ニキビと吹き出物の違いは年齢によって変わる?
答えはNoです。
医学的には吹き出物という概念はありません。皮膚科ではニキビも吹き出物も区別しておらず、どちらも『尋常性挫創(じんじょうせいざそう)』です。
先生
ハニワくん
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医学的には吹き出物という概念はない
ニキビも吹き出物も、同じものです。『ようこそ!私のニキビクリニックへ―さあ、お入りください。ニキビ完治への最後のドア…』にはこうあります。
『10代まではニキビ、25歳を過ぎたら吹き出物』とよくいわれます。したがって、30代、40代の人にはニキビはできず、できたものは吹き出物だと思っている人は多いのではないでしょうか。しかし医学的には吹き出物という概念はありません。皮膚科ではニキビも吹き出物も区別しておらず、どちらも『尋常性挫創(じんじょうせいざそう)』といいます。これは毛穴にできた炎症のことで、10代のニキビも、30歳、40歳になってからできる吹き出物も、同じ症状を示す毛穴の炎症は全部『尋常性挫創』つまりニキビなのです。
つまり、
- ニキビ=吹き出物=尋常性挫創
ですね。これらは全て同じものだということになります。しかし、尋常性挫創と呼ぶのは面倒ですからね。ニキビと吹き出物という形で、言いやすい言葉が浸透しています。例えば、その他にもそういう例はあります。
- 男性型脱毛症=AGA
- PDE5阻害薬=ED治療薬
- 外陰部臭症=すそワキガ
等ですね。どれも言いやすい言葉が浸透していて、正式名称は覚えにくいのか言いづらいのか、浸透していません。尋常性挫創も同じことですね。
先生
ハニワくん
10代まではニキビ、25歳を過ぎたら吹き出物?
ではなぜ『10代まではニキビ、25歳を過ぎたら吹き出物』と区別して言われることがあるのでしょうか。『医師によるニキビ・ニキビ跡・毛穴の開き完全治療マニュアル―ニキビは皮膚病の一種です!!』にはこうあります。
ホルモンバランスの乱れが第一の原因
思春期を迎えた10代のほとんどの人がニキビに悩みます。これは、第二次性徴期を迎えて性ホルモンのバランスが大きく乱れることが原因です。性ホルモンにはアンドロゲン(テストステロン)に代表される男性ホルモン、卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)といった女性ホルモンがありますが、第二次性徴期を迎えると男性ホルモンの分泌が盛んになります。この男性ホルモンの働きによって、皮脂を分泌する皮脂腺が増大し、また皮脂の分泌量も多くなるため、皮膚はどうしても油っぽくなってきます。
ここで、思春期にニキビができる原因と流れを見てみましょう。
このようにして、ニキビというのは第二次性徴期を迎える思春期に一番多く見られる症状です。男性ホルモンの分泌が盛んになることが原因で、皮脂の分泌が過剰になるこの年代の男女の間に、ニキビが多発するんですね。
『これでわかるニキビの治療とケア~安易に抗菌薬に頼っていませんか?~』(南江堂)にはこうあります。
Q3.いつごろ(何歳)までニキビは続くのですか?思春期でもないのにニキビになるこっとってあるんですか?(43歳女性より)
A.一般に女性では12~13歳ごろからニキビができはじめ、ピークは女性では17~18歳、男性では19~21歳ごろです。このような思春期のニキビはいわば生理的なニキビと考えられ、3~4年で消失する場合がほとんどです。しかし、なかには25歳ぐらいから発症し始める場合や40歳、50歳、まれに70歳代になってみられるニキビも報告されています。
ニキビのピーク
男性 | 19~21歳 |
---|---|
女性 | 17~18歳 |
このような事実が、『ニキビは思春期特有のもの』という印象を強くしてしまい、『10代まではニキビ、25歳を過ぎたら吹き出物』と区別して言われるようになったと考えることができます。しかし実際には10代だろうが60代だろうが、できた吹き出物は全て尋常性挫創。つまりニキビなんですね。
先生
ハニワくん
- 医学的には吹き出物という概念はない。
- ニキビ=吹き出物=尋常性挫創。
- 10代だろうが60代だろうが、できた吹き出物は全て尋常性挫創。つまりニキビ。
