口臭が多い年代は?
口臭はすべての年代の男女にとって無縁ではない問題です。
高齢者になるとドライマウスの問題がありますし、10代でも食生活や口腔内のメンテナンスの問題によって口臭は引き起こされます。したがって、『一番多い年代』というものはありません。
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口臭が多い年代というのは、特にないかもしれません。つまり、10~90代の人まで、口臭は常に身近にあるものだということです。
何を隠そう私の祖母は、88歳かそこらのとき、口から『大便』のニオイがしました。私はあわてて後で(より対応がわかっている母)に、
と伝えました。正直、そこで初めて家族と口臭についての話をしたのですが、すでに口臭の勉強をしていた私は持っている知識をすべて話しました。例えば『起床時口臭』ですね。
母は、
などと笑いながら誤魔化すように言いましたが、私の眼はごまかせません。以前から母の口からも口臭がしていたのを知っていますから、その機会にこう言ったのです。
と言いました。母はそれでようやく受け入れました。口臭は誰にでもあるものです。勝手に家族の話をして家族には悪いのですが、ほかの部分で家族にはしっかりと貢献するので彼らにも私が作るこのサイト作りに貢献してもらいます。
ある時は妹でした。まだ10代後半か20代前半だった妹にも口臭の話をしました。もちろん相手が女性であり、その年齢であるということを考えると口臭の話は母や祖母よりもしづらいものです。しかし、だからといってその問題を見て見ぬふりをし、それで『家族のことを大切に思っている人間』のふりをしてもつじつまが合いません。私は彼女にも伝えたのです。
しかし、実際にはその時の助言では彼女が口臭を治すことはしませんでした。もしかしたら受け入れられなかったのかもしれません。
何言ってるんだよ。あいつ(兄)が間違ってるんだよ
などとして、私の説得力を疑ったかもしれません。 お互いの若さも手伝って、話が未解決のまま流れてしまったのかもしれません。しかしそれから数年後、妹が結婚をして家を出ていくときになったときは、さすがにもう一度はっきりという必要があると考えました。
家族の名誉のために言っておきますが、口臭があると言っても大したことはありません。近づいたら、すこし甘臭いにおいがするくらいのものです。女性の場合、ホルモンバランスが崩れる生理や妊娠中等に口臭やワキガ臭を放つものです。
もしかしたらそういう理由があったのかもしれませんしね。とにかく口臭がしたということが事実なのです。祖母だけは大便のニオイがしましたけどね。高齢者は唾液の分泌量が減るので口臭が出るのは仕方ないことなのです。
『高齢者のドライマウス 口腔乾燥症・口腔ケアの基礎知識』にはこうあります。
唾液腺、腺組織の変化
加齢に伴い、唾液腺には腺房細胞の萎縮、腺実質の脂肪細胞への置換、間質の繊維化などがみられます。一般的にはこのような退行性変化により、唾液の分泌量は減少すると考えられています。なお、口腔内科学会では、80歳ぐらいに加齢性のドライマウスが生じるとされています。
ドライマウスは、う蝕や歯周病のリスクを高めるだけでなく、感染症、誤嚥性肺炎、上部消化管の障害、摂食嚥下機能の低下などを生じ、加齢に伴うさまざまな全身的な疾患とともに、QOLを大きく低下させます。さらに、加齢に伴う服用薬の増加、血流の低下、ストレス等も大きな複合要因になっていることが推察されます。
その他原因として、
なども挙げられますが、とにかく高齢者になると唾液の分泌量が減り、ドライマウスになりやすくなります。また『加齢に伴う服用薬の増加』ですが、たしかに私の祖母も毎日3種類以上の薬を飲んでますからね。そういう生活をもう10年以上は続けているのではないでしょうか。薬を飲んだら唾液量が減り、口の中が乾燥しますからね。それは私でもそうなります。
ですから私も口の中が薬の服用によって乾燥すると思ったら、睡眠中でも途中で起きて水をたくさん飲みます。口の中がパサついてしまうからですね。舌がくっついて呼吸ができずに起きてしまうことがあるのです。それは『色々な薬をたくさん飲んだ』のが原因で、ただの市販薬を一包飲んだだけではそこまでの状態にはなりません。
下記のように、口臭の原因はたくさんあります。
様々な口臭の原因とニオイの種類
歯周病・虫歯 | イオウのニオイ |
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胃腸病 | 卵の腐ったニオイ |
肝臓病 | ネズミ臭(濡れ雑巾とニンニクが混ざったようなニオイ) |
糖尿病 | 甘い、甘酸っぱいニオイ(ケトン体) |
腎臓病 | アンモニアのニオイ |
