ダニが原因にニキビになる?
いいえ。
ダニが原因でできる肌荒れはニキビ(尋常性挫創)ではなく、『毛包中性挫創(もうほうちゅうせいざそう) 』です。
先生
ハニワくん
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ダニが原因でニキビにはならない
下記の記事にも書きましたが、当サイトを制作するにあたって、記事に書いただけのニキビの専門書があります。かなりの量です。
しかし、マスクやステロイド同様、『ダニ』が原因でニキビになるということについて触れている本は一冊もありません。したがって、ダニが原因ではニキビになることはないと考えるのが一般的な考え方となります。ではここで、ニキビができる原因を見てみましょう。
ニキビができる原因(内因性)
ニキビができる原因(外因性)
その他
ニキビは一つの原因によって発症するわけではないので、このすべての要素を最適化することが求められます。これはそれらの本からまとめニキビが出来る原因ですから、信憑性が高いものです。しかし、ここに『ダニ』はありません。本にもそのように記載するものが一冊もありません。
先生
ハニワくん
毛包中性挫創(もうほうちゅうせいざそう)とは
ただし、『ダニと肌荒れ』について書いてある本があります。
記事にも書きましたが、『これでわかるニキビの治療とケア~安易に抗菌薬に頼っていませんか?~』(南江堂)ニキビに似た症状として11種類の病気を挙げていますが、そのうちの一つに、
ダニが原因の肌荒れ。
というものがあります。これはダニが原因の肌荒れであり、今回のテーマに関係すると考えられます。本にはこうあります。かなり専門的な本なので、表現が難しいですね。医師に向けた内容です。
毛包中性挫創
毛包虫はニキビダニ属に分類され、毛包脂腺に常在性に寄生する。体長は0.1~0.3㎜である。肉芽腫様の毛包炎をきたす場合と、丘疹・膿疱主体の挫創様型に分けられる。顔面に好発する毛包に一致した膿疱やニキビ様の丘疹は、ニキビの所見と一致しているが、局面全体が湿疹状を呈する。時に灼熱感や(かゆみ)を生じる。ステロイド薬の外用後に生じることが多い。
医師が、『ニキビと間違えやすい肌荒れ』を見分けるときに見る本ですね。ですから、記事に書いたような以下の皮膚病は、全て『ニキビではない』ということになります。
- 毛包中性挫創(もうほうちゅうせいざそう)
- 酒さ(しゅさ)
- 口囲皮膚炎(こういせいひふえん)
- 酒さ性皮膚炎(しゅさせいひふえん)
- 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
- 汗疹(あせも)
- 顔面播種状粟粒性狼瘡(がんめんはしゅじょうぞくりゅうせいろうそう)
- 好酸球性膿疱性毛包炎(こうさんきゅうせいのうほうせいもうほうえん)
- 汗管腫(かんかんしゅ)
- 皮膚腫瘍(ひふしゅよう)
- 疣贅(ゆうぜい)
- 外歯瘻(がいしろう)
『毛包虫』という『ニキビダニ』の一種が原因で、皮膚にニキビと似たような炎症や吹き出物を作るんですね。多くはステロイドを使用しているときに出ることが多く、ステロイドを使用している場合は中止することが求められます。元々、ステロイド自体が体によくないという意見がありますからね。ただ、状況はいくつもありますので、専門医と相談して決めましょう。
タレントのりゅうちぇるさんが、
と発言したことで有名になったようですが、この言葉からもわかるように、『ニキビだと思っていたら、違った。ダニだった』ということですね。つまり、ダニが原因で起こる肌荒れの『毛包中性挫創(もうほうちゅうせいざそう)』は、ニキビ(尋常性挫創)ではないのです。
先生
ハニワくん
常に存在している常在菌や腸内細菌
これらの顔ダニは、すべての人に寄生しています。そう考えると気持ちが悪いと思うかもしれませんが、野生の動物を思い出したとき、川で水浴びをしている動物の体の上に、鳥や昆虫などが一緒にいる姿を見ることがありますね。本来動物は、様々な生き物と一緒に共生しているものです。人間が綺麗好きになりすぎたんですね。自分の家に虫が一匹出ただけで大騒ぎです。『害虫駆除』をしようと躍起になります。
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赤ちゃんは、ハイハイをして地面にある埃を吸って、免疫力をつけます。もし赤ちゃんを『あらゆる外的から守りたい』などと言って、完全無菌室に隔離して生活させようものなら、抵抗力がなくなって実世界で生きていくことができなくなります。
外部の菌に対する考え方だけではありません。インペリアル・カレッジ・ロンドンで生物学の学士号と修士号を取得したのち、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンおよびロンドン動物学協会で進化生物学の博士号を取得したアランナ・コリンが書いた『あなたの身体は9割が細菌』にはこうあります。