ニキビっぽいけど、違うやつ
ただ、『吹き出物』というのは往々にして、『ニキビっぽいけど、これは違うやつだ』と感じるときにも使う言葉であることが多い印象があります。例えば『あせも』ですね。あれはニキビではありませんが、似たような、水泡のような、そういうものができるときもあります。それらをひとくくりにして『吹き出物』と言うときがあり、それもニキビと吹き出物が区別されている理由の一つかもしれません。
『これでわかるニキビの治療とケア~安易に抗菌薬に頼っていませんか?~』(南江堂)ニキビに似た症状として、以下のような病気を挙げています。
1.毛包中性挫創(もうほうちゅうせいざそう)
ダニが原因の肌荒れ。
2.酒さ(しゅさ)
鼻や頬、顎などが赤くなる病気。30~60歳に生じることが多いが、小児の報告例もある。女性に多い。
3.口囲皮膚炎(こういひふえん)
口の周りやアゴの周辺にできる赤い発疹のこと。25~40歳で生じることが多い。口囲を中心に1~2㎜の炎症性丘疹がみられる。とくにアトピー性皮膚炎の患者に多く、ステロイド外用薬との関連性が高いとみる意見も多い。
4.酒さ性皮膚炎(しゅさせいひふえん)
ほとんどの原因はステロイド薬の長期服用だと考えられている。
5.脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
皮脂分泌の多い脂漏部位に生じる湿疹の一つ。
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6.汗疹(あせも)
0.3~0.5㎜程度の小水疱で、大量の発汗によって生じる皮疹。
7.顔面播種状粟粒性狼瘡(がんめんはしゅじょうぞくりゅうせいろうそう)
顔面の上下瞼、頬、鼻側方に多く、通常は左右対称にできる。2~5㎜程度の丘疹、膿疱として見られ、思春期ごろから発症することや、ときに中央が陥没していることからニキビと間違えやすい。以前は結核症のひとつと考えられていたが、最近は毛包に対する免疫反応と考えられている。
8.好酸球性膿疱性毛包炎(こうさんきゅうせいのうほうせいもうほうえん)
顔面や胸部によくできる、かゆみを伴う好酸球性の膿疱が再燃する疾患。脂漏性の人に多く、20歳代に好発することなどから、ニキビと間違えられることもある。
9.汗管腫(かんかんしゅ)
汗を出す管である汗管が、腫瘍性に増殖することで発生する病気。
汗管腫(かんかんしゅ)syringoma 治療
10.皮膚腫瘍(ひふしゅよう)
大型の腫瘍で間違えることはないが、初期のものや小型のものでは、ニキビと間違えることもある。皮膚腫瘍の種類は非常に多く、『稗粒腫』、『粉瘤』などがある。
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11.疣贅(ゆうぜい)
ヒトパピローマウイルスによって生じる疾患で、皮膚の表面にできる小さく丸い角質の突起物。いぼ。
12.外歯瘻(がいしろう)
歯性の化膿性炎症が限局化し膿瘍を形成し、自然治癒として自壊すると膿汁を排出する痩孔を形成するもの。ニキビと合併している場合に問題となることがある。
このうち、いくつかの皮膚病は、ニキビと間違えるようなこともあります。
- 顔面播種状粟粒性狼瘡
- 好酸球性膿疱性毛包炎
- 皮膚腫瘍
などがそうですね。つまり、妙にニキビとは違う感じがする、といったこのような皮膚病を患った場合、
なんか吹き出物ができたなあ…
と考えるのが日本人の中ではよくあることなのではないでしょうか。
先生
ハニワくん
- ニキビに似た症状を確認する。
口唇ヘルペス
例えば私も口周りに『白いぶつぶつ』ができることがありますが、どうもニキビとは違うものに見えます。いつものように無理矢理潰そうと思っても、この部分のできものは、なぜか血がにじむだけで、『潰してはいけない感』が出るのです。ですから、『いつもなら潰せるはずのニキビではないできもの』ということで、このできものを『ニキビ』ではなく『吹き出物』と呼びたくなります。しかし、そういうときは『チョコラBB』等のビタミンB2を摂ると、かなりの確率で治ります。
下記の記事に書いた、部位別のニキビの原因を見てみましょう。
『口周り、頬、顎、頭皮、耳、背中、胸、お尻』にニキビができる原因は全部違う?取るべき予防と対策を一挙公開!
