美肌菌ってなに?
簡単に言うとニキビができにくくする菌です。
皮膚には皮膚常在菌が無数に生息しています。これには十数種類があり、そのなかで代表的なものは『表皮ブドウ球菌』です。これは皮脂や汗を栄養源として適度に繁殖しながら細菌バリアを形成し、有害な菌の侵入を防いでいます。また、皮脂を分解して弱酸性に保つことで、病原菌が繁殖できないようにしています。
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人間の体には常に常在菌が棲みついています。しかし、そのほとんどを人間は認識でていません。生活に支障があれば害があり、私たちはその菌を敵視することになりますが、別にそれらの菌が常在することで、特に生活に支障がないわけですね。つまり、それらの菌は『善玉菌』としての役割を担っているわけです。良い働きをしてくれているので健康に害はなく、むしろ益となっていることがわかります。
皮膚には皮膚常在菌が無数に生息しています。これには十数種類があり、そのなかで代表的なものは『表皮ブドウ球菌』です。これは文字通りブドウの房のような形をしており、皮脂や汗を栄養源として適度に繁殖しながら細菌バリアを形成し、有害な菌の侵入を防いでいます。また、皮脂を分解して弱酸性に保つことで、病原菌が繁殖できないようにしています。
しかし、過剰な洗浄によって皮脂を落とし過ぎると、同時にこれらの常在菌も剥がし落とすことになります。そうすると、これらの菌が担っていた事実がおざなりになることは明白。つまり、病原菌が繁殖しやすくなってしまうわけですね。
それは、『肌のバリア機能を破壊するもので最も代表的なのは『界面活性剤』』の記事でも書いた様に、シャンプー剤についても同じ考え方の注意が必要です。そして病原菌が繁殖しやすくなってしまうというとどうなるかというと、『ニキビ』の発生が促進されてしまうわけです。
肌のバリア機能を破壊するもので最も代表的なのは『界面活性剤』 – Inquiry. |
更に、間違った洗顔は逆にニキビや肌荒れの原因になります。『ようこそ!私のニキビクリニックへ―さあ、お入りください。ニキビ完治への最後のドア…』にはこうあります。
一日に4回も5回も洗うと、逆に皮脂の分泌を促し、ニキビをできやすくします。皮脂の分泌が正常な状態では、洗顔後、皮脂は失われますが、その皮脂を補おうと、脳から皮膚を分泌する指令が出ます。そこで一時間もすると皮脂は補われて、しっとりとしてきます。ところが何回も洗顔すると、そのたびに皮脂を分泌する指令が出され、逆に脂っぽくなってしまうのです。
つまり、身体を洗いすぎると、皮膚にある善玉の常在菌を殺し、あるいは皮脂が過剰に洗い落とされます。すると、皮脂が身体を保護しようと逆に皮脂を過剰分泌したり、あるいは細菌が分解する脂肪酸が増加します。それが、薄毛、体臭、そしてニキビの原因となるのです。
あるいは皮脂が過剰に洗い落とされる。
抜け毛が増える原因はシャンプー剤にあり?発展した日本にある裏事情 – Inquiry. |
ここでいう『美肌菌』とはつまり、この善玉常在菌。『表皮ブドウ球菌』らのことを示すわけですね。こう考えればわかりやすいでしょう。
各菌への考え方
善玉常在菌(美肌菌) | 警備隊 |
---|---|
病原菌・悪玉菌 | 犯罪者 |
体を荒らす犯罪者から守ってくれる警備隊の役割を担っているのが、この美肌菌(表皮ブドウ球菌)なのです。彼らがいないと肌が荒れる。したがって、彼らを『美肌に欠かせない菌』と考えて、美肌菌と名付けた人がいるということですね。それであれば、この善玉常在菌は顔の皮膚だけに存在するわけじゃありませんから、こと薄毛問題で考えたときは、『美髪菌』となるわけです。
皮膚の住民
常在菌 | 表皮ブドウ球菌、コリネ桿菌、ミクロコッカス属、酵母菌、アクネ桿菌 |
---|---|
通過菌(インベーダー) | 黄色ブドウ球菌、緑膿菌、ストレプトコッカス菌 |
ニキビの原因はアクネ菌!…というのは本当なのか?知られざる真実とは – Inquiry. |
さて、今回はこれを『美肌菌』として考えますが、この美肌菌をはがし落とさないように意識して生活することがニキビの予防と対策にとって必要なことです。そのためには今言ったように、『過剰な洗顔』もNGですが、洗顔そのものにも注意点があります。『医師によるニキビ・ニキビ跡・毛穴の開き完全治療マニュアル―ニキビは皮膚病の一種です!!』にはこうあります。
間違った洗顔をしていませんか?
