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考察
フランスの作家、グールモンは言った。
そうだ。元々『文法』など『原則』に過ぎない。
ソクラテスは言った。
法律でさえ、時に無実の人を殺すのだ。だとしたら元々あったのは『自由』。それを守るために出来たのが『ルール』。この図式を忘れてしまえば、本末転倒である。
ルソーは言った。
そしてルソーは、自身の著書『人間不平等起源論』の文中に、
「人間が一人でできる仕事(中略)に専念しているかぎり、人間の本性によって可能なかぎり自由で、健康で、善良で、幸福に生き、(中略)しかし、一人の人間がほかの人間の助けを必要とし、たった一人のために二人分の蓄えをもつことが有益だと気がつくとすぐに、平等は消え去り、私有が導入され、労働が必要となり、(中略)奴隷状態と悲惨とが芽ばえ、成長するのが見られたのであった」
と記載しているが、そこからもわかるように、『人間は元々自由だった』はずなのだ。しかし、その自由を追求した結果、『不自由』な思いをする人間が現れた。だから法律やルールを設け、人々の脳裏に『道徳』という概念が芽生え、宗教が生まれた。いや、厳密に話すとこうなる。
- ペルシャ神話
- ギリシャ神話
- エジプト神話
これらは全て紀元前1500年よりも以前から存在していた神話で、ユダヤ教(つまりキリスト教とイスラム教)が広まる以前にエジプト、ギリシャ、ペルシャの人々によって信仰されてきた神々の体系を指す。これらの神話が各宗教の基礎になり、それに反発するような形で哲学が生み出されるようになった。
ソクラテスの前にはタレスがいたが、ソクラテス以前は人間についての哲学はなかった。ソクラテスの登場とともに、倫理と道徳の声が高まり、人間社会に新たな秩序と価値を求めるようになる。この紀元前600~400年頃の時代、世界に目を向けるとこのような傾向があった。
彼らが倫理と道徳の尺度を設けたのは同時代だった。この理由は、世界的に農耕社会が定着し、古代国家時代に移る過程で、より強力な精神体系を必要とした人間の動きが関係している。ソクラテスは、『社会とは道徳と倫理の秩序なしには存在しない』という考え方のもと、国家の理想を一個人の幸福よりも重要だと考えて、国家の定めた『法』を何よりも重視した。
であるからして、『法律』が重視されるのは宗教よりも後である。自由を求めた結果、不自由な思いをする人間が現れた。その事実を目の当たりにしたとき、人は『それは人には格の差というものがあるんだから当然だ』と考える、身分差別のような発想をすることもあった。
ニーチェに言わせれば、キリスト教はそのような『ルサンチマン(下に設定された人の、上に対する嫉妬)』から生まれた宗教である。人間が、人間の奴隷にように扱われる。しかし、その人間の上に、更に『神』という支配者がいるなら納得がいく。そしてキリスト教という概念が生まれたのだと。
人間は、どのように生きれば『自由』なのだろうか。全ての人が自由に生き、秩序も同時に保つことはできるのだろうか。答えは、Yesである。全ては以下の記事に書いた。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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