ニキビを冷やすと治りが早くなる?
冷やすにも色々ありますが、答えはNOです。
ニキビを冷やすとしたら以下のようなことが考えられますが、
そのようなことを推奨する専門家はいません。
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ニキビには段階があります。専門家によって段階は別れていますが、『ニキビのことならまかせなさい』(光文社)の著者の場合、1~5までの段階をつけていて、下記のようになっています。
『医師によるニキビ・ニキビ跡・毛穴の開き完全治療マニュアル―ニキビは皮膚病の一種です!!』の著者ならこうですね。
基本的にはこのような段階がつけられています。中でも赤ニキビの説明はこうなります。『ニキビが悪化すると毛穴の中に溜まった皮脂に細菌が繁殖し、皮膚が炎症を起こしてニキビの表面が赤く見える状態。これがさらに悪化すると膿を持ち始める。』つまり、炎症を起こしてニキビが悪化している状態ですね。白・黒・赤というのは通称であり、正式名称は以下の通りです。
ニキビの症状
症状 | |
---|---|
面皰(コメド) | 毛穴に皮脂が詰まって出来る粟粒ほどの硬い皮疹。白・黒ニキビ。 |
丘疹(きゅうしん) | コメドのできた毛嚢にさらに皮脂が溜まり、脂腺が壊れた状態。 |
膿疱(のうほう) | 周囲の赤みがひどくなった状態。赤ニキビ。 |
膿腫(のうしゅ) | 皮膚の深部にできるもの。『結節(けっせつ)』とも言う。硬いしこりになっていて、押さえると痛む。 |
ニキビ痕(アクネスカー) | 膿疱や膿腫をきれいに直さないと、色素沈着や皮膚陥没が起こる。 |
『素肌美人になれる 正しいスキンケア事典 (基本の美容シリーズ)』にはこうあります。
突然に見えるニキビもじつは段階を踏んできた
(省略)この、表面に見えていない時期からケアすること、すなわち『予防』が、ニキビケアの最重要事項。ニキビができてから、つまり噴火してしまってから治すのは、より大変になるからです。
癌もニキビも、あらゆる病気で一番大切なのは予防です。そして、最低でも『なるべく初期段階で治す』ことが最も重要なニキビケアとなります。では、こうした炎症を起こす前、あるいは起こした後に(白・黒・赤ニキビのときに)、患部を冷やす行為は推奨されるでしょうか。炎症しているわけですから冷やすのは効果がありそうですよね。
しかし、基本的に専門家で『ニキビを冷やすべき』だと説明する人は一人もいません。ニキビを冷やすとしたら以下のようなことが考えられますが、
そのようなことを推奨する専門家はいないのです。まず、『ニキビ・トラブル肌は諦めないで私にまかせなさい』にはこうあります。
ニキビに不潔は大敵です。清潔にして、油分を含んだものを塗ったりしないようにしましょう。ただし、洗顔が大事だからといっても、頻繁に顔を洗えばよいというものでもありません。頻繁に洗うと皮脂がとれすぎて、肌が乾燥してしまいます。肌の脂の出方を見ながら、適度な洗顔を心掛けることが大切です。
基本的に、
はNGです。
といった問題を引き起こすからです。
あるいは皮脂が過剰に洗い落とされる。
抜け毛が増える原因はシャンプー剤にあり?発展した日本にある裏事情 – Inquiry. |
しかし同時に、『念入りにすすぎをしない』こともまたNGですね。すすぎ残しがあるとシャンプー等の余分な物質が皮膚に残り、このような皮膚炎の原因となってしまうかもしれません。ニキビ同様に毛穴汚れをしっかり洗い落とすこと、
毛穴が汚れているとニキビができる原因は?予防法と対策をしっかり学ぼう – Inquiry. |
ボディシャンプーではなく石鹸を使うことも重要なポイントです。
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しかしとにかく、洗顔をしすぎると皮脂が過剰に分泌され、ニキビの原因となります。また、『医師によるニキビ・ニキビ跡・毛穴の開き完全治療マニュアル―ニキビは皮膚病の一種です!!』にはこうあります。
間違った洗顔をしていませんか?
