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考察
『スタンド・バイ・ミー』で有名な作家、スティーブン・キング。彼の作品に『グリーンマイル』という映画がある。その中の役の一人の受刑者が、『人の心が見えすぎて辛い』と怯えるのだ。これは、フィクションだろうか、あるいは、ノンフィクションだろうか。
当然、フィクションである。しかし私にとっては、ノンフィクションである。どういうことかというと、別にグリーンマイルに限らないが、フィクションはフィクションでも、それと同じ現象があれば、それはノンフィクションになるのだ。例えば作中で出て来たハンバーガーと同じ物を食べたら、その部分だけはノンフィクションとなる。私が言っているのは、そういう感覚である。深く追及されると話がずれるのだが、とにかくもうそれで意味はわかったはずである。
では、その受刑者が『私にとってはノンフィクション』だと言ったのは、どういう意図があるのだろうか。それは、『私も同じ感想を持つ』からである。いや、私は人の心を読むことは出来ない。テレパシーも使えない。霊感という言葉を口にすること自体も皆無だ。
だが、『私も、人の心が見えすぎて大変だ』という感想を抱くのである。それは例えば、ブッダの言葉を超訳したときに書いた、
この記事の中に、この話の詳細がある。だが私の場合、グリーンマイルの彼と違って、『辛い』のではなく、『大変だった』と表現している。私の場合は、周りに理解者が少ない時、つまりそれは幼少(心が幼少の人間とつるんでいる時も含める)の時だが、『考えすぎなんだよ』という一言でもって処理されることが多かった。しかし、私は決して考えすぎなどではなく的を射ている話をしているつもりだった。
ソクラテスは言った。
ここにも書いたが、100人のうち99人が黒、1人が白と言ったとする。そして、真実は『白』だとする。だが、その1人以外は皆『黒』だと言うのだ。
さて、正解はどちらだろうか。答えは当然『白』である。だが、本当にその考えを現場で言いきれるだろうか。99人を敵に回す覚悟で。こういったことを想像すると、なるほど確かに『大変だ』ということが見えて来るはずだ。『答えが白だと知っている人間』は、大変なのである。
ロシュフーコーが示唆するのは、まさにその受刑者の『怯えた姿』である。的は射た。だが、的を射たその矢が、的を貫き、違う存在に当たってしまったのだ。それでは話がずれてしまう。人の心は確かにおどろおどろしい。だが、それは自分も同じなはずだ。それについて憂うことがお門違いだということは、的を飛び出た段階で、気づくべきである。
※これは運営者独自の見解です。一つの参考として解釈し、言葉と向き合い内省し、名言を自分のものにしましょう。
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