口臭の原因は?
『口臭の原因は○○だ!』と簡潔にまとめられたらいいのですが、そうもいきません。
生理的口臭には以下のようなもの、
病的口臭には以下のようなものが挙げられますが、
口臭の原因と種類はたくさんあるのです。ただその中でも強いて挙げるなら、
が最もポピュラーな口臭の原因なるでしょう。
Contents|目次
『口臭の原因は○○だ!』と簡潔にまとめられたらいいのですが、そうもいきません。口臭の原因と種類は以下のようにまとめられます。
生理的口臭
呼称 | |
---|---|
一般的なもの | 加齢性、起床時、空腹時、緊張時、疲労時など |
ホルモンの変調などに起因するもの | 妊娠時、月経時、思春期、更年期など |
嗜好物・飲食物・薬物によるもの | ニンニク、アルコール、薬物(活性型ビタミン剤)など |
病的(器質的・身体的)口臭
呼称 | |
---|---|
歯科口腔領域の疾患 | 歯周炎、特殊な歯肉炎、口腔粘膜の炎症、舌苔、悪性腫瘍など |
耳鼻咽喉科領域の疾患 | 副鼻腔炎、咽頭・喉頭の炎症、悪性腫瘍など |
全身(内科)疾患 | 糖尿病(アセトン臭)、肝疾患(アミン臭)、腎疾患(アンモニア臭)など |
つまり、結構な原因があるわけです。ですから、一口に『口臭』と言っても、その原因が何なのか、どんなニオイなのか、ということでその対策や解決策は全く異なるんですね。これが例えばワキガであれば『アポクリン線の切除』という対策によって解決します。
ワキガを完全に治す方法を教えてください(体臭多汗Q&A 3)
動画では、
アポクリン腺は手術をすれば、完全に、100%取れる。ただ、アポクリン腺には根っこがあり、それを残すので再発する可能性がある。だから、根こそぎ完全にとれば、ワキガ臭は完全に、永久的に取れる。ついでに多汗症も治る。
と言っていて、再発の可能性もないと断言しています。手術痕が残りますが、それでワキガの問題は解決するわけです。しかし口臭の場合は違います。『ワキガ=アポクリン線』のように原因は単純ではなく、原因がこれだけありますから、例えば病気などで口臭が出ていた場合は、いくら歯の掃除をしたところで治らないんですね。ですからまずはその口臭の原因が何であるかを知るところから始める必要があります。
しかし、口臭も含めた人の体臭というものは、本当に様々な種類があります。先ほども『病的口臭 』として『アンモニア臭』等の例を出しましたが、例えば『ニオイをかげば病気がわかる』には『病気のニオイ』として、口臭も含めた体臭について、以下のような表をまとめています。
病気のニオイ
糖尿病 | 甘いニオイ |
---|---|
黄熱病 | 血なまぐさいニオイ |
壊血病 | 生ごみのニオイ |
腸チフス | 焼きたてのパンのニオイ |
ジフテリア | ひどく甘ったるいニオイ |
ペスト | リンゴの腐ったニオイ |
コレラ | 腐敗性バクテリアのニオイ |
はしか | 生臭い鳥の羽のニオイ |
痛風 | 古いビールのニオイ |
胃腸病 | 卵の腐ったニオイ |
腎炎 | アンモニアのニオイ |
フェニールケトン尿症 | かび臭い |
メープルシロップ尿症 | メープルシロップの甘いニオイ |
イソ吉草酸血症 | チーズのニオイ |
メチオニン代謝不能 | ゆでたキャベツのニオイ |
魚臭症候群 | 魚臭いニオイ |
自律神経失調症 | 炊き立てのご飯のニオイ |
統合失調症 | トランス-3-メチル-2-ヘキセン酸の刺激臭 |
緊張型分裂症 | 枯れた草のニオイ |
消化器系の障害 | すっぱいニオイ |
肺機能の障害 | 肉の腐ったニオイ、むかむかするニオイ |
心肺機能の障害 | 焦げ臭いニオイ |
肝機能の障害 | ネズミ臭 |
腎機能の障害 | おしっこのニオイ |
加齢臭 | 脂臭いニオイ |
更には、お酒を飲んだら口臭が酒臭くなりますし、タバコを吸ったらタバコのニオイが出ます。コーヒーもそうですね。先ほどあった生理的口臭の『嗜好物・飲食物・薬物によるもの』にもあったように、
