腸内腐敗は口臭の原因?
はい。
腸内腐敗により悪玉菌が繁殖すると、体臭の原因となります。腸内で発生した腐敗毒素は肝臓に運ばれ、解毒処理を受けますが、働きが悪くなると分別がうまくできなくなり、血液中に入り体内をめぐり、それが肺に送られて呼吸器から漏れ出すと口臭になります。したがって、
これらによって腸内フローラの状況を悪化させると、口臭が懸念されます。
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腸内フローラが悪化すると、口臭や体臭等、様々な問題が起こります。『腸内フローラ』とは、腸内に広がっている『花畑』のことですね。たくさんの細菌がまるで花畑で花を咲かせているように見えることから、『フローラ(英:flora)』という名前がついています。
腸内フローラって?
ビオフェルミン製薬が出しているこの動画にはこうあります。
何らかの原因で悪玉菌が優勢になってしまうと、腸内腐敗が進み、様々な生活習慣病の原因になることもあります。
腸内フローラの環境が悪くなり、悪玉菌が優勢になると、病気を患う可能性があるんですね。そしてその問題の一つに『体臭』があるのです。腸内菌の役割を見てみましょう。
善玉菌が優位になり、悪玉菌の働きを抑えるということは、美容や健康を考える際には欠かせないことなのです。つまり、腸内フローラは常に善玉菌優勢にするべきなのです。
そしてその腸内を悪玉菌優勢にしてしまう原因は主に以下が挙げられます。
『からだのニオイは食事で消す 体臭は内臓からの注意信号』にはこうあります。
食の欧米化が体臭をふやした!
かつて、日本人の食生活は菜食が基本だったので、肉はほとんど食べていませんでした。仏教の影響が強かった日本では、おおむね肉食禁止の戒律が守られてきたからです。
明治時代になって、西洋の肉食文化が入ってきました。それでも、戦前まではこうかな肉類は庶民の手には入りづらく、一部の人たちだけのごちそうでした。けれど、戦後アメリカの影響で食事が欧米化するとともに、動物性の食べ物や油脂の採取量が大幅に増えたのです。
ベジタリアンにはワキガは少ない?肉食と菜食が与える体臭への影響 – Inquiry. |
上記の記事に、かつて日本人は肉を食べなかった時代があること、レオナルド・ディカプリオやブラッド・ピット、トム・クルーズ、マドンナ、カルロス・サンタナ、などの有名人は加齢を抑えるためにも肉食はしていないこと、等について書きましたが、肉類というのは世界的に見ても、やはり体臭の原因となります。
もちろん『口臭』もその範囲内です。本にはこうもあります。
脂肪分とたんぱく質の分解で出る腐敗毒素がニオイのもと
体臭には脂質系に由来するものと、たんぱく質系、炭水化物系の3種類の原因があるといわれています。悪玉菌と呼ばれる腐敗菌は、脂肪分とたんぱく質の分解を担当していて、善玉菌では分解できない高分子の成分を分解する役目を担っています。ところが脂肪やたんぱく質を分解するときに、さまざまな腐敗毒素が副産物として出てしまうことが問題なのです。
悪玉菌にも一応の役目があり、善玉菌にできない分解をしてくれます。しかし、それと引き換えにニオイ物質を引き起こしてしまうことが玉に瑕なわけです。
したがって、
という2つのポイントを押さえることで、口臭対策ができるということになります。
本にはこうもあります。
肉類、揚げ菓子、砂糖、抗生物質が悪玉菌優勢に導く
体臭のもとをつくる腸内腐敗でいちばん問題となるのが、前述のように肉類などからのたんぱく質や脂質のとりすぎです。消化・分解に時間がかかり、欧米人に比べて腸の長い日本人はとくに腸内滞在時間が長いため、腐敗の原因になりやすいのです。
また、インスタントラーメンやスナック菓子、ポテトチップスなどで使用されている油は酸化している場合が多いので、腸内環境を悪玉菌優勢に導きます。これらの食品は食べない方が賢明です。
まずそもそもが、世界的に見ても肉類というのは体臭の原因となります。また、獣肉には動物が排泄するはずだった老廃物を含んでいるので、それによって老化が進んでしまうことにもなります。それに加えて注目したいのは、