(省略)たとえば、朝起きたとき、冷たい水道水でピシャピシャと顔の表面をなでるだけといった洗顔をしていませんか。ノーメイクのときも濃いメイクをしたときも同じような洗い方をしていませんか。あるいは、洗顔ブラシやナイロンタオルでゴシゴシと肌をこすっているのではないでしょうか。遅い時間に帰宅して、めんどうくさいから顔を洗わずに寝てしまうことがよくあるという人もいるかもしれません。
このような方法では、どんなに高価な化粧品を使ったとしても意味がありません。きれいになるどころか、、ニキビは次々とできるでしょうし、でこぼこしたニキビ痕をいくつも作ってしまいかねません。
つまり、
という事実に当てはまるような人は、『洗顔方法』というだけで、すでにニキビを悪化させる生活習慣が身についているということになります。正しい洗顔をするためには、以下の6つのポイントを押さえることが必要です。
このうちのいずれかを怠っている場合は、無意味な刺激、皮脂の増加等の理由により、ニキビの原因、あるいはニキビが悪化する原因を作っていることになります。
例えばぬるま湯についてですが、そうすることによって皮膚が温められ、毛穴が開き、毛穴の中にある余分な皮脂も出ていきやすくなります。また、古くなった角質も柔らかくなり、はがれやすくなるんですね。しかし、冷たい水を使うと毛穴が収縮するので、余分な皮脂が毛穴の中に詰まったままになりがちですから、それはニキビの原因となるのです。
ニキビに有効な洗顔は?ピーリング、酵素洗顔、間違った方法とは何か – Inquiry. |
それからエアコンです。『ニキビのことならまかせなさい』(光文社)にはこうあります。
空調が効きすぎたオフィスは、ニキビにとって大敵です。
(中略)例えば夏、私たちの身体はホルモンの働きが活発になり、本来、皮脂の分泌が高まるシーズンです。(中略)ところが、オフィス内の冷房が強く効いてくると、皮膚表面の温度が下がり、毛穴が閉じてしまいます。すると活発に分泌される皮脂は出口の前で詰まり、ニキビの引き金になってしまいます。
『冷たい水』だけじゃなく、『冷たい風』も問題になります。ですから、汗をかいていて暑いから、さっぱりしたいから、あるいは炎症を鎮めたいからと言って、
等の行為をすると、毛穴が収縮し、余分な皮脂が毛穴の中に詰まったままになり、ニキビの原因を作ってしまう可能性があるということなのです。ですから、『氷をあてる』行為もこれと同じようなことだと言えるわけですね。
汗はニキビの原因?汗+様々な汚染物質(埃、細菌等)=ニキビ悪化の原因 – Inquiry. |
また実は、『体を冷やす』こと自体に問題があります。
冷えはニキビの原因になる?血の流れが滞ると『瘀血(オケツ)』になる – Inquiry. |
この記事には、『冷えると血液が汚れる』とありますが、冷えもニキビの原因となります。『美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール (PHPビジュアル実用BOOKS)』にはこうあります。
また、運動不足や喫煙によって血の流れが滞ると『瘀血(オケツ)』が起こります。瘀血はいわば血行不良です。肌にはニキビや湿疹、シミなどができやすくなります。
美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール (PHPビジュアル実用BOOKS)
この『瘀血』というのは東洋医学の考え方で、簡単に言えば『血の流れが滞る』状態です。身体が冷え、血流が滞ると、血が汚れます。すると、それだけの理由でもニキビや肩凝り、クマ、シミなどの様々な問題が起きるのです。こうした症状は、漢方薬によっても治療できるので、下記の記事にまとめた漢方薬についてもチェックしてみましょう。
とにかく、冷えだけではなく、喫煙や、水分不足になると『瘀血』状態になり、血の流れが滞ります。血流が悪くなるんですね。するとそれが原因で十分な角質細胞間脂質や天然保湿因子がつくられず、バリア機能の弱い肌になり、ニキビ等の問題を引き起こすことになります。ですから、タバコを吸うこともニキビの原因となります。
タバコはニキビの原因になる?喫煙がもたらす8つの美容悪化効果 – Inquiry. |
