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歯周病が進行するとどんな病気になる?虫歯と歯周病は原因となる細菌が違う

歯周病が進行するとどんな病気になる?

歯周病が進行すると、

 

  • メタボリック症候群
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 脳梗塞
  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 早産
  • 低体重児出産
  • 誤嚥性肺炎
  • 認知症
  • 感染性心内膜炎
  • 胃の病気(ピロリ菌感染)
  • 関節リウマチ
  • 腎炎
  • バージャー病
  • 掌蹠膿疱症

 

といった病気に発展する可能性があります。また、虫歯の場合は死に至るケースもありますので注意が必要です。虫歯や歯周病はそれだけで口臭の原因ともなりますので、何よりも予防、そしてしっかりとした対策が必要です。つまり、口臭対策としてプラークコントロールをすることは、命を守ることにつながっているのです。

先生

歯周病も虫歯も、放置すると危険だよ!最悪の場合は死に至るからね!

更に詳しく知りたい人は、以下の記事を見るっす!

ハニワくん

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虫歯も歯周病もプラーク(歯垢)が原因

下記の記事に歯周病について大体のことは書きましたが、今回はまた違った角度からっ歯周病について考えていきましょう。

 

 

歯周病になる流れを見てみましょう。

 

STEP.1
プラークを放置すると歯肉の炎症が起こる
 

STEP.2
歯肉炎が続くと、歯周ポケットができる
 歯周ポケットの中にはプラークがたまりやすく、細菌が棲みつきやすい。

STEP.3
炎症が進むと、セメント質・歯根膜・歯槽骨などにも及ぶ
  それらが破壊されるようになった状態を『歯周炎』と呼ぶ。

STEP.4
歯周ポケットから膿が出て口臭がひどくなる
 

STEP.5
歯がぐらつきだし、最後には抜ける。
 

 

虫歯も歯周病もプラーク(歯垢)が原因ですから、まず何よりもプラークコントロールが重要になります。それについては上記の記事にたっぷりと書きましたので、併せてご確認ください。その記事の補足記事として今回の記事を付け足すわけです。

 

先生

プラークコントロールは、『歯を磨く』んじゃなくて『歯垢を落とす』ことがメインだからね!

なるへそ!

ハニワくん

プラークが付着していても歯周病や虫歯にならない人がいるのはなぜ?

例えば、プラークが付着していても歯周病や虫歯にならない人がいますが、それはいったいどういうからくりなのでしょうか。『歯周病予防と口腔ケア (ホーム・メディカ・ブックス・ビジュアル版)』にはこうあります。

同じ量のプラークが付着しても、歯周病になりやすい人となりにくい人がいるのはどうしてでしょうか?歯周病が細菌とからだの免疫力(抵抗力)のバランスが崩れたときに症状が出てきます。プラークがたくさん付着していても、十分な免疫力があるときは歯周病になりません。反対に、わずかの細菌しか付着していなくても、免疫力が低下していると炎症が起きてしまいます。細菌と免疫力の度合いやバランスは人によって異なりますし、同じ人でも年齢などによってちがってくるのです。

 

それには、免疫力が関係していたわけですね。私も持病に『口唇ヘルペス』を持っていますが、これは疲労などで免疫力が下がっているときに必ず発症します。潜んでいるウイルスが口元に降りてきて、皮膚を食い破って増殖しようとするんですね。

 

「口唇ヘルペス」【吉田たかよし】90秒でわかる 医学解説その17

https://www.youtube.com/watch?v=goei7nFdyh8

 

しかし、しっかりと仮眠をし、ビタミンC等の栄養を補給することによって、このウイルスの暴走を抑えることができます。何しろ、『仮眠、ビタミンC』という要素をないがしろにしていたころはよくヘルペスが悪化したのですが、その2つをしっかりと最適化してからというものの、ほとんど発症しなくなりました。

 

 

特に大きいのが仮眠ですね。仮眠、睡眠による体力の回復は最も大きなものです。きちんと栄養を摂ってぐっすり眠るこおほど、人間のホメオスタシスを正常化させるものはないですね。

 

ホメオスタシス

人間が正常でいるための機能。

 

睡眠に関する文献は山ほどありますが、例えば『病気にならない暮らし事典-自然派医師が実践する76の工夫-』にはこうあります。

自然治癒力を支えているのは睡眠と休息

 

