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考察
『ガキの使い』に取材しにきた海外の人間が、
と言うと、松本はこう言った。
『逆になぜ海外で人気がないのかを聞きたいですけどね。』
スタジオは笑いに包まれた。もちろん、海外の人は『どうしてこんなクソ番組が』という意味で言ったのではないだろう。だからこそ、彼女らの番組で最初に取り上げる題材として、日本の『ガキの使い』をわざわざ選んで、取材しに来たのだから。しかし松本はそういう風に、半ば相手の揚げ足を取るような言い回しをしたわけだ。これはもちろんいつもの毒づいた松本流の冗談の一つである。しかし、私は長年見てきて、彼に『海外コンプレックス』があることを知っている。
まず、彼の映画『R100』は、ほぼB級映画だったわけで、めった打ちに酷評されたわけだ。私などは、(よくこんなB級クソ映画を堂々と公開できるな。やっぱ松本は飛びぬけてるな。)と思い、ある意味で彼を尊敬したものである。これは嫌みではない。私は彼の番組は欠かさず観るから、むしろ好きである。正直な感想を言っているだけだ。『さや侍』などは、涙をこらえるシーンもあった。
本人自身も、『遺書』を書いた時、今の年齢になったら、もっと違う舞台に立っていた自分を想像していたらしく、しかし現実は全くその理想と違うから、『夢が叶った』という実感が今でもないらしい。それはおそらく、映画監督を通してポスト『世界のキタノ』を狙い、願わくば自分の笑いが、全世界に通用してほしい、という野心が根底にあるということを示唆している可能性があるわけだ。
例えば、くまだまさしや、海外ウケが間違いないと言われている人間を、もっとプッシュしてもいいわけだ。陣内智則や、芥川賞を取った又吉。後輩に、世界規模になる可能性のある人間が何人かいるというのに、先輩としてそれをバックアップせず、自分のエゴだけにしがみついている印象を受ける。
松本は確かに、才能が認められなくて埋没していた、鬼奴やバカリズム、野性爆弾の川島などを評価して、バックアップしたことはある。彼自身、
『才能がある人間が正当に評価されるべきだ』
という意見を言っていて、自身の過去の体験と照らし合わせ、目に涙を浮かべることもあった。しかし、そのどれもこれもが『松本の下であることが前提』であり、自分を超えることは許さない、という考え方があるように見えるのだ。
恐らく、そこにあるのは『嫉妬』だ。自分が『世界規模の人間』でないことに、劣等感を覚えている。私は長い間彼を見てきて、日本では抜群の地位を築いたが、まるでピエロの様なイメージで、『しかし、世界規模ではない』という事実に、虚無を覚えているように見受けられるのである。
だから、この松本の発言、
『逆になぜ海外で人気がないのかを聞きたいですけどね。』
というものは、一見するとその場の雰囲気を和ませようとして笑いを取りに行ったように見えるが、本当は、『ホーム(アウェイの逆)』の立場を利用して、鋭いナイフをギラつかせた、海外への自己主張だと感じた。
(俺はここにいるぞ!世界が俺の笑いを理解するべきだ!俺が世界に合わせる必要はない!)
という、魂の叫びが見えた気がしたのである。
『笑い』は確かに、普遍的なものである。だが、『松本の笑い』は、普遍的ではない。(私は彼の笑いも、岡村隆史の笑いも、大好きである。)彼は、そのあり余る才能一つで確固たる地位を日本に築いたが、それ故に、『何かに合わせる』という柔軟性を忘れ、傲慢不遜に陥っている可能性がある。
もし、『世界に笑いを届けたい』なら、世界共通の、普遍的な笑いを作り上げなければならない。『自分の笑いを理解させる』というのは、エゴイストの考え方だ。しかし、日本ではその考え方一本でやってこれた。だからこそ、逆に依存してしまって、そこから脱却できないのだろう。このままいけば、彼はガラパゴス化して終わることになる。『別にそれでもいい』というのなら、このまま自分の流儀を貫き通せばいい。それでも日本においては、十分な成功者だ。
だが、世界規模ではない。そして人間規模でもない。この決定的な事実とどう向き合い、答えを出すか。極めて余計なお世話だが、残り少ない彼の人生で、そうしたことが問われているのである。私は彼のファンとして、期待を込めて、彼についてこう考える。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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