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考察
1910年、幸徳秋水とその仲間合計26人は、大逆罪で逮捕された。大逆罪とは、
『天皇や皇太子などに対し危害を加えわるいは加えようとしたものは死刑』
というもので、証拠調べの一切ない、非公開の裁判で裁かれるしかも1回のみの公判で、上告なしである。社会主義者たちの一掃をはかった権力により、幸徳らは大逆罪に問われ、処刑された。1947年改正前の刑法第73条がこれだ。
天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ対シ
危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ処ス
そして現在は廃止されている。
第二次世界大戦後、日本国憲法の制定とともに関連法制の改正が行われた際に、大逆罪などの「皇室に対する罪」の改正は当初予定されてはいなかった。なぜならば、新憲法でも天皇は国家及び国民統合の「象徴」であり、それを守るための特別の刑罰は許されると解釈されていたためである。これに対して、GHQは大逆罪などの存続は国民主権の理念に反するとの観点からこれを許容しなかった。当時の内閣総理大臣吉田茂みずからがGHQの説得にあたったものの拒絶され、ついに政府も大逆罪以下皇室に対する罪の廃止に同意せざるをえなくなった。
この『大逆事件』を受けて、蘆花は、
『死刑ではない、暗殺である』
と意見を主張し続けたのである。日本人からすれば、極めてギリギリで、かつ興味深い話だ。私が言いたいのは、かつての天皇国家への不信と、現在、それらを改めて『象徴』に徹している天皇への信用である。
昭和天皇が敗戦宣言をし、その責任をすべて自分一人のものだとダグラス・マッカーサーに言ったことは、尊敬に値する。それらの真実が捏造でない限り、天皇は国のリーダーとして、相応しい行動を取ったのだ。しかし、それらの背景には、かつて大逆罪に問われ、命を失った者がいることを忘れてはならない。
天皇だけではない。全ての勇気ある国民たちの、叫んだ魂が、今の日本を創り上げてきたのである。この大逆罪で、多くの人間は沈黙を守ったが、ただ一人、蘆花だけは意見を主張し続けたという。
私がこの短い半生で、これだけは本当だった、と心底から確信している黄金律が2つある。それは、
『チャンスは待っていても来ない。チャンスとは、自分で掴むものだ。』
ということ、そして、
『出る杭は打たれる。』
ということだ。蘆花の話から、またこのことについての意識が、強化されたのである。打たれることを恐れ、真実を隠蔽するくらいなら、たった一度のこの人生、いっそ打たれ死に、真実の人生を生きたいものだ。
追記:ちなみに私の確信する黄金律は、
へと進化を遂げた。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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