等の食物を食べれば口からそのニオイがしますし、自分の口から一体どのようなニオイがしているか、またその口臭の原因は何なのかを理解していないと、対策を取りようがありません。ただ単に『ニンニクを食べただけ』なのであれば、時間が経ち、歯を磨けば元通りに戻りますが、一時的ではなく慢性的に口臭がしている場合は、その原因を見つけて正確な対応をする必要があります。
その見分け方は素人が行う場合、とても難しいものです。『気になる口臭・体臭・加齢臭』では『体臭のニオイ分類』として以下のまとめ方をしています。
脂質系
原因物質 | 発生源 | |
---|---|---|
汗臭いニオイ | イソ吉草酸などの低級脂肪酸やアルデヒド類 | エクリン腺 |
ワキガ臭 | 3メチル2ヘキセノイン酸などの脂肪酸 | アポクリン線 |
加齢臭 | ノネナールなどの脂肪酸 | 皮脂腺 |
フェロモン臭 | アンドロステロールなどの揮発性ステロイド | 皮膚、アポクリン線 |
甘いニオイ | アセトン(ケトン体) | 糖尿病の口臭、汗、尿 |
たんぱく質系
原因物質 | 発生源 | |
---|---|---|
し尿集 | アンモニア | 尿、便、汗 |
腐った卵臭 | 硫化水素などの揮発性硫化物 | 口臭、便 |
腐った玉ねぎ臭 | メチルメルカプタンなどの揮発性硫化物 | 口臭、便 |
腐った魚臭 | アミン類、インドール、スカトールなど | 口臭、便 |
刺激臭 | アセトアルデヒド(アルコール代謝物) | 口臭、尿 |
糖(炭水化物系)
原因物質 | 発生源 | |
---|---|---|
アンモニア臭 | 酢酸、プロビオン酸、酪酸、乳酸などの有機酸が血中に増加すると、汗腺でアンモニアが生成 | 口臭、汗 |
体臭には、ニオイ物質から分類すると、
の3種類がありますが、このうち口臭の多くは『たんぱく質系』です。本にはこうあります。
『たんぱく質系』のニオイは『腸肝循環』の悪化が原因
(省略)たんぱく質系の体臭は『腸肝循環』が関係している場合が多くみられます。『腸肝循環』とは、腸と肝臓との間で行われている、ニオイ物質などいろいろな物質の循環システムのことです。ふつう正常な肝臓は、小腸に送られた栄養素を吸収すると同時に、ニオイ物質を分類して排泄します。 ところが、肝臓の働きが低下するとこの分別機能が悪くなり、ニオイ物質はそのまま血流に乗って体内をめぐります。
これが肺に送られれば、呼気にニオイが混じって口臭が発生し、皮膚表面に送られれば、汗と一緒に排泄されて体臭となります。要するに、ニオイ物質を含んだ『臭い血液』が、体臭を発生させるのです。腸機能の低下によって消化不良が起こり、飲食物が腸内で異常発酵しニオイ物質を生み出すことは、前章で述べたとおりです。
つまりこういうことですね。
基本的に多くの口臭はたんぱく質系ですが、そのニオイは『腸肝循環』の悪化が原因です。口臭の原因の中でトップ2を上げるとしたら以下の2つですが、
口臭の原因トップ2
やはり口臭の一番の原因は『歯周病』が多いのですが、胃腸病というのは歯周病の次に多い口臭の原因です。『腸肝循環』というのはこのうち『胃腸、肝臓』に問題がある場合のことを言います。胃腸病というのは、
などですが、それによって消化不良が起きると、食べたものが胃の中に停滞し、異常発酵します。本にある『前章で述べたこと』というのはこの内容ですね。それら胃腸病ににおける腸機能の低下によって消化不良が起こり、飲食物が腸内で異常発酵し、ニオイ物質を生み出すわけです。胃腸病の原因は以下のようなものが挙げられます。
胃腸病の原因
ですから、胃腸病が原因の口臭であれば、このような部分の最適化をすれば口臭対策になります。その他、
においても口臭は発生します。
『肝臓病』ですが、