オロナイン、マキロン、歯磨き粉、目薬、ニキビに効くと噂されている対策はいろいろありますが、どれも専門家が推奨している方法ではないので、むやみに素人判断で行わないようにするのが賢明です。
また、逆に『温める』という行為ですが、『毒だらけ 病気の9割はデトックスで防げる』にはこうあります。
温めるという行為は、汗を出すだけでなく、血流をよくし、全身からの有害物質を回収するのに役立ちます。また、リンパの流れもよくなるため、白血球を局所に運ぶことができ、有害物質の処理をしてくれます。循環をよくすると、酸素も栄養も行き渡り、局所での代謝を高めてくれます。
たとえば入浴という行為をまとめるとこうなりますね。
デメリット
メリット
下記の記事で入浴とニキビについての理解も深めましょう。
ニキビは温泉やお風呂で治せる?入浴剤の効果や効能の効き目は? – Inquiry. |
『ようこそ!私のニキビクリニックへ―さあ、お入りください。ニキビ完治への最後のドア…』にはこうあります。
コメドも炎症も、酸化が原因
(省略)昔は、このたまった皮脂がニキビの原因だといわれ、皮脂の分泌の盛んな人ほどニキビができやすいと思われていました。たしかに脂性肌の人は、ニキビのできやすい傾向にあります。しかし皮脂の分泌のが多いとか、皮脂がたまっただけではニキビにはなりません。この皮脂が酸化されて遊離脂肪酸や過酸化脂質になると、問題を起こすようになるのです。
遊離脂肪酸に変わった皮脂は、まわりの皮膚細胞を刺激してニキビの一歩手前であるコメドを作ります。そしてそのコメドに炎症を起こし、更に悪化させるのが過酸化脂質なのです。脂性肌の人がニキビになりやすいのは、皮脂の分泌が多いために皮脂が毛穴に詰まりやすく、酸化される機会が多いためです。
コメドやニキビの炎症は、『活性酸素』による『酸化』が原因です。炎症を鎮めるためには患部を直接冷やすのではなく、『抗酸化物質』を摂取することが有効です。
『美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール (PHPビジュアル実用BOOKS)』にはこうあります。
抗酸化作用のある食品を摂り、肌老化を防ぐ
抗酸化作用とは、体内の活性酸素を除去する働きのこと。活性酸素は反応性の強い酸素の一種で、さまざまな体内の活動にともなって副産物として生まれるもの。有効な働きももつのですが、増えすぎると体内で細胞を傷つけ、老化を促したり、がんの原因となったりするといわれています。肌にとっても、シミやシワなどの肌老化を促し、肌荒れ、ニキビなどを引き起こす原因に。
抗酸化作用のある食品は色々ありますが、ビタミンの中で最も抗酸化作用が強いのは『ビタミンACE(エース)』です。例えば、
が挙げられます。したがって、『ビタミンACE(エース)』が含まれている食材に目を向ければ、ニキビケアに役立つ情報を見つけることができます。また、野菜や果物のカラフルな色素には、活性酸素の除去に役立つポリフェノール等の抗酸化物質がたくさん含まれています。例えば、
と、それぞれ抗酸化力を持っています。患部を直接冷やすくらいなら、これらの『抗酸化物質』を摂取した方が遥かに高い効果を得られるということですね。そしてそれと同じくらい、いやそれ以上に『睡眠』も必要になります。
睡眠不足がニキビの原因?その通り、とても大きな原因の一つです! – Inquiry. |
『アイシング』が必要な場面は、運動後の筋肉に対してですね。『トップアスリートが実践している 最強の回復法』にはこうあります。
運動後すぐに行う『アイシング』が重要
(省略)陸上選手にしてもサッカー選手にしても、運動して疲労した後は軽くストレッチをしてクールダウンし、その後、冷水シャワーを浴びたり、水風呂に入ったりします。また、疲労したふくらはぎなどの筋肉を氷で冷やします。いわゆる『アイシング』ですが、こうすると毛細血管が収縮し、炎症や出血が抑えられるうえ、細胞の代謝レベルも下がるので、疲労回復がスムーズに進むのです。
同じ炎症でも、ニキビの炎症の原因は『活性酸素』が原因の『酸化』ですから、やけどや筋肉痛と同じように考えることはできないということですね。