『ニキビ・円形脱毛症』に効く漢方薬はある?
あります。
しかし漢方薬は体質や状況によって使うべきものが決まっていて、一概にこれだとは言えません。例えば円形脱毛症ですが、ピックアップできるのは、以下の漢方薬になります。
一つ一つ見ていきましょう。
Contents|目次
ニキビに効く漢方薬はいろいろあります。漢方薬自体、そう簡単なものではありません。体質によって使うべきものが違いますし、使うタイミングというものもあります。また、漢方や薬と比べて悪影響が少ない方ですが、漢方薬自体が毒ですから、それによって副作用に苦しむ例もなくはありません。
『「からだの不思議」雑学事典 (王様文庫)』にはこうあります。
漢方薬は『体にやさしい』ってこれホント?
私たちは、『体調を良くしてくれたり体を丈夫にしてくれるものであれば、体にいいものなんだろう』と思いがちだ。漢方薬がいい例だ。『漢方薬は体にやさしい』というフレーズをよく耳にする。しかし、それが違うのだ。むしろ、漢方薬は『体に良くないものだから、体からの排出が促進されて健康になる』のである。じつは、漢方薬は毒なのだ。
(中略)排泄というのは人間にとって大切な機能。体にため込まれた老廃物や毒素などがしっかり排泄されると、免疫力が高くなり、体調がよくなる。漢方薬は天日で干されているので、黒くカラカラ乾いている。苦くてまずくて、栄養になるようなものはほとんどない。それを飲むと、体が毒だと判断して、一所懸命排出しようとする。その結果、体にため込まれていた悪いものも一緒に出て、免疫力が高まるというシステムなのだ。
さしずめ、
ということでしょうか。外部から治す治療と、内部から治す治癒の違いというイメージで、わざと『毒である漢方薬』を飲んで、その排泄を促し、体を健康にするのです。
ですから、その毒素によって体調不良を起こすことはあります。『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
漢方薬なら副作用がない?
『漢方薬には副作用がない』というイメージをもっている人がいます。しかし、漢方薬も薬ですから、副作用が起こることはあります。一般に、頻度は低く、副作用のために漢方薬を使えなくなる人はめったにいませんが、注意は必要です。当然、アレルギーが起こる可能性もあります。漢方薬を飲んで、発疹、かゆみ、腹痛、下痢、食用k不振、むくみなど、不都合な症状が現れたり、体の調子がふだんと違うと感じたら、副作用を疑うことも必要です。万一副作用が出ても、たいていは、すぐに薬をやめれば大きな問題にはならないので、飲み続けないで医師や薬剤師に相談して下さい。
漢方薬についての詳細はぺーじ最下部にまとめましたが、少し気を楽にして読んでいる人は、何が何だかわかりません。
漢字がたくさん出てきて、その一つ一つの意味を覚えて、それに見合った漢方薬を服用しなければならないんですからね。例えば『葛根湯が風邪に効く』と言いますが、それは『実証』タイプの人に指定されます。体力があり、病気に対する抵抗力・反応が強い人ですね。そのような体質のタイプを持っている人に葛根湯が推奨されます。つまり、そうじゃないタイプの人には、推奨はされないのです。
面倒ですね。わかりやすく『葛根湯=全員が風邪のひき初めに飲む』という図式であればいいのですが、違うわけですからね。また、漢字もわかりづらいですね。覚えづらい名前の漢方薬ばかりです。例えばEDに効く漢方薬で挙げたものを見てみましょう。
書いているこっちが、書いたそばから忘れますよ。葛根湯と六味丸くらいでしょう。覚えられるのは。このように、漢方薬というのは何かと面倒です。ですから、もしこれらを覚え、カスタマイズするのが面倒だという人は自分で漢方を選ぶのは難しいでしょう。お医者さんが処方してくれることがありますから、それなら楽なんですけどね。
しかも、ニキビに効く漢方薬はいろいろあります。ニキビができる原因を見てみましょう。
ニキビができる原因(内因性)
ニキビができる原因(外因性)
その他
ニキビは一つの原因によって発症するわけではないので、このすべての要素を最適化することが求められます。例えばニキビはアクネ菌の増殖が原因だと長い間言われてきましたが、最近の研究ではそうではなく、例えば『抗生物質』の服用が関係している可能性もあるという説も上がっています。
