に書いた『あなたの身体は9割が細菌』にはこうあります。
短鎖脂肪酸の役割
(省略)プロビオン酸は、消化されなかった食べ物を腸のマイクロバイオータが分解するときできる物質、短鎖脂肪酸の一つだ。代表的な短鎖脂肪酸は酢酸、酪酸、プロビオン酸で、どれも私たちの健康と幸福に欠かせない物質の一つだ。
マクフェイブが注目したのは、プロビオン酸は人体に重要な物質であると同時に、パン製品の防腐剤にも使われていることだ。パン製品は、多くの自閉症児が好む食べ物だ。さらに、プロビオン酸を賛成するのはクロストリジウム属の細菌だということが知られている。プロビオン酸そのものは有害な物質ではないが、ひょっとすると自閉症児の体内にはこの物質が過剰にあるのではないかとマクフェイブは考えた。
自閉症児のマイクロバイオータはプロビオン酸を過剰生産していて、そのプロビオン酸がふるまいに影響しているのだろうか。それを確かめるため、マクフェイブは一連の実験に乗り出した。生きたラットの脊柱に小さなカニューレを挿入し、そこから微量のプロビオン酸を脳脊髄液に注入した。
数分後、ラットは奇妙にふるまいはじめた。その場でぐるぐる回ったり、単一の物体に固着したり、突発的に走ったりするようになったのだ。二匹のラットを同じケージに入れてプロビオン酸を注入すると、立ち止まって互いのにおいをかぎあうことをせず、相手を無視してケージの中をぐるぐる走り続けた。ラットのふるまいが変わったのは明白で、しかもそれは自閉症患者のふるまいに似ている。
つまりこういうことです。
このように、実際に多くの人が知っている知識の裏に、隠されたもう一つの真実が眠っている可能性は否定できません。短鎖脂肪酸の増加が自閉症的な症状の原因になっているかどうかは断言されませんが、その可能性は否定できないのです。
食事というのは先ほどの本にもあったように、『○○だけを食べていたら大丈夫』ということはありません。ある食材のある栄養を、ほかの栄養が補って強化したり、補助したりしています。ですから、こと細かく追及していったら、『良いと言われている食材Aは、実は食材Bの存在がなければポジティブな結果をもたらさない』という事実があるかもしれません。
といった事実が存在するかもしれないのです。そういう意味でも、一つの食材にこだわるのはやめた方がいいかもしれません。『バランスよく食べる』という古くからある名言は、至言なんですね。
考え抜かれて見出した名言。間違いなく的を射た言葉。
先生
ハニワくん
- ゴボウ茶に含まれる水溶性食物繊維『イヌリン』にはデトックス(解毒)効果がある。
- ゴボウそのものにも不溶性食物繊維の『リグニン』がある。
- ゴボウ茶は『皮』をふんだんに使うため、特に皮の付近に多く含まれる『サポニン』というポリフェノール(抗酸化物質)をたっぷり摂れる。
- 食物繊維さえ豊富に摂っていれば様々なトラブルが起きにくい。
- 便秘を解消するだけでニキビの予防と対策に大いに貢献することができる。
- 水溶性食物繊維は腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスをよくする。
- 不溶性食物繊維は蠕動運動を高め、排便を促す。
- ゴボウ茶だけを飲んでいても健康にはならない。
- 短鎖脂肪酸が出ないと様々な病気になるが、増加すると自閉症的な症状が出る可能性もある。
- 一つの食材にこだわるのはやめた方がいい。
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