名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!
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考察
これはなかなか難しい言葉だ。まず、『意味不明だ』と言った方が早い。そして、『酒でも飲んでいたのかサルトルは』と言ったり、あるいは『訳が間違ってるのか』とか、『映画のシーンか』とか、とにかく、この言葉だけを見て短絡的に考えると、そういう発想しか頭をよぎらない。そもそも『地獄』など存在しないのだ。
あるいは、作家、作家の五木寛之は、著書『大河の一滴』でこう言っている。
極楽浄土と一般に重ねていうところから、浄土と極楽は同じ世界のような受け取られ方をしがちだが、私はそうは思わない。浄土は極楽ではない。地獄・極楽とは人が生きている日々の世界そのもののことだろう。(中略)我欲に迷い、人や自然を傷つけ、執着深きおのれであるがゆえに、死んだあとの地獄行きを恐れているのではない。救いがたい愚かな自己。欲望と執着を断つことのできぬ自分。その怪物のような妄執にさいなまれつつ生きるいま現在の日々。それを、地獄という。
太宰治も、
と言っているが、これで見えて来るのはやはり『場所』ではなく、禍々しい人間の欲望が渦巻く世界、つまり地獄とは『人間の欲望』のことである。李元馥の著書、『世界の宗教―ユダヤ教・キリスト教・イスラム教・ヒンズー教・仏教・儒教・その他 (教養マンガ)』にはこうある。
『仏教信者が歩む道は神に向かってではない。宇宙と同じくらい広い自己の世界に隠されている極楽を求める努力だ。』
私もこれを見るまで誤解していたが、仏教の言う『極楽、地獄』という概念は、世の多くの人が認知しているあの世のことではない。自分の心の中のことを指し示していたのだ。
しかし、それは別に『他人』に限った話ではない。自分にもその欲望はある。例えば、ストーカー殺人はどうだ。こういうニュースがある。
元交際相手の女性に、「このままじゃ貴女を殺してしまいそうで怖いんです」などとメールを送り、女性を脅したとして、21歳の大学生の男が逮捕された。
彼の心には『地獄絵図の様な欲望』があり、彼はその地獄から抜け出すことが出来ず、さしずめそこを支配する鬼に心を囚われ、そして事件を起こした。このケースの場合なら、まだ殺害にまでは至っていないからマシだ。彼は心の欲望という地獄に堕ちながらも、わずかに良心を見失っていなかったのかもしれない。
しかし、やはりここまで考えてもサルトルの言葉が見えてこない。まさか、『人間は自分を棚に上げる』とか『灯台下暗し』とか、その方向ではないと思うが、珍しくここで強制終了だ。
追記:わかるはずのない世界という解釈もできる。(地獄も他人も、自分には一生わかるはずのない境地)
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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