腸内細菌の比率が変化すると、食べ物からエネルギーをどれだけ引き出すかを決めている。私たちが食べたものは、私たちが大腸の内壁から吸収できるほど単純な形になっている。ある菌種は、肉に含まれるアミノ酸分子を分解するのに必要な遺伝子をもっているかもしれない。別の菌種は、緑の野菜に含まれる長鎖の炭水化物を分解するのに適しているかもしれない。また別の菌種は、小腸で吸収されなかった糖分子を回収するのが得意かもしれない。私たちが食べる食べ物によって、腸内で優勢になる菌種が変わる。たとえば、ベジタリアンの腸内にはアミノ酸の分解が得意な菌種はそう多くないだろう。そうした菌種は肉の安定供給がなければ繁栄できないからだ。
つまり、人間の体内にも様々な菌がいるわけです。『善玉常在菌』から、『悪玉常在菌』まで、様々な菌がいます。それらの菌は、ダニよりも小さい生命体なわけです。その菌の存在を否定し、自分という生命体を『完全に孤独』にすることは、人間を否定することになります。
『私たちが食べる食べ物によって、腸内で優勢になる菌種が変わる』。人はこのようにして、様々な『自分以外の生命体』に支えられて生きているのであり、時にそれは、言い方を変えると『支配されている』ことになります。その存在がなければ、健康に生きていくことができない。つまり、生物多様性を理解し、共生していく考え方が、この世に住む動物の生き方として、ふさわしいのです。
先生
ハニワくん
ダニが原因でニキビにはならない
潔癖症の過剰な対応は単なる『知識不足』
本にはこうあります。
しかし、この21,000個の遺伝子だけがあなたの身体を動かしているのではない。あなたは『ひとり』で生きているわけではない。人体は、共存共栄しながらあなたの身体を維持している生物種の『集合体』である。ヒト細胞はたしかにサイズや重量の点では大きいが、数で比べれば共生微生物のほうが10倍も多い。マイクロバイオータと呼ばれる100兆個の矯正微生物は主に、たったひとつの細胞で出来ている細菌だ。微生物には細菌以外にも、ウイルス、菌類、古畑菌などがいる。
『顔にダニがいるから気持ち悪い』という考え方は、『強迫神経症』の人からすれば酷な現実でしょう。彼らの中には、異常な潔癖症がいて、外界のダニやホコリ、汚れなどを一切自分の部屋に持ち込みたくないと考え、部屋に入るまでに1時間以上の殺菌・除菌を行う人がいます。外で手袋をするのは当たり前で、何を触るにもまず殺菌してから。彼らは人一倍外界にある汚れに敏感で、『自分ひとり』で生きていきたいと願っているのです。
しかしそれは単なる『知識不足』です。どんなに空気清浄をして、洋服を綺麗に掃除したとしても、赤外線で見るとたくさんホコリや汚れがついています。また、言ったように人間の皮膚や体内には常在菌といった『自分ではないもの』が棲みついているのであり、その事実がある以上、彼らは矛盾した行動を取っていることになるのです。
彼らは、『自分が納得するまで』清潔にします。結局は、自分の心の問題なのです。つまりは、心を最適化すれば、問題は解決するということ。だとしたら、そのような『認知の歪み』を受け入れ、『真実(ありのままの現実)』を直視することで、その心は最適化できます。
先生
ハニワくん
『人間に害を与えない生命体』には優しくしたい
私もきれい好きだからよくわかります。また、ハウスダストアレルギーだから、埃やチリダニが嫌いです。『新編 花粉症の最新治療』にはこうあります。
もし一年中症状があるなら、その原因としてはチリダニアレルギーが疑われます。家の中のほこりに交じっているチリダニの死骸や排泄物がアレルゲン(アレルギーの原因物質)となり、アレルギー性鼻炎などを起こしていると考えられるのです。チリダニは一年中生息しているので、通年性の症状が出ることになります。
蚊もゴキブリも大嫌いです。害虫と呼ばれる、人間に害を与える虫も嫌いです。しかし、存在する。そして彼らからすれば駆除する我々は、『害人』。このような図式をしっかりとイメージすることが大事です。つまり、たしかに人は、人の健康を損ねる外敵と一緒に生きていくことはできないでしょう。下の図は、ビル・ゲイツが発表した『人間に害を及ぼす動物(昆虫)』のランキングであす。
2位に人間がいるということは今回のテーマからずれるのでさておき、一位に『蚊』がいますね。蛇や蜂などもいます。人間はこのような生命体と一緒に生きていくことは難しい。ですから、時に駆除したり、心で嫌ったりすることがあるのは当然です。しかし、『存在を全否定する』のは間違いですし、善玉常在菌や腸内細菌等の『人間に害を与えない生命体』には優しくしたいのです。我々は人懐こい犬や猫なんかに好意を持ちますが、同じような考え方で、彼らの存在を認めたいのです。
先生
ハニワくん
ステロイドを使ってはいけない?