ニキビを抗生物質で治すと副作用で他の病気になる?~カギを握る腸内細菌~ – Inquiry. |
ニキビの原因はアクネ菌!…というのは本当なのか?知られざる真実とは – Inquiry. |
例えば『冷えると血液が汚れる』とありましたが、これも実はニキビの原因となるのです。『美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール (PHPビジュアル実用BOOKS)』にはこうあります。
また、運動不足や喫煙によって血の流れが滞ると『瘀血(オケツ)』が起こります。瘀血はいわば血行不良です。肌にはニキビや湿疹、シミなどができやすくなります。
美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール (PHPビジュアル実用BOOKS)
この『瘀血』というのは東洋医学の考え方で、簡単に言えば『血の流れが滞る』状態です。身体が冷え、血流が滞ると、血が汚れます。すると、それだけの理由でもニキビや肩凝り、クマ、シミなどの様々な問題が起きるのです。例えばED問題であれば、基本的に、
の効果があるものが有効だと考えられますから先ほどの漢方薬が挙げられますが、ニキビの原因はこれだけありますからね。そのうち、何が原因かもわからない状態で下手に適当な漢方薬を飲んでも、あまり効果を得ることはできないでしょう。もともと効果が抜群に得られるような薬ではありませんからね。
そこで、今回は『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にある『ニキビに効く漢方薬』を参考にして、有効な漢方薬をまとめてみましょう。更に詳しいことは本を読んでいただくとして、ここでは少し簡潔にまとめます。
ニキビに用いられる主な漢方薬
特徴的な症状 | 漢方薬 |
---|---|
白ニキビ、冷え、顔面蒼白、貧血、むくみ | 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) |
水太り、多汗、むくみ | 防己黄耆湯(ぼういおうぎとう) |
赤ニキビ、赤ら顔、のぼせ | 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) |
赤ニキビ、化膿している、赤ら顔、のぼせ | 桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん) |
化膿している、患部が赤くなっている | 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう) |
化膿している、繰り返し起こる | 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) |
化膿している、患部が赤くなっている、便秘傾向 | 治頭瘡一方(ぢづそういっぽう) |
皮膚が浅黒い、慢性化した皮疹 | 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう) |
化膿しやすい、患部が赤くなっている | 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう) |
赤ら顔、のぼせ、便秘 | 桃核承気湯(とうかくじょうきとう) |
一応本にはこうあります。
漢方薬では『荊芥連翹湯』や『十味敗毒湯』がよく使われる
漢方では、体力が中くらいの人で、慢性化して皮膚が浅黒くなっているなら『荊芥連翹湯』が、化膿を繰り返すようなら『十味敗毒湯』がよく用いられます。比較的体力がある人の可能したニキビには『清上防風湯』、体力がない冷え性の人の白ニキビには『当帰芍薬散』など、体力・体質や症状に応じた薬を使って体の内側から治していきます。
自分のニキビの状態、体質、体力などによって細かく使い分ける必要があるんですね。
例えば冷え性の人、体格の良い人、虚弱体質の人等で、また使う漢方薬が変わってきます。下記の記事に書いたように、
ニキビに効く飲み薬は市販で買える?薬がもたらす人体への影響は? – Inquiry. |
基本的にニキビ用の飲み薬というものはほとんど市販薬ではありません。あったとしてもこのような商品です。