等の問題がある場合、肝機能が低下してきて、分解しきれないニオイ物質が血液に乗って全身をめぐり、口臭や体臭の原因となります。肝臓が原因の口臭は『ネズミ臭』と言われ、口の中が苦くなる特徴があります。また、症状が重い場合は『カビ臭』、『腐卵臭とニンニクの混ざったニオイ』がすると言われています。
次に『糖尿病』ですが、こうなった場合インシュリンが不足して糖の分解が進まなくなる代わりに体脂肪を燃やしてエネルギーを作ろうとするのですが、その際に『ケトン体』というニオイ物質が発生するため、それが血流に乗って全身へとめぐると『甘酸っぱい口臭、体臭』を発生させます。つまりこういうことです。
『腎臓病』の場合は、『アンモニア臭』がします。
そして、『呼吸器系疾患』ですが、
などを患っている場合、
等が炎症を起こしている可能性が高く、その部分の皮膚組織がただれ、化膿を起こし、菌が増殖します。すると、口から『生臭いニオイ』、『肉の腐ったニオイ』がしてしまいます。
『心臓病』ですが、
などの心臓病になって心臓の働きが悪くなると血流が悪くなり、肺に多くの血液が滞って血液のガス交換がうまくいかなくなり、呼吸器系疾患と同じような口臭や体臭が発生します。
更に口臭の大きな原因となっている要素に、『唾液減少によって増える口内細菌による口臭』があります。よく『朝起きたら口臭がする』という話がありますが、それは事実です。朝起きると口内の唾液が減少していて、口の中が乾燥しています。そのせいで微生物(細菌)が繁殖してしまい、それが原因でニオイを発生させるのです。
『口臭の95%は思いすごし』ではこの問題はを以下のように表現しています。
流れるドブ川はにおわない
(省略)心当たりがあるでしょうが、人前で話すときなど、緊張するとのどがカラカラになりますよね?つまり唾液がでなくなって口が渇くのです。そしてそのときに雑巾や布巾のような生乾きのようなニオイが発生します。
これはとくに舌の上に潜んでいる菌が出す『ガス』のニオイです。唾液がたくさんあるときは、このガスは発生しにくいのでニオイにくく、唾液が減って下の表面が乾きがちになると一気にこのニオイが口の中に立ち込めるのです。
私たちはこの現象をドブ川にたとえて説明しています。ドブ溝の底にヘドロが溜まっていてもたっぷり水が流れている間は、たとえ多少水が汚れていてもあまりにおいませんが、水が干上がった途端にどぶのニオイが立ち込めます。
つまり、『川の水=唾液』、『ドブの底=舌表面』として考えると言うことですね。唾液が細菌の繁殖とそのニオイを抑えてくれているのです。しかし、その唾液の分泌量が少なくなる睡眠中や起床時には、細菌が増殖し放題となっていて、ニオイを発生させるわけです。
つまり、
による『唾液の分泌量の減少』によっても口臭は発生するのです。これらの事実に加え、『口臭の原因No.1』である『歯周病・虫歯』のニオイを入れて、『口臭の原因とニオイ』を表にすると、以下のようになります。
様々な口臭の原因とニオイの種類
歯周病・虫歯 | イオウのニオイ |
---|---|
胃腸病 | 卵の腐ったニオイ |
肝臓病 | ネズミ臭(濡れ雑巾とニンニクが混ざったようなニオイ) |
糖尿病 | 甘い、甘酸っぱいニオイ(ケトン体) |
腎臓病 | アンモニアのニオイ |
呼吸器系疾患 | 生臭い、肉の腐ったニオイ |
心臓病 | 生臭い、肉の腐ったニオイ |
唾液の減少 | 雑巾や布巾のような生乾きのようなニオイ |
『イオウ』と『腐った卵』はほとんど同じニオイですね。基本的に生臭く、腐ったようなニオイがすると『口臭がある』ということになります。
口臭と唾液の量はどう関係している?ネバネバ唾液とサラサラ唾液 – Inquiry. |
ちなみに『舌苔(ぜったい)』という、舌の上にある白い苔のようなものがあると、口臭がきつくなるという相関関係がありますが、『舌苔は内臓の鏡』といわれ、『外部に露出した内臓』という考え方なので、『舌苔=口臭の原因』というよりは、『舌苔に問題があるということは、内臓に問題がある』ということで、先ほど挙げた様々な内臓に問題があるがゆえに、口臭が発生していると考えることになります。