という事実です。これも非常に重要なキーワードです。ここからは少し専門的な情報を比較的長文で引用しますが、話の信憑性を増すためにここに掲載しておく必要があります。見るのが面倒な方は結論だけ見ていただければ結構です。
インペリアル・カレッジ・ロンドンで生物学の学士号と修士号を取得したのち、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンおよびロンドン動物学協会で進化生物学の博士号を取得したアランナ・コリンが2016年に書いた『あなたの身体は9割が細菌』にはこうあります。
ブルキナファソの子供たちのマイクロバイオームを遺伝子解析すると、プレボテラ属とキシラニバクテル属の細菌が75%という高い割合で見つかる。(中略)ブルキナファソの子供はプレボテラとキシラニバクテルを腸に棲まわせているおかげで、食事の大半を占める穀類や、豆類、野菜から、より多くの栄養を引き出すことができる。
一方、イタリアの子供の腸には、プレボテラもキシラニバクテルもいない。植物性の餌が常時なければ生き残れない両グループの細菌は、イタリア人の腸内では適応できないからだ。その代わり、イタリアの子供の腸内ではフィルミクテス門の細菌が繁栄している。
ここで一度まとめましょう。
各国の人の腸の中にいる細菌
ブルキナファソ人 | プレボテラ、キシラニバクテル |
---|---|
イタリア人 | フィルミクテス門 |
この時点で、各国の人によって腸内細菌の種類が違うということがわかりますね。そして本にはこう続きます。
植物性食品に富む食生活は、痩せ型のマイクロバイオータを育てる。アメリカで、ボランティアによる試験がおこなわれた。肉や卵、チーズなど動物性食品を食べるグループと、穀類や豆類、果物、野菜など植物性食品を食べるグループに分かれて腸内微生物がどう変化するかを観察する試験だ。
予想通り、腸内細菌の組成比バランスは変わった。植物食のグループは植物の細胞壁を分解できるタイプの細菌を急速に増やした。動物食のグループは植物好きの細菌を失い、逆に別のタイプの細菌ーたんぱく質を分解し、ビタミンを合成し、炭化した肉に含まれる発がん物質を解毒するタイプの細菌ーを増やした。
ここで挙げられているのは、『腸内細菌のすばやい順応性』についてです。肉を食べれば肉を分解できる腸内細菌が、植物類を食べればそれを分解できる腸内細菌の組成比に変わるわけです。そしてこう続きます。
たとえば、寿司好きの日本人にとって海苔は食生活の大きな部分を占める。日本人の多くは、海藻に含まれる炭水化物を分解するポルフィラナーゼという酵素をつくる遺伝子をもつ細菌(バクテロイデスス・プレビウス)を腸内に棲まわせている。この遺伝子は元来、海藻の共生菌であるゾベリア・ガラクタニボランスの遺伝子だ。日本人の腸内にいるバクテロイデス・プレビウスは、過去のいつかの時点でゾベリア・ガラクタニボランスの遺伝子を盗み取ったようだ。
思うに、私たちが多種多様な食べ物から栄養を摂取するのを可能にしている微生物や微生物遺伝子の多くは、当初はその食べ物に共生していた細菌に由来するものなのかもしれない。
では先ほどの表に日本人の腸内細菌を付け足してみましょう。
各国の人の腸の中にいる細菌
ブルキナファソ人 | プレボテラ、キシラニバクテル |
---|---|
イタリア人 | フィルミクテス門 |
日本人 | バクテロイデス・プレビウス |
ここで言いたいのは、『人の腸内細菌は食生活によって変わる』ということです。そして、その順応性もすばやい。肉を食べればたちまち肉を分解するのに長けた腸内細菌が増えます。しかし先ほど、『欧米人に比べて腸の長い日本人』とありましたね。このように、長い時間をかけてそれぞれの人々の内臓や腸内細菌の組成比というのは形作られてきました。
例えば4万年前、日本を含む東アジア全域には濃い顔の人類が暮らしていました。3万年前に濃い顔の一部がシベリアに進出し薄い顔が生まれたんですね。シベリアはとても寒い地域です。どんなに防寒具をそろえても、顔だけはどうにもなりません。そこで、平面的な顔への変貌が始まるわけです。寒い空気に触れる面積を小さくしなければならない。そして生まれたのが平べったい『薄い顔』なんですね。