商品説明にはこうあります。
<ペアA錠の特長>
「ペアA錠」は、5つの有効成分で新陳代謝を促し老廃物を排出して、繰り返す大人のニキビ・肌あれをカラダの内側から改善する内服薬です。
〔繰り返す大人のニキビに効く処方〕
肌の新陳代謝が低下すると、角質層が厚くなって毛穴を塞ぎ、毛穴の中でアクネ菌が増殖して炎症を起こし、ニキビとなります。
- 肝臓の働きを助ける:グルクロノラクトン
- 肌のターンオーバーを整える:ビタミンB2・B6
- 肌の新陳代謝を促す:L-システイン
- ニキビ・肌あれを改善する:生薬ヨクイニン
- 老廃物の排出を助ける
ここに『生薬ヨクイニン』と出てきましたね。これは漢方薬です。『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
薏苡仁湯(よくいにんとう)
やや慢性化している痛みの改善を目標に
主薬の『薏苡仁』は、体の余分な水分を追い出して筋肉の緊張を取り、痛みをやわらげる働きがあります。(中略)一般に、患部の痛みや腫れがやや慢性化している場合に用いられます。
ニキビ・肌あれを改善するためにこうしたサプリメントにこのヨクイニンが含有されているわけですね。
このようにして、とにかく漢方薬というのは選択肢や種類が多岐にわたり、とても複雑な構造なので、更に具体的なことを知るためには本を買ってしまった方がいいでしょう。ここで覚えるべきなのは、
漢方薬は体質や状況によって使うべきものが違うので、カスタマイズするのにコツがいる
ということです。例えるなら、『オートマ車』と『マニュアル車』でしょうか。西洋医薬がオートマ車で、漢方薬はマニュアル車です。多くの人が面倒だと思って、オートマ車を選びますね。難しいことを考えないで済むからです。しかし、マニュアル車が好きな人もいますよね。また、このように細かくカスタマイズするからこそ、各人に適した最適な治療ができるというのもメリットです。
私などは、健康のことを考えて風邪をひいてもパブロンなどの薬を飲むのをやめたのですが、それでもひきはじめ(特に、鼻の中の物質が液状になったとき)に『葛根湯』を飲むようにしてから、あまり風邪をひかなくなりました。
このようにして、一度自分に合う漢方薬を見つけられれば頼もしいのですが、それまでに時間がかかりますね。種類もたくさんありますから。しかも私自身、その他に推奨されいている、例えば『麻黄湯(まおうとう)』などの漢方薬を飲んだわけではないので、葛根湯が本当に最適なのかはわかりません。
追記:麻黄湯を飲みました。葛根湯との違いがよくわかりませんでしたね。水に溶かした時のねとっとした感じや味などを考えると、葛根湯の方が飲みやすく、効果も同じようなものなら葛根湯の方がいいという感想を抱きました。
しかし先ほども言ったように、細かくカスタマイズするからこそ各人に適した最適な治療ができるわけなので、使いこなせる人からすれば、漢方薬は万能薬と言えるでしょう。私は個人的に、薬の色々な薬害を知ってしまったので、今後はもう漢方薬を使っていきたいと考えています。もちろん、自分の子供が生まれても漢方薬を使ってもらいたいですね。
円形脱毛症は100%ではありませんが、ストレスが原因で起こる自己免疫疾患だと考えられています。円形脱毛症については下記の記事にたっぷりと書きましたので、併せてご確認ください。
さて、それを『漢方薬』で何とか対処できないかと考えてみたとき、どのような漢方薬がふさわしいか調べてみました。 そしてピックアップできるのは、以下の漢方薬になります。
一つ一つ見ていきましょう。
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
- 神経質で精神的に不安定な人に
比較的体力はあるが、神経質で、ささいなことが気になって、抑うつ、不安、イライラ、不眠などがあるような、精神的に不安定な人に用いられる薬です。神経症、不眠症、鬱状態、神経症の心悸亢進、子供の夜泣き、勃起障害などがあるときに処方されます。
ゾウやシカなどの哺乳動物の化石化した骨からつくる竜骨という生薬が入っているこの漢方薬は、精神を安定させる働きがあります。したがって、ストレスが原因で起こる円形脱毛症にはぴったりの漢方薬ということが言えますね。