(省略)たとえば、朝起きたとき、冷たい水道水でピシャピシャと顔の表面をなでるだけといった洗顔をしていませんか。ノーメイクのときも濃いメイクをしたときも同じような洗い方をしていませんか。あるいは、洗顔ブラシやナイロンタオルでゴシゴシと肌をこすっているのではないでしょうか。遅い時間に帰宅して、めんどうくさいから顔を洗わずに寝てしまうことがよくあるという人もいるかもしれません。
このような方法では、どんなに高価な化粧品を使ったとしても意味がありません。きれいになるどころか、、ニキビは次々とできるでしょうし、でこぼこしたニキビ痕をいくつも作ってしまいかねません。
つまり、
という事実に当てはまるような人は、『洗顔方法』というだけで、すでにニキビを悪化させる生活習慣が身についているということになります。正しい洗顔をするためには、以下の6つのポイントを押さえることが必要です。
このうちのいずれかを怠っている場合は、無意味な刺激、皮脂の増加等の理由により、ニキビの原因、あるいはニキビが悪化する原因を作っていることになります。例えばぬるま湯についてですが、そうすることによって皮膚が温められ、毛穴が開き、毛穴の中にある余分な皮脂も出ていきやすくなります。また、古くなった角質も柔らかくなり、はがれやすくなるんですね。
しかし、冷たい水を使うと毛穴が収縮するので、余分な皮脂が毛穴の中に詰まったままになりがちですから、それはニキビの原因となるのです。更に詳しくニキビに効く洗顔方法を下記の記事に書きましたので、併せてご確認ください。
ニキビに有効な洗顔は?ピーリング、酵素洗顔、間違った方法とは何か – Inquiry. |
記事にも書いたように、洗顔料には、
とありますが、専門家が推奨するのは断然『固形石鹸』です。この問題には、下記の記事で再三再四考えたのですが、『合成界面活性剤』という成分が関係しています。
ニキビに必要なスキンケア(肌断食)
例えば、『落ちないメイク』などを落とすためにクレンジング剤を使っている人が見るべきなのは、以下の流れです。
クレンジング剤や洗顔料に含まれている合成界面活性剤は、肌のバリア機能を破壊します。すると、その破壊された部分に化粧水や保湿液が入り、一時的には保湿ができるのですが、バリアがないわけですから、すぐに蒸発してしまいます。するとすぐに乾燥し、逆に乾燥肌になるわけです。また、バリア機能がないため、ニキビにもなりやすくなるんですね。
ファンデーションやベースメイクでニキビを隠すと悪化する?~クレンジング剤のリ… – Inquiry. |
しかし、固形石鹸であればこの問題を解決します。合成界面活性剤が含まれていないからです。合成界面活性剤の害悪性を説く専門家は実に多くいますが、その人たちは皆口をそろえて、固形石鹸の有効性を説きます。
ニキビに一番効くのは『石鹸』?唯一安全性が認められている洗浄剤の効果 – Inquiry. |
詳細は上記の石鹸の記事に書きましたが、つまりこういうことです。
石鹸も『界面活性剤』の一種ですが、『合成界面活性剤』とは一線を画す存在です。石鹸も合成界面活性剤も使用後どんなに洗い流しても皮膚に残りますが、合成界面活性剤は皮脂や角質層に溶け込み、皮脂や角質細胞間脂質を流失させ続けます。
しかし石鹸の場合、皮膚の酸性物質(油を洗い流す力)で中和され、界面活性剤が失われるので安全です。また、石鹸使用後は『バニシングクリーム(脂肪酸)』という物質になり、皮脂の減少した皮膚を守ります。
したがって、洗顔・洗体は石鹸を使って洗浄することが強く推奨されているんですね。『保湿とUVケアだけが美肌を作る』にはこうあります。
『使い勝手がいい』=『肌にいい』ではありません。むしろ使いやすい、使い心地がいいものは、そう思わせるために成分が操作されていることもある。このことをわすれないでください。
この決定的な事実を忘れないようにしましょう。更に言うと私が使っていた石鹸はここでいう『使い勝手がいい(使い心地がいい)』タイプでしたが、調べたら合成界面活性剤が入っていました。合成界面活性剤を使い、肌に穴を掘ることでその『実感できる成分』を一時的にその穴に入れられるので、どうしても企業側は合成界面活性剤を入れたいのです。人々は実感を大事にしますからね。
なんかいい感じ!
