キリスト教の礎 イエス・キリスト
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内省
先日『PRESIDENT』で美輪明宏の語る『正負の法則』というものを見たと思ったら、 昨日ブッダの言葉で『頑迷さを捨てるべきだ』と内省したところだ。そして今日聖書の言葉を内省しようと思ったら、『怒らずに耐えよ、自惚れるな』とあるではないか。
『正負の法則』というのは、 人生を生きていると、『正』の経験があれば、『負』の経験もある。 良い方に物事が転がっていると思ったら、それはいつまでも続くことは無く悪い方に事態は転落するし、悪い方に物事が転がっていると思ったら、それもいつまでも続くわけではなく、いずれ耐え忍んでいれば事態はいい方向に発展する、というもの。
だからいちいちそのたびに、自惚れたり、落ち込んだりする必要はないということ。つまりこれは、私 がかつて恩師から教わった、『勝って奢らず、負けて腐らず』 だということなのである。
『頑迷さ』に関しては、『頑固さ』とは違うということ。意志が固いのとは別で、 意志が頑なになりすぎていて、それは傲慢である、ということ。柔軟性がないということだ。自分の意志で『波の流れ』に逆らえると思っている。その考え方は、危険なのである。
そして私は常々、孫子の兵法である『風林火山』を重んじてきた人間。『火』のように自分も相手も燃え尽きるまで攻めると思ったら、周りから見たら不気味さを覚えるくらい、『山』のようにピタリと動かなくなる。その背景にあるのはやはり、 この『自惚れるな』、『自分を過信するな』というテーマがあり、今回のテーマにあるように、『波乗り』を意識した考え方、あるいは戦略があるのだ。
物事には『時』というものがある。天の利、地の利、そして時の利を支配して、波乗りをする。自分の思い通りに行く(自分は波に逆らえる力がある)と思ったら、人生という海で、その波には乗れない。逆に、人間の力を過信したことで、波にのまれてしまうだろう。
ありとあらゆる知者が同じ警告をするこのテーマ。それでも逆らうか。それとも受け入れるか。人生とはそういう一つ一つの、トレードオフ(二者択一)で成り立っているのである。
参照文献
シラの書 第1章。
関連する『黄金律』
『流動変化が避けられないことを知っているかどうかは、人間の運命を大きく変える。』