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
- 不眠やイライラ、子供の夜尿症にも
神経が過敏になることで起こる不眠、イライラ、不安、のぼせ、動機や息切れなどを改善する漢方薬です。神経症をはじめ、ストレスのような精神的な不安が引き起こす男性の性機能の低下や、神経の高ぶりによる子供の夜泣きや夜尿症にも用いられます。眠りが浅い、夢見が多いなどの症状がでている場合にも使われます。
これも同じように、精神安定に効く薬です。柴胡加竜骨牡蛎湯との違いは、『体力がない人』向けだということです。漢方薬は、体力がある、ないで効果が変わってきます。
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
- 女性の不定愁訴に用いられる代表的な漢方薬
”産婦人科の三大漢方薬”のひとつで、月経異常や更年期障害など、女性特有の症状によく用いられます。体力があまりない人で、肩がこる、めまいや頭痛がするなどのほか、のぼせや発汗、イライラ、不安など、不定愁訴といわれる多少な心身の不調に広く用いられます。
これは特に女性の不定愁訴に有効だとされる漢方薬ですね。女性の場合、ホルモンバランスを崩したらFAGAやびまん性脱毛症などの脱毛症を引き起こす可能性がありますから、より一層こうした精神安定には気を配る必要があります。
様々な要素や時期が、女性の心身に影響を与えます。
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
- 不安が招く胃腸の不調も改善
精神的な不安や緊張があると胃腸にも不調が出てきやすいものですが、『半夏厚朴湯』はそうした人にも湯用です。いわゆる神経性胃炎(ストレスによる機能性ディスペプシア)などにも、心身両面に働きかける効果が期待できます。
半夏(はんげ)はカラスビシャクというサトイモの仲間から作られる生薬で、痰を取り除いて吐き気を抑える効果を期待できます。注目したいのは厚朴(こうぼく)で、これはホオノキという香りのよい木の樹皮からつくられているのですが、これが気分を晴れやかにする効果があるのです。
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
小柴胡湯(しょうさいことう)
- 免疫力を高めて元気をつける
『小柴胡湯』は、体力が中くらいで、肋骨の下あたりが張って苦しく(胸脇苦満)口の中の不快感、食欲不振、吐き気、微熱、倦怠感などがある人に用いる薬とされています。
小柴胡湯は基本的に、長引く風邪や胃腸炎などに効くとされているのですが、子供の円形脱毛症に有効だとされています。免疫機能を整えたりする効果があるので、さまざまな病気や症状に効果を発揮します。
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
- 疲労・衰弱している人の気力と体力を補う
全身が弱って、漢方で言う『気』も『血』も著しく不足している人に向く漢方薬です。血行を促したり、滋養強壮作用のある10種類の生薬の配合により、気力・体力を補います。不足を補う『補剤』の代表的な一つです。
疲労倦怠感、貧血、皮膚の乾燥、食欲不振、寝汗、手足の冷えなどの不調があるときに処方されます。
この十全大補湯の、
に有効であるという事実は、髪の毛にとってもいい影響を与えます。下記にあるのがそれについて書いた記事です。
抗生物質等を利用する西洋医学では、病気を治療するとき、標的を絞って行うのが基本です。例えば胃の不調があれば、『胃の不調に効く薬』を出して、その部分だけにフォーカスします。しかし、漢方薬を用いる東洋医学では『心身一如(しんしんいちにょ)』という考え方のもと、心と身体は一つものと考えるので、そのように部分だけにフォーカスせず、『全体の状態』、『体質』を総合的に判断して、その全体バランスを整えることに重きを置きます。
さしずめ、
ということでしょうか。外部から治す治療と、内部から治す治癒の違いというイメージで、わざと『毒である漢方薬』を飲んで、その排泄を促し、体を健康にするのです。
『「からだの不思議」雑学事典 (王様文庫)』にはこうあります。
漢方薬は『体にやさしい』ってこれホント?