夜は、休息と睡眠の時間です。その間、交感神経が休んで副交感神経が優位になり、からだのさまざまな部分を修復、浄化しています。自然治癒力を支えているのは、睡眠と休息です。睡眠不足は自律神経のバランスを著しく損ないます。からだの修復ができない状態が続くと、あらゆる病気の原因となります。睡眠時間は人により異なりますが、少なくとも7~8時間は質のいい睡眠をとりましょう。

 

自律神経が交感神経優位になるということは、それだけで口臭の原因となりますからね。睡眠不足が口内環境にもたらす影響はとても大きいと言えます。

 

 

自律神経や環境によって口の中に起きる変化

  繁殖する菌 分泌される唾液 ニオイ
交感神経優位 悪玉菌。酸素を嫌う嫌気性菌 ネバネバ唾液(粘液性唾液) する
副交感神経優位 善玉菌。好気性菌脂臭 サラサラ唾液(漿液性唾液) しない

 

 

免疫力が低下すると命の危険もある

また『トップアスリートが実践している 最強の回復法』にはこうあります。

眠らないと免疫力が低下して最後は死ぬ

 

(省略)眠らないでいると、免疫力が低下していきます。睡眠が足りなくなるにつ入れて、体内の抗体は減少していきます。睡眠の深さの程度を、5つの『睡眠段階』に分類したことで知られるアラン・レヒトシャッフェン博士らの研究グループは、ラットに眠らせない状態をつくり、その後の変化を調べるアンド、数多くの『断眠実験』を行いました。その結果、10~20日後にはすべてのラットが死亡してしまいました。

 

断眠開始直後は、食事の摂取量が増えてエネルギー消費量も増加したため、ラットたちは活発に動き回りました。しかし、しばらくすると体重が落ちだし、活動も鈍くなっていきました。そうして免疫機能が徐々に低下し、細菌による感染が目立つようになり、最後は敗血症になって死んでいったのです。

 

死亡したラットを解剖して調べると、臓器などに直接の死因となるようなものはみつかりませんでした。しかし、体温低下や副腎皮質ホルモンの大量分泌など、体内ではさまざまな変化が生じていて、免疫力は明らかに低下していました。

 

つまりこういうことですね。

 

STEP.1
ラットに眠らせない状態をつくる『断眠実験』を行った
 

STEP.2
開始直後はラットたちは活発に動き回った
 食事の摂取量が増えてエネルギー消費量も増加したため。

STEP.3
しばらくすると体重が落ちだし、活動も鈍くなっていった。
 

STEP.4
免疫機能が徐々に低下し、細菌による感染が目立つようになった
 

STEP.5
最後は敗血症になって死んでいった
 体温低下や副腎皮質ホルモンの大量分泌など、免疫力の低下が見られた。

 

睡眠をしないと確実に免疫力が低下してしまうわけですね。そして『細菌による感染』とあります。下記の記事に免疫力の種類と働きについて表をまとめました。

 

免疫細胞の種類と働き

  免疫細胞の種類 主な働き
顆粒級 好中球 体内に侵入した病原体を食べる
  好酸球 アレルギー反応
  好塩基球 (同上)
単球 マクロファージ 体内に新入した病原体を食べる。リンパ球と情報交換、抗原提示
  樹状細胞 (同上)
リンパ球 β細胞 病原体を攻撃する抗体の生産
  ヘルパーT細胞 免疫システムの統率
  キラーT細胞 過剰な免疫反応を抑制
  NK細胞 がん細胞やウイルス感染細胞を攻撃

 

 

普段はこのように、各免疫細胞たちがそれらの細菌や病原体を食べたり、攻撃してくれていて、人体に害がないように警備してくれています。『免疫力が下がる』ということは、この『警備レベルが下がる』ということですから、当然、がんも含めたあらゆる病気にかかりやすくなります。

 

ですから、同じ量のプラークが付着しても、歯周病になりやすい人となりにくい人がいるのは、その人の免疫力のレベルがどれほどなのかとか、そういう細かい部分が影響しているからなんですね。

 

先生

免疫力は目に見えないからね!人は目に見えない部分は軽んじるよ!それは遥か数千年前から変わらない事実だね!

うーむ、深い!