呼吸器系疾患 | 生臭い、肉の腐ったニオイ |
心臓病 | 生臭い、肉の腐ったニオイ |
唾液の減少 | 雑巾や布巾のような生乾きのようなニオイ |
その他、ニラやニンニク、コーヒーやタバコなんかでも口臭は出ますからね。ですから、いつどんなときでも、そして誰であっても口臭は出る可能性はあるのです。それを受け入れる必要があります。
こういう話をする場合は、言う側も覚悟が必要ですね。しっかりと調べて知識を入れて、相手を納得させなければなりません。そして『自分にもある』ということを伝えて、(一人ではない)という安心感を与えることも大事です。妹は私の覚悟を受け取ってくれたようで、話を真剣に聞き、巣立っていきました。対策というのは何のことはありません。『起床時口臭』の記事にも書きましたが、しっかりと歯を磨き、そして寝る前と起床時に、『ピュオーラ』を使えばいいのです。
もちろん、すべての洗口液を使ったわけじゃないので他にもいいものがあるかもしれませんが、アルコールタイプのものはだめですし、なにより私が『10年以上』使ってきたという実績がありますから、これを勧めるのが妥当です。
もちろん、水で丁寧にぶくぶくうがいをするだけでも9割の細菌を落とせると専門家が言っていましたから、それでもいいでしょう。ただ、お金のことを気にしているのであればそれは工夫次第で、例えば一度に使う量を減らし、量が欲しいなら水で水増しします。それでも十分口の中は洗えますからね。相当長持ちしますよ。
では、『もう、口臭で悩まない!』にある口臭外来の患者の年代を見てみましょう。
患者の年代(男性)
患者の年代(女性)
まんべんなく広がっていますよね。やはり、口臭というのはいくつであっても発生してしまう可能性があるものなのです。
例えばワキガの場合であれば、年齢とともにニオイが軽減される傾向にあります。『年を取るとアポクリン腺の分泌が減少し、ワキガのニオイは軽減する 』という事実があるからです。この決定的な事実があることにより、ワキガ臭は抑えられることになります。ではここで、ワキガ臭が発生する原因と流れを見てみましょう。
この大元である『アポクリン汗腺からでるアポクリン汗』が減るんですからね。この時点で、老化によってワキガ臭が抑えられる傾向にあることがわかります。ワキガの場合で考えると、
というこの2つの要素が極めて大きな影響を与えていて、体臭や加齢臭同様、
ということになります。
しかし、口臭の場合は挙げたようにその原因が一つではありません。『ワキガ=アポクリン線』というような単純なものではありませんから、
などという条件がそろうだけで、どんな人であっても、いくつであっても、そこに口臭が発生してしまうものです。私の家族の例で考えても、10代~80代までの幅広い年齢の事例がありましたが、そのようにして口臭というのは、ワキガや体臭のように『ピークの年齢』というのはあまりないかもしれません。
家族の話だけでは不公平ですね。私の話をしましょう。私は19歳~20歳のころ同棲をしていました。その時の私はまさに血気盛んな年ごろであり、老化とも無縁の、元気で明るい、エネルギーの塊のような生き方をしていました。(別に35歳になった今でも精神面の衰えはありません。)
しかし、今と違うのはある種の思い上がりがあったということです。つまり、私には『口臭はない』と思っていたのです。ある時、彼女に聞きました。
すると彼女はこう言ったのです。
その時私は脂汗が出ましたね。あまりにも衝撃的な事実に直面したからです。一つは、自分にも口臭があったのだという事実。そしてもう一つは、口臭があるのに黙ってくれていた(我慢させてしまっていた)事実。そして最後は、口臭があるのに『ないと思っていた』自分に恥を知った事実。
彼女は私がそう質問しなければ答えることはなかったかもしれません。口臭や体臭というのはそういう問題でもあるんですよね。このような経験をしていたからこそ、私は大切な家族に同じ目に遭わないように損な役を買って出て助言をしたのです。私の前で恥をかく方が、他人や夫らの前で恥をかくよりもよっぽどマシですからね。本当に相手のことを思いやる気持ちがあれば、この損な役は買って出ることができるはずです。
『口臭の95%は思いすごし』では、
の調査結果についてまとめていますが、それは以下のようなものです。
日頃気になるニオイは?
口臭が気になる頻度(他人の口臭)
口臭が気になる頻度(自分の口臭)
異性が朝、がっかりするのは?
職場の身だしなみで気になるのは?
これらは概ね20~50代の男女にアンケートを取って作った表です。これを見てもわかるように、やはり口臭というものはほとんど年齢を問わず、『すべての年代の人が気にする要因』として挙げられる問題かもしれません。