私たちは、『体調を良くしてくれたり体を丈夫にしてくれるものであれば、体にいいものなんだろう』と思いがちだ。漢方薬がいい例だ。『漢方薬は体にやさしい』というフレーズをよく耳にする。しかし、それが違うのだ。むしろ、漢方薬は『体に良くないものだから、体からの排出が促進されて健康になる』のである。じつは、漢方薬は毒なのだ。
(中略)排泄というのは人間にとって大切な機能。体にため込まれた老廃物や毒素などがしっかり排泄されると、免疫力が高くなり、体調がよくなる。漢方薬は天日で干されているので、黒くカラカラ乾いている。苦くてまずくて、栄養になるようなものはほとんどない。それを飲むと、体が毒だと判断して、一所懸命排出しようとする。その結果、体にため込まれていた悪いものも一緒に出て、免疫力が高まるというシステムなのだ。
ストレスやうつ病に効く精神安定剤などはたくさんありますが、そうした西洋医学的な薬には、疑問視する専門家も大勢います。例えば、『抗うつ薬の真実』にはこうあります。
この報告を契機に、抗うつ薬、特にSSRIによる自傷他害の出現の可能性が英米を中心に議論されるようになった。さらに海外では、特に若年者を中心に、SSRIやSNRIを服用中の自傷や他害による訴訟問題が次々と起こり、問題となった。それらのケースの共通項として、これまで自殺未遂の既往がなかったこと、服用の開始後比較的初期に起こったこと、多くがプライマリケア医により処方されていたことなどが見出された。
『プライマリケア』というのは、『身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療』のことですが、こうした抗うつ薬を『安易に出したことが原因』で、そうした事態に繋がったといえるわけです。
そうした事実を考えると、『強引な治療』より『自然治癒を促す』方が、自然の摂理にかなっているように見えます。もちろん、漢方薬だからといって副作用がないわけではなく、ときには命にかかわることもあるので安易な判断はできませんが、比較的誰もがすぐに市販で購入できるのを考えてもわかるように、やはり処方されなければ出ないような薬と比べれば、副作用は少ないと言えます。
あるお医者さん一家は、子供も含めて、体調が少し悪くなる前、というタイミングで必ず家族みんなで漢方薬(葛根湯)を飲む習慣をつけているそうですが、そのかいあってか、その一家は風邪知らずの元気で健康的な生活を送っているといいます。薬やシャンプー剤などの有害物質が体内に入ると、そのデトックスをしなければならず、その他の機能、例えば髪の毛を健康に育てるという機能がおざなりになり、それが原因で薄毛になる場合があります。
また、その有害物質を集積される量が排泄機能を上回ると、頭皮下に蓄積されていきますが、この蓄積された不純物は、毛母細胞にとっては完全な毒素であり、髪の成長を阻害するばかりか、深刻な脱毛症をも発症させてしまうことになるので、これらの過剰摂取は厳重に注意しなければなりません。
その点、漢方薬であれば最初から『排泄を促す目的』で服用するということを考えても、害はそうした『治療薬』と比べれば少ないと言えるかもしれません。ただ、薬に関しては素人判断で決めつけるのはよくないので、それを常用する場合は必ず医師に相談してからにしましょう。
2018年6月20日のニュースにはこうありました。
髪の毛などが抜ける「円形脱毛症」。日本皮膚科学会は昨年12月、7年ぶりに改訂した診療ガイドライン(指針)で、ウィッグ(かつら)の使用を推奨し、「治療しないこと」も選択肢にあげた。根本的な治療法がないなか、患者の心身の負担なども考慮し、治療に固執しない考え方があることを示した。
参考
円形脱毛症は治療しなくてもいい 学会が指針改定朝日新聞デジタル
『根本的な治療がない』、『患者の心身の負担なども考慮』とありますね。この脱毛症が精神的負担が原因であること、そして放置していれば治る可能性が高いことがわかるニュースということがわかります。
円形脱毛症に効く漢方薬は書きました。円形脱毛症は、100%ではありませんが、ストレスが原因で起こる脱毛症なので、精神安定を促すような漢方薬がピックアップされています。それら一つ一つが、