しかし、すでにこれだけでも口臭の原因や種類がたくさんあることがわかりますね。それがこの話はこれだけではないのです。更に厳密にこの問題を考えると、『もう、口臭で悩まない! 誰も書かなかった口臭症治療のすべて』にある『におい成分の種類と認知閾値』を見る必要があります。
硫黄化合物
におい成分 | 化学式 | においの質 | 認知(ppm) |
---|---|---|---|
メチルメルカプタン | CH₃SH | 腐った玉ねぎ | 0.0021 |
エチルメルカプタン | C₂H₅SH | 腐ったキャベツ | 0.0010 |
n-プロピルメルカプタン | C₃H₇SH | 不快 | |
クロチルメルカプタン | CH₃CH:CHCH₂SH | スカンク | |
アリルメルカプタン | CH₂:CHCH₂SH | ニンニク臭 | |
ジメチルサルファイド | (CH₃)₂S | 腐ったキャベツ | 0.0010 |
ジエチルサルファイド | (C₂H₅)₂S | ニンニク、催嘔吐 | |
ジフェニルサルファイド | (C₆H₅)₂S | エーテル様、不快 | 0.0047 |
硫化水素 | H₂S | 腐った卵 | 0.0047 |
窒素化合物
におい成分 | 化学式 | においの質 | 認知(ppm) |
---|---|---|---|
メチルアミン | CN₃NH₂ | 生魚臭 | 0.021 |
エチルアミン | C₂H₅NH₂ | アンモニア様 | |
トリエチルアミン | (C₂H₅)₃N | 腐魚臭 | 0.00021 |
ジメチルアミン | (C₂H₅)₂ | 腐魚臭 | 0.047 |
アンモニア | NH₃ | 刺激臭 | 46.8 |
ビリジン | C₆H₅N | 不快臭 | 0.021 |
スカトール | C₉H₉N | 糞便臭 |
脂肪酸
におい成分 | 化学式 | においの質 | 認知(ppm) |
---|---|---|---|
酪酸 | CH₃COOH | 刺激臭 | 1.0 |
プロビオン酸 | C₂H₅COOH | 腐敗臭 | |
酪酸 | C₃H₇COOH | 汗臭 | 0.001 |
吉草酸 | C₄H₉COOH | 甚だ不快 |
炭化水素
におい成分 | 化学式 | においの質 | 認知(ppm) |
---|---|---|---|
ベンゼン | C₆H₆ | 4.68 |
ケトン、アルデヒド
におい成分 | 化学式 | においの質 | 認知(ppm) |
---|---|---|---|
アセトン | CH₃・CO・CH₃ | 尿臭 | 100.0 |
アセトアルデヒド | CH₃CHO | 刺激臭 | 0.21 |
アクロレイン(アクリルアルデヒド) | CH₂CHCHO | 刺激臭 | 0.21 |
ここで出てきた『腐った玉ねぎ臭=メチルメルカプタン』という図式は先ほどと同じなのですが、ニオイの認知を数字で表したこの『0.0021ppm』という数字は、量にすると『超微量』です。本ではこれを『10億人の中の2人がこのにおいを感じる程度』というレベルだと説明しています。
『ニオイをかげば病気がわかる』にはこうあります。
ニオイの『基準臭』はあるのか
ニオイと病気の関係について説明するなかで、私はしばしば『ニオイには未解明なことが多い』と述べてきました。そもそもニオイとは何でしょう?たとえば、『何となく甘いいい香りがする』と聞くと、焼き立てのケーキのニオイをイメージする人もいれば、桃のような果実の香りを思い浮かべた人もいるでしょう。あるいは、若い女性の香水を想像した男性もいるのではないでしょうか。このように、ただ単に『甘い香り』といってもたくさんの香りが存在するのです。