ハニワくん

 

虫歯も歯周病もプラーク(歯垢)が原因

 

睡眠中には虫歯になりやすい

しかし、実は睡眠中には虫歯になりやすいという事実があります。『よくわかる家庭の歯学―歯磨き、歯周病予防から矯正治療、審美治療、インプラントまで』にはこうあります。

睡眠中になぜ虫歯になるか

 

夜、寝る前に飲食すると虫歯になりやすいのは事実です。それは、睡眠中は唾液の分泌量が著しく低下するために、食事で酸性になった口腔内がなかなか中世の状態に戻りにくくなります。この酸性の状態が長く続くと、歯が溶け始めるのです。日中は活動的な交感神経の働きで、唾液がたくさん出るようになっていますが、寝ているときは副交感神経がメインになり、唾液の量が極端に減ります。

 

つまり、睡眠は確かに細菌やウイルスから身を守るバリア機能である『免疫力』を回復させるために必要不可欠ですが、その睡眠中は、実は虫歯になりやすいんですね。副交感神経が優位になるとメリットだらけなのですが、デメリットもあります。例えば以下のような問題です。

 

副交感神経の持続的な緊張によって起きる現象

  • 冷え(万病)
  • 分泌・排泄能の亢進による下痢や骨粗しょう症
  • 不自然な免疫力増強によるアレルギー性疾患や自己免疫疾患
  • さまざまな痛み、かゆみ
  • 活動性の低下による鬱状態

 

その中に『睡眠中の唾液量の減少』もあるわけですね。それだけでも口臭の原因となり、また、虫歯菌などから身を守ることもできなくなるわけです。

 

 

先生

睡眠によって免疫力は回復するのは間違いないけど、睡眠中に限っては免疫力が低下しているんだ!だから朝起きたら喉が痛い現象があったりする!

うーむ、深い!

ハニワくん

虫歯になりやすい人は歯周病にもかかりやすい?

また、『歯周病予防と口腔ケア (ホーム・メディカ・ブックス・ビジュアル版)』にはこうあります。

それでは、虫歯になりやすい人は歯周病にもかかりやすいのでしょうか?歯磨きがきちんとできていないなど、口腔ケアが適切でないという意味では、虫歯にもなり歯周病にもなるリスクはあります。しかし、虫歯の原因となる細菌と歯周病の原因となる細菌はまったく違う種類のもので、増殖する条件も異なるのです。ですから、虫歯が1本もない人でも歯周病になるケースはあるのです。

 

この『口腔内に生息するおもな細菌(口腔常在菌)』については下記の記事に詳しく書きましたので併せてご確認ください。

 

 

とにかく、虫歯と歯周病は原因となる細菌が違うんですね。冒頭に書いた歯周病になる流れと、以下の虫歯になる流れを見てみましょう。

 

STEP.1
ミュースタンス菌が口に入る
 

STEP.2
飲食物の糖分を分解し、グルカンというネバネバした物質を作る
 歯の表面に張り付いてプラークを形成する。

STEP.3
菌が増殖するとバイオフィルムと呼ばれる膜となり歯を覆う
 歯ブラシも抗菌剤も太刀打ちできないほどの強固なバリア。

STEP.4
この絶好の環境の中でミュースタンス菌は糖分を餌に酸を作り、放出し続ける
 

STEP.5
この酸がエナメル質を少しずつ溶かし、歯の表面に穴が開いて虫歯となる
 

STEP.6
エナメル質は人体で最も硬い組織。
 

 

もう一つの流れがこうですね。

 

STEP.1
食事をして口の中が酸性になる
 

STEP.2
エナメル質からミネラル分が溶け出す『脱灰』が起こる
 脱灰が始まるのはpH5.5より下がったとき。

STEP.3
本来は『緩衝能』という唾液の力によって『再石灰化』が行われる
 これによって脱灰した部分が修復される。

STEP.4
しかしあまりにも一日に脱灰が頻発すると再石灰化が間に合わない
 結果的に修復が間に合わず、穴が空きやすくなる

STEP.5
虫歯になる
 

 

虫歯と歯周病の原因とニオイの発生場所

  原因 ニオイの発生場所
歯周病 ミュースタンス菌、プラーク、食事による脱灰 歯周ポケット
虫歯 プラーク、歯石 穴の開いた歯

 

両方とも『プラークが原因』であることは共通しているのですが、厳密には違う流れでそれぞれの病気が進行していきます。ただ、虫歯と歯周病はペアで考えた方がわかりやすいですね。

 

先生

原因菌も性質も違うけど、虫歯も歯周病もプラークコントロールさえしっかりしていれば発症しないからね!もちろん口臭も!