などの問題に効果があり、それによって精神安定を促し、心身の負担を取り除き、体調不良を改善するということですね。今回はそうした漢方薬の選び方のポイントについて書いていきます。例えばこのほかにも、『肩こり』にスポットライトを当てれば、薄毛の原因ともいえるわけです。
肩凝りというのは血流不全によって起きる症状ですから、それは結果的に髪の毛にも悪い影響を与えます。下記の記事に書きましたが、薄毛・抜け毛を解消する2大ポイントは毛母細胞の『血行促進』と『栄養補給』ですから、そのうちの血行促進が阻害されるということは、問題視しなければなりません。
ただ、漢方薬というのは『カスタマイズ』が細かいものなので、最初はなかなかどれを選べばいいか難しいものです。例えば肩凝りにも色々種類がありますが、その症状、あるいはその人の体質などによって、投与すべき漢方薬は異なってきます。
『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』にはこうあります。
病気は、全身の働きのゆがみと考える
漢方では、体のどこに現れた病気でも、全身の働きのゆがみから起こると考えます。そして、患者さん一人ひとりの歪み方をとらえるのが、漢方における診断ともいえます。それが『証(しょう)』です。漢方薬は、その『証』に基づいて処方されます。
『証』をみるには、漢方独特の観点に立って病気をとらえます。その基本となるのが『陰・陽』『虚・実』などの概念です。いわば、”証をみるものさし”といったところで、これらに『証』という言葉をつけて、患者さんの状態を表します。
『陰証』といえば、『陰』の状態にあることを、『陽証』といえば『陽』の状態にあることを意味しています。
少し気を楽にして読んでいる人は、何が何だかわかりませんよね。
漢字がたくさん出てきて、その一つ一つの意味を覚えて、それに見合った漢方薬を服用しなければならないんですからね。
出典:『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』
これを覚えるのだけでも一苦労ですからね。ですから、ただの肩凝りといっても下記のように、それぞれの『証』によて服用すべき漢方薬は違ってくるのです。
証 | 実 |
---|
証 | 虚 |
---|
証 | 水滞:虚 |
---|
証 | 瘀血:虚証 |
---|
証 | 瘀血:虚実間 |
---|
証 | 瘀血:実 |
---|
証 | 血虚:虚実間 |
---|
証 | 血虚:虚実間 |
---|
出典:『NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版』
ただの肩凝りと言っても、これだけの種類を使い分ける必要があり、案外漢方薬は複雑で、覚えるのが一苦労なんですよね。
ただ、先ほど説明した、
という自分の『証』さえ最初に把握してしまえば、その数ある漢方薬の中から自分に合ったものをすぐにピックアップできるようになります。例えば、『陰証=寒がり』で、『陽証=暑がり』ですから、これはどちらか一方に偏りますよね。また、『虚証=体力がない人』で、『実証=体力がある人』ですから、これもどちらか一方に偏ります。
例えば症状が風邪のときは、『陽証・実証』である人は、『麻黄湯(まおうとう)』が向いています。また、『陽証・虚証』である人は、『桂枝湯(けいしとう)』が向いています。そして、『陰証・虚証』である人は『麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)』が向いています。
このようにして、自分の『証』をあらかじめ理解しておけば、自分に合った漢方薬が見つけやすいので、あらかじめまず最初にそれを把握しておくのがいいでしょう。肩凝り以外にも、
等に効く漢方薬はたくさんあります。そのどれもが薄毛と何らかの関係性があるので、漢方薬でそれらを改善したい場合は、一度自分の『証』に合ったものを調べてみるのがいいでしょう。