上記の記事にも書きましたが、このようにして人のニオイの基準臭というものはあいまいで、例えば『ポップコーンのニオイ』と言っても人によっては『甘いニオイ』という表現をします。従って、先ほどの表に『糖尿病は甘いニオイ』とありましたが、もしかしたらそのニオイの原因は、糖尿病や糖質ダイエットで発生する『ケトン臭』なのかもしれません。
人によってニオイの基準は違うし、しかもそのニオイの量が『超微量』であったりする場合、その口臭のニオイが実際にはどんなものであるか、また、その原因がなんであるかを知るのは、素人にはそう簡単なものではありませんよね。つまり、
という事実がある以上、その人が、どんな原因で、どんな口臭を出しているかということは判断しづらいのです。例えば下記のワキガの記事にも書いたように、
ワキガのニオイの種類は7種類あるという話があり、多くに蔓延しているのは下記のような種類だといいます。
しかし私はこの『削りカスのニオイ』というのはピンときません。来るのは『水道水のニオイ』です。ですから、口臭や体臭がしたとき人に、
と質問しても、その人が、そのニオイを自分と同じニオイで認知するかどうかはわかりませんし、自分で調べるとしても、そのニオイで本当に合っているかどうかはわかりません。それにそもそも、人は自分のニオイは自分では自覚しづらいものですからね。
『におわない人の習慣』にはこうあります。
自分のニオイはなぜ自分で感じにくいのか?
(省略)資生堂で加齢臭研究の中心となった、資生堂リサーチセンター主幹研究員(当時)の土師信一郎さんは、
『他人の家に入ったときに、まずニオイの違和感を感じますよね。自分の家のニオイなどには、人間は慣れてしまい感じなくなっているので、そうなります。自分の身体についても同じで、ニオイは慣れてしまい感じなくなるんです。』
と教えてくれました。(中略)これは資生堂の土師さんのおっしゃるとおりで、つねに漂っている自分のニオイを、人間の脳が『消して』しまっているわけです。『自分のオナラがくさく感じない』という経験は誰でもあると思います。いや、くさくは感じるのですが、『このニオイ(自分のオナラ)は許せる』という感じ。これも自分のニオイに対しての脳の働きと理解できます。
この『麻痺』の要素を入れると尚のこと『改善しなければならない口臭の原因』にたどり着くことができず、問題を放置してしまうことになります。
『ニオイをかげば病気がわかる (講談社+α新書)』にはこうあります。
ほかの病気にも、特有のニオイがあると私は推察していますが、現時点ではニオイで病気を判断する方法はまだ確立されていません。
つまり、『ニオイ』から病気を判断することはプロでもまだできないのです。本にはこの後『ピロリ菌の有無を呼気で診断する』方法で病気を判断する方法を載せていますが、やはり素人が自分の口臭やその原因を正確に判断するのは難しいと言えるでしょう。
まずはここに書いたように、『自分<他人<専門家』という順番でニオイの認識能力が高くなるという事実を知り、
自分では口臭を感じないなあ
と思っても、常に自分にもその可能性があることを頭の片隅にいつも置くようにしておきましょう。『もう、口臭で悩まない!』には『悪臭の意味』として、
何らかの危険を予知する兆候であり、進行すれば悪化し、重篤になることを事前に予知すること、すなわち悪臭を発することでその注意を事前に喚起するためである
と解釈していますが、悪臭を検出することは『未病(病気の前兆)』の発見であると考えることができます。口臭は単なるエチケットや美的感覚の一種ではなく、『大きな問題が出る前のサイン』かもしれないので、軽く考えないようにすることが大切です。虫歯一つで死ぬこともありますからね。
まずはこのページでは、『口臭の原因は○○だ!』と簡潔にまとめられるものではなく、様々な種類や可能性があり、そしてそのニオイを判断する人の認知能力も各人によって違うという事実を理解しましょう。ただ、ワキガと違って口臭を『良いニオイ』だと解釈する人は少ないのが特徴ですね。