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種田山頭火『ああ酒、酒、酒、酒ゆえに生きても来たが、こんなものになった。酒は悪魔か仏か、毒か薬か。』

名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!

ふむ…。

運営者

考察

大酒のみだった山頭火は、あるときいつものように右も左もわからないほど酒を飲み、いきなり電車の前に飛び出して、仁王立ちした。運よく電車は緊急停車し、事なきを得たが、この事件をきっかけに山頭火は寺の和尚に預けられ、放浪の旅を始めるのである。それでも酒を飲んだ。無銭飲食もした。酒というのは、なんだろうか。飲んでみればすぐにわかる。仏と、薬と言いたくなるのも、よくわかる。

 

例えば落ち込んでいる人、ストレスがたまっている人、鬱屈とした人が酒を飲めば、理性のタガが外れ、その鬱憤を晴らすことが出来るだろう。何かを祝われてうれしい気持ちになった人はその気持ちが更に大きくなる。楽しい気持ちが助長され、膨張し、弾けることが出来る。こういう体験をした人であればみんな、その意味がよくわかるだろう。

 

では、悪魔か、毒かというのはどういうことだろうか。山頭火のように、別に自殺願望があるわけではないのに、電車の前に飛び出してしまう。それから、意識が酩酊してしまえば、殺す気もないのに、人を殴り、あるいは人を轢いてしまう。それはまるで、悪魔が乗り移ったかのようだ。自分の意志とは関係なく、行動してしまうのだから。そして、アルコールの飲みすぎは、確実に身体をむしばんでいく。

 

『沈黙の臓器』というのは、肝臓のように、これといった症状、サインが出ない内臓のことだが、自覚症状がなくても、アルコールは確実に身体をむしばんでいくのだ。俯瞰的に見たら、まるで”そのために”毒を飲み続けているかのようだ。

 

人の一生と、飲酒、脂肪肝、肝硬変、肝臓癌へとむしばまれていく臓器の映像を超高速で、まだ飲酒を知らない子供が俯瞰的、客観的に見たら、

 

(なぜこの人は毒を飲み続け、朽ち果てる選択肢を選んだのだろう)

 

という感想を抱く子供は、大勢いるだろう。酒やタバコをやめられない人間は、薬物依存症となんら変わらない。心が弱く、依存体質である。私はその二つともやめることが出来た。私は自分が弱く、依存体質であることを絶対に認めなかったからだ。

 

タバコ

 

だが、人が酒をやめられない理由があるのだ。それはまず、『合法』だということ。そして、『他にドーパミン(報酬系快楽物質)の出し方がわからない』ということが挙げられるのである。人間の法律は、人間が規律を守れないときに規制がかかるものだ。もしかしたらあと50年、100年後には、いくつもの悲しい事件の末、飲酒は『非合法』になっているかもしれない。

 

麻薬が非合法なのだ。飲酒によって取り返しのつかない事件は、いくつも起こっている。それに近いアルコールがそうなっても、おかしくはないだろう。その時に生まれた子供たちは、それを当たり前の事実だと、受け入れる。その時に彼らは過去の資料を見て、

 

(なぜこの人たちは、わざわざ有毒な煙を吸って灰を汚染し、わざわざ有害なアルコールを飲酒して身体を壊し、あるいは他人を傷つけているのだろう。)

 

と思うに違いない。まるで現代の我々が、親指に少しだけ力を入れれば簡単に火をつけられるのに、過去の人々はその火を作り出すのに大変な苦労をしたことを、哀れにも似た目で蔑むことがあるように。

 

火

 

山頭火は、いつそういう未来がやってきてもおかしくない、そんな事実を自らの飲酒体験で目の当たりにして、酒の在り方がどう在るべきか、唄ったのだ。酒を愛した山頭火の生涯を見て、酒の在り方を内省しなければならない。そして、酒も含めた外的要因に頼るのではなく、自分の意志で、自己を支配し、ドーパミンが欲しければ自分の力で捻出する知恵を、身につけなければならないのである。

 

だが、人間の8割が何らかの信仰、宗教と切っても切れない縁の中生きるこの人生で、『外的要因に助けを求めない』人間など、ほんの一握りしかいないかもしれない。それだけ人間とは、弱く、脆く、儚い存在なのかもしれない。

 

 

MEMO

※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。

 

 

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アウグスティヌス『酒は、人を魅了する悪魔である。うまい毒薬である。心地よい罪悪である。』 リチャード・ニクソン『人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。』 鍵山秀三郎『自分の才能を発揮している人はどんな人かというと、まず言えることは「人が”なんだそんなことか”と思うような取るに足らないことに一所懸命取り組んでいる人」です。』

 

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『人間が戦うべき相手は外にはいない。「内」にいるのだ。』

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