ニキビの場所を見る
おでこ | 額にぶつぶつとできるニキビは、精神的ストレスやそのストレスからくる消化不良などが原因であることが多い。 |
---|---|
頬、口周り | 肝機能や肺が弱っているときには頬、胃腸が不調なときは口周りに出やすい。ともに『美容ビタミン』と呼ばれるビタミンB不足。 |
顎(下部) | 顎の下部に白いニキビができたら、過剰なコレステロールを疑ってみる。運動不足が原因のことも。 |
顎(中心、サイド) | 自律神経やホルモンバランスが乱れると、顎の中心やサイドにニキビが出やすい。生理前のニキビもこのあたり。 |
参照『1日3分!佐伯チズの絶対きれい「ニキビ・毛穴」すっきり』
口周りのニキビは、ビタミンB不足とありますね。確かにそれができる時期は、
- 暴飲暴食をした
- 薬をたくさん飲んだ
- 睡眠不足
等の思い当たる節がいくつかあります。したがって、肝機能や胃腸が不調になっている可能性があり、そこにビタミンBがよく働いたと考えられるのです。そう考えると、その吹き出物も、結局は『ニキビ』ですね。
また、私の知人に『口唇ヘルペスができた』と言っている人がいましたが、その人は、『ヘルペスは疲れている証拠。よく働いていて、忙しい人がなる証拠』だという知識があり、ちょっとヘルペスへの妙な憧れを抱いている人でした。
しかし実際に口唇ヘルペスの持病を持っている私からすれば、それがヘルペスかそうじゃないかは一目瞭然。ヘルペスは確かに初期の段階で、一時的に白い水泡のようなものができますが、もっと、『白ニキビ』のような状態というよりは、『火傷後の水泡』のように、大小の水泡がいくつも重なってできて、痛々しく腫れあがります。
「口唇ヘルペス」【吉田たかよし】90秒でわかる 医学解説その17
彼のその『自称ヘルペス』は、白ニキビ的状態から、時間をかけても一向に水泡状に腫れあがることはなかったので、胃腸の荒れや睡眠不足からくるニキビだったと考えられるでしょう。もしヘルペスだった場合は、下記の記事にも書きましたが、
- ストレスを溜めない
- 仮眠をよく取る
- ビタミンCを取る
- 少しでも痒くなったら薬を使う
というポイントを押さえるだけでかなりその発症と悪化を予防することができます。
口唇ヘルペスは悪化したら、カリフラワーのように肥大化し、激しい痒みと痛みを覚えますので、とてもじゃありませんが痛み止めなしでは生活できません。したがって、なるべくウイルスが暴走する前の段階でケアをすることが大切です。
私はもう20年もつきあっているから言えるのですが、特に『仮眠』を導入することによって、劇的に発症が抑制された印象です。もうずいぶん長い間、肥大化したヘルペスウイルスを見ていませんね。ちょっとでも痒いと思ったら、寝に入る瞬間でも無理矢理起きて洗面台に行き、薬を塗ってから寝ます。そうすることで、ウイルスの暴走を抑制することができるんですね。
ヘルペスだった場合、それを無理矢理潰すようなことはしてはいけません。ただただ悪化するだけですからね。私も一度やろうとしたことがありますが、絶対にこれ以上やってはいけない雰囲気になって、途中でやめました。あのまま無理矢理力づくに潰していたら、大きな後になるか、ひどい炎症を起こしたことでしょう。
下記の動画では、口周りのニキビの対処法について説明しています。
口の周りのニキビ 治し方をプロが伝授!
- 石鹸で洗顔する
- ビタミンC入りの化粧水を使う
- 保湿美容液を使う(油分の少ないもの)
- 6時間以上の睡眠を取る
このあたりについては当サイトでも詳しく書いていますので、併せてご確認ください。
ニキビに必要なスキンケア(肌断食)
先生
ハニワくん
- ヘルペスだった場合、それを無理矢理潰すようなことはしてはいけない。
- 口周りのニキビの対処法を確認する。
- 口周りのニキビは案外チョコラBBですぐ治る。
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