さて、顔にダニがいるということについては受け入れられるとした場合、そのダニが、なぜ暴れて毛包中性挫創になってしまうかということを考えましょう。一つは挙げたように、ステロイドの使用が関係しています。もし使用している場合は、その旨を専門医に相談したうえで、使用の中止を検討しましょう。ただし本には、『ステロイドは使用せず、市販のニキビ治療薬を使用して毛包中性挫創になった』例が記載されています。ですから、ステロイドだけじゃなく、そうした外部要因も、この皮膚病の原因になることがあるようです。
先生
ハニワくん
皮脂を餌にするという事実に注目
また、顔ダニは『皮脂』を餌にします。先ほどの『ニキビができる原因』にも、皮脂の分泌が過剰になるような要素が挙げられていますね。ではここで、思春期にニキビができる原因と流れを見てみましょう。
なぜ思春期のケースを持ちだすかというと、ニキビができる原因というのは複雑であるからして、一例を出すことしかできないからです。ここではわかりやすく思春期にニキビができる原因と流れを載せました。
皮脂が過剰にあるせいで、アクネ菌が増殖し、コメドができ、ニキビとなるとあります。これはダニの暴走とも無関係ではなさそうです。皮脂を餌にするのはアクネ菌だけではなく、ダニもそうだからです。だとしたら、対策はニキビと似たようなものになりますね。先ほどの『ニキビができる原因』のすべてを最適化すれば、ダニの対策にもなるのです。
例えば、睡眠不足で免疫力が低下すれば、こうした『他の生命体』の暴走を食い止めることができなくなることがあります。私などは体内に『ヘルペスウイルス』を宿していますから、免疫力が低下したとき、唇がこのウイルスによって食い破られ、ひどい痛みと痒みを覚えてしまいます。
先ほど挙げたニキビの原因、すべての要素を最適化することが求められますね。素人がニキビとそれ以外の肌荒れを見極めるのは難しいので、少しでも違和感を覚えたら、皮膚科に行くようにするのが最善です。
先生
ハニワくん
- ダニが原因でニキビにはならない。
- ダニが原因の肌荒れは、毛包中性挫創(もうほうちゅうせいざそう)。
- 多くはステロイドを使用しているときに出ることが多く、ステロイドを使用している場合は中止することが求められる。
- 顔ダニは、すべての人に寄生しているが、常在菌も同じである。
- 自分という生命体を『完全に孤独』にすることは、人間を否定することになる。
- 潔癖症の過剰な対応は単なる『知識不足』。
- 善玉常在菌や腸内細菌等の『人間に害を与えない生命体』には優しくしたい。
- ステロイドだけが毛包中性挫創の原因ではない。皮脂を餌にするのはアクネ菌だけではなく、ダニもそう。
- 『ニキビができる原因』のすべてを最適化すれば、ダニの対策にもなる。
- 素人がニキビとそれ以外の肌荒れを見極めるのは難しいので、少しでも違和感を覚えたら、皮膚科に行くようにするのが最善。
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