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考察
”恋”というのは、ある種の”錯覚”である。その”錯覚”が、事実ではなく錯覚だと気づくには、経験を積むだけでいい。例えば私は、幼少の頃『金縛り』にあったこともあるし、『音が大きくなって襲ってくる感覚』に襲われたことが何度もある。そのたびに夜中、両親の部屋に入って助けを求めたものだ。それから『お化け』もそうだ。これは私が海外の人間だったら、『違うなにか』を見ていただろう。だがそれらはすべて”錯覚”だった。『金縛り』は、脳だけが軽く覚醒してしまい、身体だけが寝ている状態に起こる現象である。
『音が大きくなって襲ってくる感覚』も深くは解明していないが、成人してからあの感覚にベッドで寝ているときになったら、『その状態に身を任せる』ことをせず、意識的に解除しようと試みることで、難なく解決できた。『お化け』など、成人になる前に”錯覚”だと気づいた。つまり、精神状態が未熟な(無知である)ゆえに、『在るものが無い』、『無いものが在る』ような”錯覚”に陥っていたのである。
妹がまだ幼い頃、私は手品をして、見事に純粋に騙されているのを見て、私は試しにこう言い加えてみた。
すると、妹は信じ込んだのだ。これも”錯覚”である。
『恋は盲目』。これは言い伝えではなく、脳科学的に本当に『盲目状態』になるのだ。『テグメンタ』という脳の部位がある。そこが活発になっている状態が、その『盲目状態』だ。実はこの状態は、ヘロインを使用したときと瓜二つの現象だという。そう考えると、『薬物をやらなければ生きていけない』という依存症も、『あの人がいなければ生きていけない』という依存体質も、同じ『盲目』であり、”錯覚”だということがわかるはずである。
いずれ冷めて、別れることになる、『運命の人』ではないのに、『運命の人』だと感じてしまう”錯覚”。我々がこの”錯覚”を純粋に楽しめたのは、無知だった初恋をした、あの頃だけなのかもしれない。
だが、それでもたまに『運命としか思えない絆で結ばれた人』と出会うときがある。それが人生の楽しいところだ。それが”錯覚”だろうとそうじゃなかろうと、それを信じて生きることに、罪はなく、尊ささえ感じる。ちなみに私にはそういう人はいないが、今後そういう出会いをするか、子孫のために戦略的に伴侶を見つけるか、ロマンとリアルのどちらを選ぶか悩める、人生で一番楽しい時期である。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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