黒人の肌が黒いのもその環境が影響しています。黒人の黒い色の正体は『メラニン色素』という『紫外線バリア』です。『天然の日傘』ともいわれていますね。そして肌の色が白くなるほど、紫外線にあまり当たらない地域での生活が適していることになります。
つまり、このようにして長い時間をかけて作り上げられた、腸内細菌も含めた各人の特徴は、たとえその順応性が素早いものだとしても、そう簡単にはいかない部分があります。例えば、
これらの食事を日本人がするとどうなるでしょうか。もちろん、どうにもならない人もいます。しかし、多くの人は腹を壊したり、何らかの体調不良を訴えるのではないでしょうか。特にインドの水ですよね。しかし、その水をインド人は平気で飲むわけです。
先ほどの『腸内細菌の順応性』で言えば、もしかしたら腹を壊し続ける覚悟で水を飲み続ければ、日本人もいつかはその水を飲めるようになるかもしれません。しかし、それまでの時間がとても苦痛ですし、身が持つかどうかもわかりません。
例えば当サイトでもたびたび扱うイヌイットの話があります。『科学でわかった正しい健康法』にはこうあります。
肉しか食べないイヌイットは我々より健康である!
イヌイットに会ってみたい。数十年前からイヌイットの存在そのものが、健康業会をいら立たせてきた。北極圏の酷寒のなか、彼らはほぼ肉、魚、脂質しか摂取しないという食生活を送っている。野菜はゼロに近い。果物もゼロに近い。炭水化物もゼロに近い。1日のメニューはこんな感じ。
- 朝食 肉
- 昼食 肉
- 夕食 肉
だからこそ、現代の栄養学の世界ではイヌイットの存在が厄介な問題となっている。こんな食生活を送っているのに、イヌイットが健康だからだ。摂取するカロリーの約7割を脂質からえているにもかかわらず、複数の観察研究が、僕たちの心臓と比べて、イヌイットの心臓のほうが健康であることを示したのだ。
イヌイットの人々は朝から晩まで肉ばかり食べておきながら、一般人よりも健康体をキープしています。しかし、実はイヌイットの人々は動物の、
そのすべてを食べるのです。ですから、脳や肝臓、あるいは骨に含まれているビタミンをしっかりと摂取していて、血も飲み干します。ビタミンA、E、そしてB群のすべてが肉には豊富に含まれているので、とても健康でいられると、当サイトでも書いてきました。
しかし、その後読んだこの腸内細菌の話を考えると、もしかしたらイヌイットの人々は、はるか昔からこのような生活をしてきたからこそ、この肉食で健康をキープできる体質になったのかもしれません。つまり、日本人やその他がイヌイットの人々のマネをしても、体を壊すかもしれないのです。
『食の欧米化』というのは、戦後間もなくからのことです。つまり、 まだたったの70年しか経っていません。これだけの時間では、日本人が長い間行ってきた『肉を食べない生活』によってできた『体質』が、まだそれらを適切に処理するまでに至らない可能性が高いのです。
つまり、『日本人と肉はあまり相性が良くない』ということですね。それは、先ほどの記事に書いた『飛脚と肉』の話を考えてもうなづける話です。
ベジタリアンにはワキガは少ない?肉食と菜食が与える体臭への影響 – Inquiry. |
という理由からも、ここで挙げられている『肉類、揚げ菓子、砂糖、抗生物質が悪玉菌優勢に導く』という事実は、注目に値するものです。
腸内を腐敗させる原因はまだまだあります。
『精白された炭水化物』も腸内腐敗の原因です。
等を食べると不完全燃焼を起こし、あるいは体内のミネラルバランスを崩し、善玉菌に悪影響を与え、腸内腐敗の原因となります。『香辛料等の刺激物』も同じです。
等のスパイシーで動物性の脂分やたんぱく質を多く摂りすぎると、腸内細菌の働きを損ないやすくなります。
それから『過酸化脂質』です。『からだのニオイは食事で消す —体臭は内臓からの注意信号』にはこうあります。
酸化された脂質が体臭を発生させる
体臭の発生に、もうひとつかかわっているものがあります。それが過酸化脂質の問題です。過酸化脂質とは、コレステロールや中性脂肪といった体のなかの資質が、活性酸素(フリーラジカル。攻撃性の強い悪玉の酸素)によって参加されたものをいいます。