うーむ、なるほど!

ハニワくん

 

虫歯も歯周病もプラーク(歯垢)が原因

 

虫歯になりにくい人は歯周病になりやすい

『よくわかる家庭の歯学―歯磨き、歯周病予防から矯正治療、審美治療、インプラントまで』にはこうあります。

虫歯になりにくい人は歯周病になりやすい

 

歯の強さや虫歯のなりやすさにはかなりの個人差があります。エナメル質の硬さや唾液の分泌の関係で、虫歯のなりやすさは十人十色です。歯の丈夫な人は、とくに歯を磨かなくてもほとんど虫歯になりません。しかし、歯の弱い人でも、がんばって手入れをしていれば、長い目で見ていればウサギと亀のようにいいこともあります。

 

歯の弱い人は、若いときは治療してもすぐまた虫歯になるように感じますが、逆に歯周病にはなりにくいので、一度に多くの歯を抜くことは少ないのです。また、虫歯で抜歯になったときは、あごの骨は十分に残っているので、入れ歯やインプラントの治療をする場合は、治療結果がいいのです。

 

一方、歯が強い人はついついブラッシングもいい加減になってしまい、歯肉炎になっている人が多いのです。歯肉炎が歯周病になると、歯茎の下の歯槽骨が溶け始め、本人の自覚症状がないままに全体的に骨が減ってきます。

 

つまりこういうことですね。

 

虫歯と歯周病

虫歯になりにくい人 ブラッシングがいい加減になり、歯周病になりやすい
歯周病になりにくい人 歯が弱く虫歯になりやすい

 

なぜか、虫歯になりやすい人は『歯周病にはなりにくい』と専門家は言います。この『虫歯になりにくい人が、ついついブラッシングがいい加減になり、歯周病になりやすい』というのはわかりますが、虫歯になりやすい人が『歯周病にはなりにくい』というのはなぜでしょうね。『ブラッシングをしっかりするから』とは書いていませんが、考えられるとしたらそれしかありませんね。

 

『歯をみがくのをやめると超健康になる!: 行列ができる名医シリーズ (知的生きかた文庫)』にはこうあります。

虫歯にはならないけど、『歯周病になるタイプ』の人がいます

 

私が患者さんを診てきた中では、日本人の20人に1人程度の率で、あまり歯磨きをしないのに、ほとんど虫歯にならない人がいます。それは、唾液がアルカリ性の人です。一般的に唾液のpHは6.8で中性に近い酸性です。そのため、酸性に傾いた口の中の環境を中性に戻すパワーが強く、エナメル質を強力に保護して虫歯の危険性から遠ざけてくれるのです。口の中で繰り返される脱灰と再石灰化のサイクルが強力に働くのです。

 

とはいえ、これには落とし穴があります。唾液のアルカリ度がいくら協力でも『歯周病菌』のほうは、唾液のpHに影響されません。歯周病菌は死なずにあちこちでプラークをつくり、繁殖します。そして虫歯にはならなくても、いつの間にか歯周病が進行してしまうのです。

 

ここでも『虫歯にはならないけど、歯周病にはなる』ことについて書かれていますね。それぞれのpH値は下記の記事にまとめましたが、

 

それぞれのpH値

普段の口の中 6.8~7.0(中性)
唾液 7.0(中性)
食後 5.5以下(酸性)

 

そこでは唾液は7.0の中性としてまとめていますね。しかしこの本では6.8だとしています。とにかくそのあたりの中性ですが、ときにアルカリ性の唾液を持っている人がいて、そういう人は口の中で繰り返される脱灰と再石灰化のサイクルが強力に働き、虫歯になりにくいということですね。そういう事実もあるようです。

 

虫歯と歯周病

虫歯になりにくい人 歯が強い、唾液がアルカリ性である。しかし、ブラッシングがいい加減になり、歯周病になりやすい
歯周病になりにくい人 歯が弱く虫歯になりやすい

 

しかしいずれにせよ、虫歯になりやすい人が『歯周病にはなりにくい』という事実についてはわからないままですね。とにかくこのようにして虫歯と歯周病は常に密接な関係性があります。細菌は違いますが、どちらもプラークコントロールをしっかりすることで予防できますから、プラークコントロールをすれば虫歯と歯周病の両方を予防できて、一石二鳥ということになります。

 

 

 

先生

虫歯になりやすい人が『歯周病にはなりにくい』のは、歯が丈夫じゃないから歯をよく磨く習慣があるからなのかな?

