名言と真剣に向き合って、偉人の知恵を自分のものにしよう!
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考察
『真面目で、主君思いで、協調性もあり、勤勉な上に仕事もできる。そんな心と能力を持った人間はトップクラスの良臣だ。しかし、心ばえはそこまで良くなくても、何か優れた能力を持った者ならば採用すべきだ。』
私が今の部下を雇ったとき、彼が『吃音症』の疾病者で、しかも重度の『被害者ヅラ人間』だとは知らなかった。事故で兄を亡くして以来彼に付きまとった負の足枷は、ことごとく彼とその一家の心を闇に引きずり込むものだったのである。
例えば、遅刻や寝坊を平気でして、しかもそれを誤魔化して、捏造し、隠蔽するのだ。そしてそれについて指導した上司である私を、『自分を追い込む敵』と定めて、一時、人間関係は壮絶なものとなった。
私は彼をクビにすれば、『楽』になれただろう。だが、それは違うと、心底が叫んでいた。もちろん単純に、『逃げる』のが嫌だという私の元来の性格も手伝っただろう。しかしそれよりも、
(ここでもしクビにする。だとすると、次も気に入らなければクビにする。そうしてずっと、人を裁いていって、私は一体この人生で、何者になりたいのだろうか。)
そういう葛藤と疑問が、私の衝動を制止したのである。『自分の居場所の作り方』には、こう書いてあった。
あなたの部下が、あなたより仕事が出来ないことで怒らないでください。あなたの部下は、あなたより仕事が出来ないから、あなたの部下なのです。
これについて思う意見はいくつかあるのだが、まずは素直に、
(確かにな。)
そう言い聞かせることは、ひどく重要だと認識したのである。『適材適所』がある。今尚、彼との激しい人間関係は続いている。彼はまだまだ人格的に未熟極まりない。しかし、6年4か月という期間、私のしごきに耐え抜いた。それはある種の、才能なのかもしれない。そんな事を心の片隅に置きながら、明日も私は指導を続けるのだ。(それに私が未熟だという可能性も十二分にあるわけだから)
追記:この記事から4年。状況は何一つ変わっていない。それどころか悪化したと言っていいだろう。彼が『将来を諦めた』からだ。結婚もしないし、子供を儲けることも諦めると言った。あまりにも自分が人に迷惑をかけ続け、そして自分の改善をすることができないからだ。遅刻も週に一度は必ずしてしまっている。
『真面目で、主君思いで、協調性もあり、勤勉な上に仕事もできる。そんな心と能力を持った人間はトップクラスの良臣だ。しかし、心ばえはそこまで良くなくても、何か優れた能力を持った者ならば採用すべきだ。』
私はもちろんこんな人間をすぐに首にできる。だが、徳川家康のこの言葉を真剣に、慎重に熟考し、最善の判断を下すつもりである。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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