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いや、ここに、
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- 信念
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といった高潔な心構えを持ってくれば、これは否定される。『自分が空腹だからと言って、隣人を愛せないのは、自分本位だ』というのが、前述した心構えを持つ、崇高な人間達の心構えだ。ウッドロー・ウィルソンの言う言葉の意味を、ちゃんと万人受けするように説明したいところなのだが、いかんせん、私はこのワンシーンを見てしまった。
だから無理なのだ。彼の言葉の肩を持つのは。しかし、私がこの男の生きざまを見て心を強く打たれてしまったのは、この男が『非常識』な行動を取ったからだとも言える。常日頃、この様な行動をとる人でこの世が溢れかえっていたら、私は毎日毎日感動してばかりで、この世に何一つ不満を覚えず、少年時代に心がひねくれることも無かった。だが実際にはウッドロー・ウィルソンの言う通りの現状がまかり通っている。例えば『四聖』に数えられる、
孔子、
彼が悪としたものは、
- 『利己』
である。孔子は、一人一人が利他的になり、礼を重んじて徳を積み、仁を得ることが出来れば、この世に法律や刑罰などは必要ないと考えた。儒教の考えは『徳』による支配の為、支配者がしっかりしていれば法律など必要ないと説いている。
しかし、それに異を唱えたのは韓非子である。人間は孔子の言うような高潔な存在ではない。『利己』に走り、損をすることを回避しようとする。それが人間の本性というものである。従って、法律によって刑罰を整えれば、人はそれを回避しようとして、犯罪を予防できる。法さえ完備していれば、国の秩序は保たれるとして、法の重要性を説いたのだ。
つまり、私は完全に『孔子派』だが、孔子は生前、同時代人の多くからは、出来もしないことをしようとしている身の程知らずや物好き扱いされていた(憲門第十四-四十)。それは韓非子も同じだ。実際には孔子の言う通りの世の中は来ない。人間は損得に支配されて生きている生き物なのだ。だから法律が必要だ。法律が人間の秩序を守るのだ。そう考えたのである。
『空腹では隣人は愛せない。』
人間はまず、自分の空腹を満たし、それで初めて人に尽くそうと思う。こういう考えは、多くの人間にとってのベーシックな考え方となるだろう。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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