うーむ!

ハニワくん

虫歯・歯周病を放っておくとどうなる?

免疫力と虫歯・歯周病の関係について少しはわかったと思いますが、虫歯・歯周病を放っておくと様々な病気にかかります。

 

  • メタボリック症候群
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 脳梗塞
  • 狭心症
  • 心筋梗塞
  • 早産
  • 低体重児出産
  • 誤嚥性肺炎
  • 認知症
  • 感染性心内膜炎
  • 胃の病気(ピロリ菌感染)
  • 関節リウマチ
  • 腎炎
  • バージャー病
  • 掌蹠膿疱症

 

 

これらはすべて虫歯・歯周病から発展してしまう、あるいは密接な可能性がある病気です。例えば腎炎ですが、急性腎炎症候群の人は、歯槽骨の吸収が進みやすく、歯周病が悪化しやすいことが知られています。このように、すべてが虫歯・歯周病と何らかの関係性があるとみられているのです。

 

死ぬこともある

『歯周病で死ぬのはイヤだ!』にはこうあります。

虫歯で死ぬこともある

 

あるサラリーマンの方の歯茎が、腫れるようになりました。しかたなく歯科医院を訪れたところ、歯茎を切開して膿を出したそうです。ところが、帰宅後、急に熱が出てきて、しかも悪寒と胸の痛みを覚えて、立つことができなくなりました。慌てて救急車を呼んで病院に行きました。原因は、歯茎の血管から入った細菌が、肺にまわった結果の肺炎でした。しかも、もし体力が落ちていたり、ほかになにか持病でもあったら、命も危なかった、と医師に言われたそうです。

 

 

このほかにも本には、実際に虫歯によって死亡してしまった例を2つ挙げています。

 

  • 虫歯菌のばい菌が脳に回って亡くなった黒人少年
  • 未治療の糖尿病が原因で悪化して敗血症ショックで亡くなった老人

 

の例です。虫歯の菌が体の違う部分に回って、持病を悪化させたりして死に至ることがあるのです。本にはこうもあります。

菌血症と敗血症

 

(省略)同様に、虫歯菌や歯周病菌も、虫歯の穴や弱った歯茎を通して血管に入ります。症状が軽い場合、これを菌血症と呼びます。さらに侵入した細菌が増えて、漸新世の炎症反応を起こした場合を敗血症と呼びます。細菌は血管を通して体の中の臓器に運ばれて、サイトカインストームと呼ばれる全身性の炎症反応を起こし、生理活性物質が体中で大暴れして多臓器不全を起こします。

 

先ほどのラットの実験の際にも、最後はこの『敗血症』で死んでしまいましたよね。この老人もそうですが、虫歯や歯周病の菌は、最悪には人の命を奪うこともあるのです。そう考えると、ここで考えた、

 

  • 免疫力
  • プラークコントロール

 

というものがどれだけ大切かということがわかりますね。

 

先生

虫歯や歯周病、あるいはプラークを軽んじている人は考え方を見直す方がいいかもしれないね!

たしかに!

ハニワくん

 まとめ✔

  1. 虫歯も歯周病もプラーク(歯垢)が原因のため、まず何よりもプラークコントロールが重要。
  2. プラークが付着していても歯周病や虫歯にならない人がいるのは『免疫力』が関係している。
  3. 免疫力が低下すると命の危険もある。
  4. 睡眠中は唾液の分泌量が著しく低下し、虫歯になりやすい。
  5. 虫歯になりやすい人は歯周病になりにくいが、両方とも『プラークが原因』であることは共通している。
  6. 虫歯になりにくい人は歯周病になりやすい。虫歯・歯周病を放っておくと様々な病気にかかる。
  7. 虫歯に関しては死ぬこともある。
  8. 免疫力やプラークコントロールはとても重要な要素。

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