肌もすべすべするし効いてる気がする!
というそれらの実感を頼りに、商品の価値を決めてしまうことがあります。合成界面活性剤等の有害物質が入っているかどうかを調べるサイト『美肌マニア』で調べると、合成界面活性剤や防腐剤が入っているかどうかがわかりますので、調べてみるといいでしょう。
合成界面活性剤が入っていない石鹸やスキンケアグッズについては、先ほどの各記事にて紹介していますので、併せてご確認ください。
実は、この美肌菌(常在菌)についての話はまだまだ奥があります。『アトピーは合成洗剤が原因だった! (危険警告Books)』にはこうあります。
破壊される防御システム
(省略)消化管内にかぎらず、私たちのこういった部位にも無数の細菌類は存在しており、一人の人間には、トータルしておよそ100兆個を超える細菌が常在しているといわれます。その被害をこうむることなく、私たちが無事に健康を保っていられるのは、それぞれの部位で活躍する局所免疫機構のおかげといってもいいのです。この機構が存在しなければ、おそらく人間は今日まで存在しえなかったでしょう。最近、ウイルス、カビ、そして外界のさまざまな有害物質に取り囲まれながらも、それらと共存できるシステムを身につけてきた生物の歴史は、まさしく環境に適応しながら進化を遂げてきた証といえるのではないでしょうか。
前述の表皮の項目で、私たちの皮膚の表面では、皮脂と呼ばれる脂や、『そのほかの分泌液』が毛孔と汗腺から絶えず分泌され、幕のように全身の表皮をおおい、皮膚を守ってくれているのだと述べました。実は、種明かしをすればこの『その他の分泌液』というのがほかでもない、消化管で産生されているのとまったく同じ分泌型IgAという免疫グロブリンなのです。
ここに出てきたキーワードは、
この『分泌型IgA』という免疫グロブリン(抗体)もまさに、冒頭で考えたように『警備隊』の役割を担っています。体内や対外には、
などがありますが、それらのうち、無害なものは通過させ、有害なものは排除するという役割を担っているのがこの『分泌型IgA』なのです。やっていることはまさに警備隊そのものですね。まるで、重要な場所に出入りする人の素性を厳重にチェックする、彼らのような仕事をしているわけです。ここで考えた『合成界面活性剤入りのスキンケアグッズ』は、
といった、あらゆる『バリア機能』を破壊してしまいます。この本では『石鹸も危ない』と言っているほどです。アトピー性皮膚炎等に悩んでいる人は、もしかしたら石鹸すら考え直した方がいいかもしれません。ですから、人間が守るべきなのは美肌菌だけではないのです。そのことを忘れないようにしましょう。
インペリアル・カレッジ・ロンドンで生物学の学士号と修士号を取得したのち、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンおよびロンドン動物学協会で進化生物学の博士号を取得したアランナ・コリンが2016年に書いた『あなたの身体は9割が細菌』にはこうあります。
私たちは微生物と共に進化した
地球に生命が誕生したときから生物種は互いを利用しながら生きてきて、なかでも微生物は意外なところで命をつないできた。微小なサイズの微生物にとって人をはじめとするほかの生き物の体内は、単なるニッチというだけでなく、生活圏あるは生態系そのもので、そこにコロニーを築く機会に満ちている。人体という惑星は絶えず変化している。潮の満ち引きのような周期的なホルモンの変動があり、年を重ねるごとに景色を変えるこの惑星は、微生物にとってエデンの園だ。人は人になるまえから、いや哺乳類になる前から、微生物と共進化してきた。ショウジョウバエだろうとクジラだろうと、動物の体内には微生物による別の世界が広がっている。体内にいる微生物と聞くと病気を引き起こすものと考えがちだが、微生物に棲み処を提供することには大きな見返りがある。
美肌菌も含めた『警備隊』は、我々からの援助を求めています。そしてそれは我々も同じなのです。目に見えないレベルで間違いなく彼らは我々(自分たち)のために戦っています。遥か昔から共存共生してきた私たちの連携を強く意識し、『たかだが50年程度の時間で流行したもの』なんかによってその信頼関係を崩してしまうことがないように、人間側が知恵を持ってこの問題を解決しなければなりません。