動物性食品由来の脂肪分(脂肪酸)に過酸化脂質が作用すると、悪臭となります。これは、脂が酸化すると、体臭が発生するということで、肉類やバター、マヨネーズ、ナッツ類などの『脂質摂取』が多くなるほど、体臭は強くなるのです。
過酸化脂質は、
等によって発生する『活性酸素』が原因で引き起こされるものです。これはニキビの原因でもあります。『医師によるニキビ・ニキビ跡・毛穴の開き完全治療マニュアル―ニキビは皮膚病の一種です!!』にはこうあります。
活性酸素の害
(省略)すでに紹介したように、皮脂が毛穴に詰まってしまうことがニキビのそもそもの原因です。とはいえ、それだけではニキビにはなりませんし、炎症を起こすこともありません。毛穴に詰まってしまった皮脂が酸化されて、遊離脂肪酸や過酸化脂質という物質に変わると、コメド(面皰)が作られ、ニキビが発症するのです。コメドが炎症を起こし、ニキビを悪化させるのも、酸化が大きな要因です。
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活性酸素は皮脂を酸化させますが、厳密に言うとそのあと遊離脂肪酸や過酸化脂質という物質に変わってしまい、ニキビの原因を作ってしまうわけですね。ですから、あまり体内に活性酸素を多く産生させたくないのです。
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そしてこれはニキビだけじゃなく、『体臭』の原因ともなります。活性酸素はストレスによっても発生しますが、ストレスを負うとこういう流れができます。
また同じように『便秘』も腸内腐敗の原因です。便秘になると腸内腐敗が起き、悪玉菌が増え、体臭の原因となります。もちろん口臭の原因ともなります。
悪玉菌にも一応の役目があり、善玉菌にできない分解をしてくれます。しかし、それと引き換えにニオイ物質を引き起こしてしまうことが玉に瑕なわけです。
この腸内環境を善玉菌優勢にし、腸内腐敗をなくすためには、常に善玉菌優勢にすることを意識する必要があります。
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例えば、善玉菌に有効な食材を摂るわけですね。すると腸内で善玉菌が優勢になり、腸内フローラの環境がよくなり、悪玉菌が原因の口臭を抑えることに繋がるわけです。善玉菌に有効な食材は、
とたくさんあります。とにかく、腸内フローラの環境を良くする食品を意識して摂ることが、様々な問題を解決するのです。
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まあここにあるニンニク、ネギ、チーズ、納豆等の食物は口臭の原因にもなってしまうのですが、長期的に考えると善玉菌を優位にするので優秀な食材ということになります。
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腸内環境を整える食材や栄養素
発酵食品 | キムチ、納豆、ぬか漬け、粕漬け、みそ、しょうゆ |
---|---|
オリゴ糖を含んだ食物 | 玉ねぎ、大豆、ごぼう、アスパラガス |
食物繊維 | こんにゃく、海藻類、玄米、芋類、きのこ類、野菜類 |
ビタミン | A、C、E、B群 |
ミネラル | 海藻、緑黄色野菜 |
乾物 | 乾燥ひじき、高野豆腐、切り干し大根、干しシイタケ、かんぴょう |
腸と同じ形をした野菜 | 長ネギ、大根、自然薯、くず |
これらの食事を意識して摂れば、腸内腐敗での口臭というのは抑制することができます。もちろん実際にはそんなに単純ではなく、先ほど考えた『腸内細菌』の存在次第で、状況が変わることがあるかもしれません。
ただ、少し栄養のことを学んだ人なら、ここに挙げられている食材がどれほど優秀なんかということがわかるはずです。ビタミンACEに関してはフルーツ等も入ってきますからね。カラフルな野菜や果物を摂ることの恩恵はとても大きなものです。
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